スタジオジブリなどのアニメで背景を描いていた山本二三さん死去の報を受けて
スタジオジブリ作品をはじめ、さまざまなアニメで背景美術を担当されていた山本二三(にぞう)さんが胃がんのために逝去されたとの訃報が発表されました。
70歳だったそうです。今の日本の平均寿命から考えても若いほうですよね。
とにかくもう……すごく残念でなりません。
僕は「天空の城ラピュタ」の背景が好きです。劇中、壮大なBGMとともに映されるあの天空の島の全景に子供の頃は感動したものです。雲を抜けた先に「竜の巣」がドーンと出てきたときなんかもすごい迫力でしたよね。
そういえば、山本さんの描かれる雲は「他には誰も真似できない」として「二三雲」と呼ばれるそうですね。納得です。ちょうど今の季節の入道雲が映える空のように、どこまでも広がっているような空を山本さんの絵には感じることができるんです。
「もののけ姫」のあの苔の生えた森なんかも良かったですね。大樹や岩に苔が張り付いてしっとりモコモコっとした感じ。そこに木漏れ日が差し込んでいて……神秘的な森を本当にうまく表現されていました。
イラストを描くときには、山本さんの画集を見ながら真似して背景を描いたりしたこともあります。なかなか思うようには描けませんでしたけどね。
昨今のアニメでは背景美術もデジタルで描くようになりました。それはそれで精細で綺麗な表現ができるようになったとは思うのですが、やはり紙の上に筆で描いた絵もいいですよね。なんか独特の“柔らかさ”みたいなものがあって。
そういった技術を持った人が亡くなられたというのは、本当に悔やまれます。
これまでに山本さんに関わったことのあるメーカーなどからも、その死を悼むたくさんの声が上がっておりました。そのいくつかもご紹介します。
背景美術という分野は、アニメにおいてはそれほど目立つところではありません。それでも、アニメには無くてはならないものです。
これまでも、そしてこれからも山本二三さんの描いた作品たちは絵描きさんをはじめ多くの人に影響を与えることになると思います。
今はただ、ご冥福をお祈りいたします。
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