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Xジェンダーの一人称はどれにするか

日本語の一人称はたくさんの種類と性別の違いがあるので、どれを選ぶか思わず考えてしまいます。

「僕(ボク)」や「俺(オレ)」は男性。「私(あたし)」や「ウチ」は女性という風に。漢字やひらがな、カタカナでも印象は若干変わるので使い分けが複雑です。
セクシャルマイノリティでなくても、意外と一人称で悩む人は多いのではないでしょうか。

「わし」「あたい」「おいら」など他にもたくさんありますが、いずれも性別を何となく感じられる一人称です。

「私」を使っている理由

仕事でもプライベートでも、私は一貫して「私(わたし)」を使っています。理由は代表的なものの中では性別も関係無く使える、言いやすくて書きやすい、合っている気がするので。

たまに自分を指すときは「自分」も使いますが、それ以外は合う一人称がないのでそうしています。

思春期の頃は一人称を言えない時期がありました。どう思われるか恥ずかしいからというのが大きな理由だったように記憶しています。
悩んだあげくに「うち」を使っていました。

「うち」から「私」に変えた理由は、だんだんしっくりこなくなってきたので。ただ「私」と言い出すのとなじむのに時間がかかっていました。

子供の頃は女の人が使う一人称と思っていたのですが、社会人になってからは「私」は公私ともに使える便利なものだと知りました。
そう考えると、子供の頃から男らしさ、女らしさというのは無意識にでも気にして過ごしていますね。

一人称で伝わる性別の印象

ネット上の顔の見えない状況だと「私」から急に「僕」や「俺」と書くと、多くの人から男性だっけ?と思われるでしょう。

逆に自分の表現したい性別が男性寄りであれば男性の一人称を、女性寄りであれば女性寄りの一人称を使えば相手にそのように伝わるので内面を伝えるにはいいのかも知れません。

ネット上だからこそできる、顔も性別も分からないからこそ自由にふるまいたい人や本当の性別で話したい人もいるでしょうし。
これがネット上だけの場合と、リアルでも会うとかになってくると使い分けたりまた変わってくるのかも。

リアルで聞く一人称

セクシャルマイノリティのコミュニティなどでいろんな人と話していると、一人称はいろいろです。

生まれた性別と認識が一致している、いわゆる「シスジェンダー」の人たちは生まれた性別に近い一人称が多いように見えます。

でも本当に人によって違うので、ひとくくりには言えません。性別に違和感があるまでいかなくてもボーイッシュな格好をしている人は「自分」と言ってたりしていますし。

いちばん使いやすい一人称でいい

自分のことなので別に悩むことなく好きに呼べば良いと思うのです。

ただ見た目の性別と呼ぶ一人称があまりにもかけ離れている、例えば第三者から見て女性らしい見た目で「俺」と聞いたとき、周りからはズレを感じて珍しく見られるでしょう。

逆に男性らしい見た目の人がプライベートで「私」と言うと丁寧な印象ですが、女性が使う一人称と思っている人からは違和感を感じることがあるかも知れません。

近ごろは性役割を求められることは減ってはきていますが、このように自由であるはずなのに、周りの思い込みやイメージで不自由さを感じてしまうのが微妙なところ。それが気になるから悩む人がいるのでしょうね。

個人的には今のところ「私」を使い続けていくつもりですが、どれがしっくりくるのか、落ち着くかはその人次第で良いと思っています。どの一人称を使うにも人の数だけ理由があるでしょうから。


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