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【書評】ストレスゼロの生き方~心が軽くなる100の習慣~(Vol.4)

はじめに

現代の超ストレス社会では
ストレスをどの程度マネジメント出来るか
が幸福に生きていけるかを左右する部分は大きいです。

この能力(=ストレス耐性)のことを「レジリエンス」と呼び、
最近では就職試験でも測定されるようになりました.

本書では

・降ってくるストレスをどれだけ減らすか?
・降ってきたストレスをどう対処するか?

について述べられています.つまり,そもそも降ってこないようにする術と降ってきたときに対処する術を合計で100項目に渡って述べています.

本書は以下のような人におすすめです.

本書評は連載になっていますので,まだ読んでいらっしゃらない方は,こちらからどうぞ.


過小評価を,受け入れる

相手から過小評価されたら,まあ普通はあまりいい気分がしないよな.
だが,相手から過小評価されることは,「バカにすんじゃねえ」という怒りや,「見下されてる...」という悲しみの感情を上手く統制できるのであれば,じつはけっこうラッキーな状態だ.

過去と他人は変えられませんが,未来と自分は変えられます.

つまり他人からの評価とは,自分が変えられないものなのです.
ですから,それが過小評価であれ,過大評価であれ,気にしすぎるのは時間の無駄だと言えるでしょう.

気にしたところで変えられないのです

それに過小である過大であると評価しているのは紛れもなく自分自身です.相手がしているのは単なる評価であり,それを自分が ”過小である”,”過大である” と感じているに過ぎません.

誰よりも自分が自分のことを評価的に見ているとも言えるでしょう.

確かに自分のことを客観的に見ることが出来る能力は大切だと思いますが,何かと常に比べて評価ばかりしているのも空しいと思います(比べるならせめて過去の自分であるべきです).

過小評価であれ過大評価であれ気にすること無く,そのままの自分の存在を受け入れる強さも持ちたいものですね.


自分の欠点を,受け入れる

一番ダメなのは自分の欠点がどこにあるのかすらわかっていない状態だ.
正しい欠点さえ認識できれば,問題解決の半分が終わったと考えていい.

正直,課題解決はそこまで難しくありません.目指すべきゴールを与えれば人は自ずと走り出せるものです.

何より難しいのは課題発見だと思います.

例えば,研究の世界を例に出すと,学部~修士課程は問題解決能力を養うところだと思います.なので,修士号を取得して企業に就職する人の多くは経験豊富な人に,ある課題を与えられてその解決に当たります.

一方,博士課程は問題発見能力を養うところです.自分で論文なり社会情勢なり,学会発表を聞くなりして,研究課題を見つけることを求められます(というか求められるべきです).

自分は博士学生とポスドク向けの就職説明会に数回出席しましたが,実際に複数の企業が博士号を取得して就職する人に求める素養として,課題発見能力を挙げていました.

今後の世界を考えると,課題発見能力は必須でしょう.よく言われていることですが過去の傾向やデータが通じにくい(変動性が大きい)世界になっているからです.つまり経験豊富な人であっても未来が予期できないということですね.

そうなれば,必然的に単純に指示を出されるだけではなく,

将来性を考えて自分なりにテーマ設定をして取り組み,結果を出しなさい

という指示を出されることでしょう.

課題発見 ⇒ 課題解決 ⇒ 結果という一連の流れをこなせる人材が求められるということですね.

話を戻します.課題解決能力だけでなく,課題発見能力を養いましょう.


裏切りを,受け入れる

裏切りには2つのパターンがある.1つは,相手が人を裏切ることをなんとも思っていない最低の人間である場合.もしそうだとしたら,そもそもそんな人間とは長く付き合うべきじゃないのだから,相手の本性が早い段階でわかってよかった.ラッキーである.

もう一つは,自分が相手に十分な利益を与えられていなかったから裏切られた場合だ.たいていの場合,人が人を裏切るのはお互いに与える利益のバランスが崩れたときだ.一緒に居てお互いハッピーであれば裏切りは起こらない.あなたが誰かに裏切られたと感じるとき,原因はあなたにある場合が多いのだ.

ここでは後者の場合を考えます(前者は自明ですので).

明確な裏切り行為として目に映ることは少なくとも,いつの間にか自分の周りから人が居なくなっていたという,熱血系ベンチャー社長の話を何度が読んだことがあります.

前ばかり見ていて,周囲の人に利益を十分に与えられていなかったということですね.鎌倉幕府が崩壊したのも,御恩と奉公の均衡が崩れたことに起因していますし,歴史を紐解けばこの様な事例には枚挙にいとまがないでしょう.

難しいのは上の立場であった場合に,現状の均衡を正確に認識することだと思います.

自分が下の立場であった場合(例えば奉公側)は均衡に比較的敏感でしょう.会社から頂く給料が少なければ人はすぐに反応しますよね.

一方で,上の立場であった場合はどうでしょうか?相手が本当に満足しているか?不満を抱いていないか?正確に計り知ることは,逆の場合と比較すると困難であると感じる人が多いと思います.

ここで大切なことはどこまでも

相手の気持になって考えること

であると思います.

