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世界史note

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記事一覧

【ニッポンの世界史】#36 世界史が語る国際政治や文明の衰亡:高坂正堯と塩野七生

世界史化する時事論壇  1980年代以降、論壇誌や政府関係の刊行物、ビジネス系の雑誌に引っ張…

MDGsは、SDGsと本当はどういう関係にあるのか? 【SDGsとは一体、何だったのか?】第…

貧困撲滅のための「ビッグプッシュ」  さて前回は、第二次世界大戦後の国際開発規範の変遷が…

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【国内 "世界史" 観光500選】 記録的円安なんて吹き飛ばし、ニッポンの「世界史」を歩…

 コロナ禍も明け、海外に出かけようとせっかく思い立ったところにふりかかる記録的円安…。こ…

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SDGsとは一体、何だったのか?【世界史でよむSDGs】はじめに

いまや日本のSDGsは、空虚な「記号」である  2015年に採択されたSDGs(国連持続可能な開発目…

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【ニッポンの世界史】#33 地政学化する世界史:キッシンジャー・『悪の論理』・高坂正…

2010年代の世界史ブーム  連載の第1回で、2010年代以降の世界史の一般書のトレンドに、(1)デ…

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世界史授業の教材研究:手元にあると便利なもの

"まじめ" に教材研究をするにあたって、「こんなものが手元にあると便利」というリストです。 …

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【ニッポンの世界史】#32 少女漫画がひろげた世界史の担い手:『ベルサイユのばら』を中心に

 はじめに結論から。  少女漫画『ベルサイユのばら』が、世界史をコンテンツとして楽しむことのできる広汎な読み手を育て、歴史の関わり手を男性だけでなく女性にひろげる役割を果たした。  今回ここで述べるのは、たったそれだけです。 *** 歴史を物語として楽しむカルチャー  歴史を物語として楽しむ行為自体には、口伝えの伝承や軍記物語など、それこそ長い長い歴史があるわけですが、日本ではとりわけ近世以降、商業的な出版や演劇、講談を主要なメディアとして、たとえば『三国志演義』の二

【2024年版】世界史教科書 消えた用語、増えた用語:山川出版社・実教出版の比較編

今回比較するのは、山川出版社『詳説世界史:世界史探究』と、実教出版『世界史探究』の索引で…

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【世界史教科書比較】山川詳説vs新世界史

ながらく"定番"と目されていた山川出版社の詳説世界史と、のびのびとした ”攻める” 記述で知…

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【2024年版】世界史教科書 消えた用語、増えた用語:山川出版社・帝国書院の比較編

この記事の要約この記事は長い(約40000字)のではじめに要約を書いておきます。 以前、山川…

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【ニッポンの世界史】#27 忘れられた世界史家・謝世輝(しゃせいき)とは何者か?—万…

3つの不信  アジア初の国際博覧会であった大阪万博は、1970年3月15日から9月13日までの183日…

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【ニッポンの世界史】#26 テクノロジーと精神文化:マクニールの世界史は、何が新しか…

世界は3つの文化圏でできている?  さて、ここで視点をいったん”公式”世界史の動向に戻し…

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【ニッポンの世界史】#25 越境する中国史:陳舜臣のユーラシア的想像力

 この評伝で紹介されているのは、1970年代の大衆歴史ブームを土壌として、日本を超える視点か…

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【ニッポンの世界史】#24 世界史にとって、1970年代の「大衆歴史ブーム」とは何か?

1970年代の大衆歴史ブームの担い手は誰か?  まずは前回のふりかえりから。  1970年に高校の学習指導要領が改訂され、世界史A・Bが世界史に一本化されるとともに、「文化圏」学習がはじまったのでした。  改訂された新学習指導要領が実施されたのは1973年からのこと。  これに基づくカリキュラムと教科書により教育を受けることになったのは、1957年より後に生まれた高校生たちです。  1957年生まれは「ポスト団塊世代」ともいわれ、ギリギリ東京五輪の記憶があって、多感な時代