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英語がペラペラじゃない私が地域密着型の英会話教室を開校するまで

自己紹介の記事の最後にも書きましたが、私はそんな偶然がキッカケで本能に火をつけ開業に向けて動き出すわけですが、今回はこの思い立ってから何をしていったのかを、細かい点から書いていこうと思います。
(これはあくまで私の経験と、行ってきたことの記事であり正解はまだ模索中である点はご理解いただき、参考にしてもらえればと思います)

高校を卒業後に社会人となり飲食業界で独立。その後は不動産業へ転身し地元でも様々な活動を行っている私が、どうやって異業種での開業・開校に至ったかをご覧頂ければと思います。
特に、今回の英会話教室に限らず何らかの起業を目指している、自分のお店を持ちたいなど、これから独立したいとまだ漠然と思っている方にも非常に身近な形でお話をしていければ、また新しい挑戦のきっかけになればと思っています。


◇経験を基にしたマーケティングの開始

今まで自分がやってきた仕事、趣味、人脈を基に早速準備に取りかかった私は仕事の合間をぬって、まずは英会話教室という業界の状況を広い範囲で調べることにしました。
この意識は今となっては誰もが当たり前の行動だと思うかと思いますが、未経験の業種で開業する場合、フランチャイジーなどに加盟したり支援を受けたりする方も多いので、その選択肢がなく、また異業種といえ独立経験があった私にとっては非常に重要な準備として心がけていました。
もちろんフランチャイジーがどんなサポートを謳い、投資家やオーナーを勧誘しているのかなども、リサーチを行いました。
ここの点については、別項の「店舗探し」のところで触れられればと思います。

・英会話教室の現状は

まずは、英語という習い事のジャンルにおいて、どのくらいニーズや人気があるのかを調べてみました。すでに私も小さい子供が2人おりましたが習い事といえば、私も小さい頃やっていたそろばんと私がチームの運営をしている学童野球チーム程度。人気の水泳教室や学習塾などには通わせていなかったので、顧客層となるのは何歳からなのか、1コマでどのくらいの授業時間が良いのか、月の単価はどの程度なのかを調べました。

1コマの授業時間や、預かる時間など多少の違いはあればある程度想定していた単価だったこと、驚いたのはこんなに英語教室があることに驚きました。
私の地元練馬区は人口が多く、そしてここ20年ほどで街もがらりと変わり昔のころと比べると非常に親御さんの属性があがっているのは、野球チームを運営していて感じていたことだったので、やはり英語のニーズは近年非常に上がってきているんだと感じました。

私の場合、開業することは大前提で決めていましたので、出店を計画するエリアも様々リサーチをするわけですが、地元限定としていた私にとっては近隣の競合となる他の教室のリサーチはすