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私らしくいるためにもっと直感を頼ってみたい

「やっぱり瀬尾まいこの作品が好き!」

「強運の持ち主」を読み終えて最初に口をついて出てきたのがこの感想だった。

ここ数ヶ月、瀬尾まいこ作品に魅せられています。

「夜明けのすべて」を皮切りに「掬えば手には」「そして、バトンは渡された」に続いて「強運の持ち主」で4作品目。

今の自分と最も相性が良い作家、それが瀬尾まいこ。そう感じています。

なんというか彼女の小説の世界観が今の私には丁度いい。心のなかがじんわり温かくなるようなやさしさがある物語が。

読み終わったあとはほわ〜んと優しい感動の余韻にひたれます。



元OLが営業の仕事で鍛えた話術を活かし、ルイーズ吉田という名前の占い師に転身。ショッピングセンターの片隅で、悩みを抱える人の背中を押す。父と母のどちらを選ぶべき?という小学生男子や、占いが何度外れても訪れる女子高生、物事のおしまいが見えるという青年……。じんわり優しく温かい著者の世界が詰まった一冊。

強運の持ち主


主人公ルイーズの占いのスタイルは正統派のようで実はちょっと違う。彼女は姓名判断や星の動きなど占いで導き出した情報をそっくりそのまま伝えることはしない。

お客の話し方や容姿をよーく観察し性格を判断しつつ、自らの直感を頼りに占いをする。

お金を払ってまで占いを受けに来る人は本当は何を望んでいるのか自分でも薄々気がついている。
でも心の迷いを拭い去れない。

ルイーズはその本心を察知して一人一人に合わせて助言をしていく。

側から見たらその場しのぎの言葉を並べたインチキっぽさもある。
けれど、実は、人情派で悩みを抱える人にちゃんと寄り添っている感じがいい。

そしてときにはショッピングセンターを抜け出してお客の悩みを解決するために奔走する…




自分にとって大切な決断をするとき、杓子定規な考えにとらわれることもある。
悩みすぎてついつい頭でっかちになったり。
損得感情を優先して自分の心の声に耳を貸さなかったり…

そんなことを繰り返していると、いつの間にか本心を置き去りにしてしっくりこない選択をしそうになる。

でも悩んだときは、心もとないけど自分の直感を頼ってみよう?

時には周りにいる色んな人に助けてもらいながら気楽にやろう?

そんな選択肢も全然アリだよ?

自分のハートに、魂に従って一つ一つの選択をすること。
そういうことを積み重ねることで少しずつ自分が求めるものにつながれる。

こんなメッセージをこの小説から受け取った。

わたしは直感を発揮したり
自分自身に正直になることに躊躇するときがある。

だけどこの小説を読んでいると
「直感に従うことは自分らしく生きるためには必要なことだ」と自然に受け入れることができた。

そのときそのときの自分の直感を大事にして選んだ道なら、その結果の良し悪しに関わらず得られることは必ずあるはず。

そして何より自分の感覚を大切にするって自分自身をまるっと肯定することでもある。

深刻になりすぎずに軽やかに読みすすめられる瀬尾まいこワールド。

まだ4作品しか読んでいないけれど
共通しているのは、生きるために必要なヒントがやさしくも芯のあるメッセージとして含まれていること。

うん。
やっぱり私は瀬尾まいこが好き!

彼女の小説から摂取したものによってこころが喜ぶ。

こんな作家に出会えて
私はとっても幸運なんだな。

以上
読書の記録でした。


最後までお読みいただきありがとうございます。

それでは、また別の記事でお会いしましょう♪


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