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【注目ニュース】TSMC 第一四半期の7連結売上高が5926億4000万台湾ドル(1兆5900億円)と発表

発表日時:2024年4月18日

概要

TSMCは、2024年1月から3月の第1四半期の連結売上高が5926億4000万台湾ドル(1兆5900億円)純利益が2254億9000万台湾ドル(8500億円)、希薄化後1株当たり利益が8.70台湾ドル(33円)になったと発表しています。

第1四半期の売上高は前年同期比で16.5%増加し、純利益と希薄化後1株当たり利益はともに8.9%増加しました。2023年第4四半期との比較では、第1四半期の業績は売上高で5.3%の減少、純利益で5.5%の減少となっています。すべての数値は連結ベースでTIFRSに基づき作成されています。

米ドルベースでは、第1四半期の売上高は188億7,000万ドルで、前年同期比12.9%増加し、前期比では3.8%減少しました。

当四半期の売上総利益率は53.1%営業利益率は42.0%純利益率は38.0%でした。

第 1 四半期のウエハー総売上高に占める 3 ナノウエハーの割合は 9%、5 ナノウエハーの割合は 37%、7 ナノウエハーの割合は 19%でした。7 ナノメートル以上の先端技術で定義されるアドバンスト・テクノロジーは、ウェーハ総売上高の 65%を占めています。

「TSMCのウェンデル・ホァン上級副社長兼最高財務責任者(CFO)は、次のように述べています。「第1四半期の当社の事業は、スマートフォンの季節性の影響を受けましたが、HPC関連の継続的な需要によって一部相殺されました。「2024年第2四半期に向け、当社の事業は業界をリードする3nmおよび5nm技術に対する旺盛な需要に支えられ、スマートフォンの継続的な季節性により一部相殺されると予想しています。

当社の現在の事業見通しに基づき、経営陣は2024年第2四半期の売上高は 196 億米ドルから 204 億米ドルの間となる見込みと予測しています。ここで、為替レートは1米ドル=32.3台湾ドルの前提です。また、売上総利益率は51%~53%、営業利益率は40%から42%と予想されています。

TSMCの2024年第一四半期の結果(TSMCのHPより引用)

解説

TSMCの決算の中でまず特筆するべきことは、1兆5900億円という売り上げの大きさです。2023年の半導体企業売上高ランキングTop25において、1位がTSMC、2位がIntel、3位がSamsungでした。ちなみに日本企業は、17位にSony、18位にRenesas、23位にKioxiaがランクインしています。

加えて営業利益率(売上高から売上原価や販売費、一般管理費を差し引いた営業利益の売上高に対する割合)が40%台というのも驚異的です。一般的に製造業では3~4%と言われているので、10倍もの高収益体質ということになります。

高収益体質の理由は、技術力の高さでしょう。発表にもあるように、7 ナノメートル以上の先端技術で定義されるアドバンスト・テクノロジーが、ウェーハ総売上高の 65%を占めています。この技術力の高さによって、ロジックについてはTSMCが独占、ファウンドリービジネス全体でも60%以上のシェアを持っています。

現在では最も先端を行っているTSMCですが、ASMLから最新の高NA・EUV装置を購入したIntelが2.0ナノ、1.8ナノのプロセスノードに向けて着々と準備を進めているようなので、今後もTSMCの相対的優位性が保たれるかは要注目です。

参考文献

TSMC Reports First Quarter EPS of NT$8.70

2023年の半導体企業売上高ランキングトップ25確定版、日本企業は3社がランクイン TechInsights調べ | TECH+(テックプラス) (mynavi.jp)

【2024年版】製造業の利益率は?業種別の平均目安と企業ランキングを解説 | 比較ビズまとめ (biz.ne.jp)

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