大切な友への出産祝いはベビーグッズじゃなくて、心にそっと寄り添う「ノート」にした。
「二人目の赤ちゃんを出産したよ」
学生時代の親友から、ふいにLINEが入った。
今は住む場所やライフスタイルが変わってほとんど会うことのない私たち。
けれど人生の節目節目、彼女にとっての大事な報告をこうして必ずしてくれる。
彼女は私にとって大切な存在だ。
さて、そんな大事な友達へのお祝いに何をプレゼントしようか…。
ここ最近は出産祝いをあげる機会も減って何がトレンドなのか全く知らない。
私は悩んだ。
無難にベビー服?おもちゃ?おむつケーキ?写真立て?はたまた商品券?
一体何がいいのかさっぱり分からない。
ここは何が欲しいのかズバリ本人に聞いてみることにした。
すると「気持ちだけで嬉しい」との返答。
これは、彼女の場合遠慮してとかではなく本気で言っている。というのが付き合いが20年近くになる私にはなんとなく分かった。彼女はそういう人なのだ。
それでも、気持ちだけではこちらがいたたまれない。
赤ちゃんに使ってもらう物というよりも、彼女自身に役立つものを贈りたい…。
きっと他の人たちから赤ちゃん用のものはもらうだろうし。
それになにより、赤ちゃんを育てる彼女自身にハッピーでいて欲しい。
そんな願いがあったのかもしれない。
それで私はプレゼントの一つとしてノートをあげることを思いついた。
ちょっとおしゃれで、手元にあると気分がウキウキするようなデザインのもの。
今の彼女に文章を書くような習慣があるかは知らない。
だけど、新たに家族が増えた彼女の生活は今までよりも忙しく、やることも考えることも増えることくらいは容易に想像が出来る。
生きていれば日々様々なことが巻き起こる。
頭の中にある整理のつかない考えや、口にするには憚られる感情をノートに書き出すことで吐き出せれば少しでもリラックスできるのではないか?
嬉しかったこと、感動したこと、日常で感じる些細な心の動きなどなど…
頭のなかで心の中でその都度浮かんでは消えていってしまう刹那的な言葉をノートに書き留める。
内容が良いことでも、そうでないことでも、どうでもいいことでさえも、後で見返したときに思い出になるのではないか、そう考えた。
書いたことがオリジナルの記録になり、
考えや気持ちを紙に書きだすことで自分自身を客観的に眺められる。
それが手軽な気分転換になったらいい。
今すぐ役立つというより、
後々になってからも彼女の心に寄り添えるようなものを私は贈りたかったのかもしれない。
言葉を、文章を書くことがいつか何らかの形で彼女自身にギフトになって返ってきてくれたら良いな。
そんなことを願ってチョイスしたプレゼント。
自分なりにこんなことを考えてノートを選んだよ〜という手紙も添えて発送した。
すると後日、早速ノートを使ってもらえそうだと伺えるメッセージが彼女から送られてきた。
「私の気持ち伝わったんだ…よかった」
こんな風に思って胸がジーンとした。
頻繁に連絡をとり合わなくとも、
何年も友達関係をつづけている相手とは通じ合うものがあるよな…。
これって得難いものだよな…。
今回はそんなことを感じた出来ごとの話でした。
ここまで読んで頂き、どうもありがとうございました。
それでは、また〜。
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