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とんねるず、素人二人の「チャレンジ」によって切り拓かれたタレントデビュー

とんねるず・木梨憲武が、週刊ポストの取材に「チャレンジ」について次のように語っていた。

「昔から根拠もないのに揺るがない自信があるおかげで、やりたいことをやって来られた。スターばかりの帝京高校でサッカーをやるのがカッコいいと思えば、自分の実力なんて考えもせず帝京高校に入っちゃうしね。何事も何とかなるはずってチャレンジするから、チャンスも増えるんじゃないかな」

この発言に、私はとんねるずの「原点」とも言えるスピリッツではないかと思った。とんねるずの二人のキャリアは1982年、『お笑いスター誕生!!』でグランプリを獲得したことから始まっている。だが、そこから決して順風満帆という訳ではなかった。

とんねるず結成

「とんねるず」というコンビ名つく以前、そして『お笑いスター誕生!!』に出場するまでの間に、石橋・木梨は『ドバドバ大爆弾』という素人参加番組に出演している(*1)。

「400組からのオーディションがあって。俺ら1組みだけ受かって。それで出て。面白いって言われて、その演出家とかスタッフがそのまま、4月からお笑いスター誕生をやりだして。それに出ないかって言われて」

『ドバドバ大爆弾』への出演が、『お笑いスター誕生!!』に繋がっている。だが、誘いがあってオーディションを受けに行った石橋と木梨だが、そこで思わぬ展開となる。

「でも、4月から俺ら、働いているわけよ。俺はホテルマン、ノリタケはダイハツで。それで、『どうする?』って。『でもなぁ…でも、プロになるつもりはねぇしなぁ』って言って。しかも、オーディションに行ったら、1回、メチャクチャ怒られて」

「『なんだ、お前らそれ』って言われて。それはそうだよね、部室でやってることをそのままやってるだけだから。プロになろうって意識がないから、ただの素人の面白いヤツってレベルだから」

「『何やってんだ、お前ら。この番組、ナメてんのか?』って言われて。『いや、ナメてはいないですよ。ただ、プロになるつもりはないんで』って言って。それで1回オーディションに行って、しばらく働いてたら、また連絡きて。『もう一回オーディションこないか?』って言われて。その話がきたら、今度は褒められて。そしたら、『次の週に出ろ』って言われて。そしたら、5週勝ち抜いて。当時、素人では最高だったんだけど」

とんねるずの素人からプロへの転身

『お笑いスター誕生!!』で知名度は上がったものの、当時はまだ素人であった。そこで石橋は、木梨と次のような話し合いを持ったのだという。

「それで、(芸能の仕事が増えて)ちょっと会社を辞めないといけないくらいの感じになって。『どうする?ノリタケ』って。忘れもしない、渋谷パルコ・パート2の2階の喫茶店で、『どうする?やる?』って。ノリタケが『タカアキがやるんなら、俺もやるよ』って(笑)『じゃあ、やる?』って(笑)」

このような話し合いを経て、石橋と木梨はプロ転身、タレントになることを決意することになった。当時、彼らは事務所に所属していない、あくまで「素人」にも関わらず、森永製菓のCMに出演している。

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