何も目新しいことではないので,そんな当然のこと分かっていると言いたい人も居るでしょう.でもその当然の事をどれだけ徹底できているでしょうか、自分もまだまだなので精進したいと思います.


己の美学を,貫く

ちょっとしたごまかしやルール違反をしたところで,だれも気づかないかもしれないしバレないかもしれないが,己の美学に反することをしていると自尊心が少しずつすり減っていく.
自分のやっていることが正しいと信じられないと,己の魂が死んでいくのだ.己の美学に従って好きに生きろ(法律は破るな)

まず,この議論には前提があります.そう,

自分の美学を持っていることです

そもそも美学とは何でしょうか?国語辞典を引いたところ次のように書いてありました.

1 美の本質、美的価値、美意識、美的現象などについて考察する学問。
2 美しさに関する独特の考え方や趣味。       Goo国語辞典

1はちょっと専門的というか学問に寄った説明ですね.自分的には2の方が一般的でしっくり来ます.

どれだけの人がこの美学を持っているでしょうか?もちろん,どこまでも主観的で良いとは思うのです.”独特の”と書いてありますし.

でも,持っているか居ないかは,その人の身なり,持ち物,振る舞いから見て取れるものだと思います.特に女性はそういうのに敏感だと思います.

自分の場合は装飾の無いシンプルなモノ,コト,考え方に惹かれます.単純であるほどに美しいと感じるのが自分の美学です.

ですから,例えば初めて行ったお店では,その店の最もオードドックスな料理を食べるようにしていますし,無駄な機能の付いたゴテゴテした外見のモノは持ちません

そういう美学を貫いている人は,どことなくカッコいいなと自分は感じますし,そうありたいなと思っています.皆さんはどうでしょうか?

著者がここで言いたいこと(=規範意識的なこと)とは少し趣旨が違いますが,自分の中で一貫した美学は持ちたいものですね.

高い意識を,貫く

「意識たけー(笑)」とかいって頑張っている人を笑っている人間は,そのうち意識を高く持たず頑張らなかったツケが回ってきて笑えなくなるからほうっておけ.

意識なんて高いほうがいいに決まっている.むしろ意識を高く持つことをバカにしている人間のほうがよっぽど恥ずかしい存在だ.

この中には
・noteを継続するため
・筋トレを継続するため
・受験勉強を継続するため
意識を高く頑張っている人もいると思います.もしかしたら,それを笑う人間が周囲にいるかも知れませんね.

大丈夫です.数年もすれば笑っている方と笑われている方は逆転します.

笑っている人たちは,外面では笑っているかもしれませんが,内心では焦っていることもよくあります.そして,大勢で群れているのも特徴です.

彼らが内心焦っているのは自分たちのレベルから抜け出して,置いていかれるのが怖いからです.でも自分たちは行動する勇気がないから,他の人を引っ張り下ろそうとします.

ですからあなたは頑張るの辞めないで下さい.辞めてしまったら仲間に戻してくれるかもしれませんが,それでは有象無象の一部として一生を終えることになるでしょう.

ただ,自己流で非効率なことをしているのを笑われているのであるとしたら一度立ち止まって周りを見てみたほうが良いです.頑固な人が周りが見えなくなっている場合も,類似した状況になりがちです.

意識を高く持ちながら周囲の有益なアドバイスには耳を傾けて柔軟に発展していけるような人間を目指したいですね.


不屈の精神を,貫く

それともう一つ,自分の失敗から学べる人間が強いのは当然だが,「他人の失敗」を見てそこから学べるやつはもっと強い.

この言葉を聞いたとき,自分は次のように理解しました.

ファーストペンギンは必ずしも賢くない

ファーストペンギンとは,ベンチャー精神を持って行動する個人や企業を、尊敬を込めて呼ぶ言葉です.もしかしたら,海のなかにはペンギンの天敵であるシャチやトド,オットセイがいる可能性があります. 最初の1羽は身をもって海中の安全を群れに伝えている訳ですね.

確かにファーストペンギンは勇気があります.それは間違いありません.

しかし,前例がないと失敗も多くなりやすいです.その観点から考えると,ファーストペンギンは他人の失敗から学ぶことができないという観点で見れば,必ずしも賢いとは言えないでしょう.

例えば良くあるパターンとして,急に何かの議論に対して全員の意見を求められたときに,”好きな人からどうぞ” となる場合があります.

このとき,一番を取りに行くのは勇気が必要なので,発表した人は一目置かれます.しかし,周囲の期待もわからないままに自分の正直な言説を述べて,失望させる可能性も高いのです.

二番手,三番手は前の人間の失敗も踏まえて意見を述べられます.実際に一番に発言した人の意見ではなく,二番目~三番目の人の述べた意見がバランスが取れていて採用されるというケースはよくあります.

他人の失敗を見て学び,柔軟に姿勢を変えられる人間(=適応性が高い人間)が強いというのは,ダーウィンの有名な言葉からも読み取ることができますね.

これからの変動性が高い世界を生きていくのに,より重要な考え方になるかもしれません.

最後に

いかがでしたでしょうか?
今回は,テストステロン氏の「ストレスゼロの生き方」
の書評(Vol.3)を執筆しました.

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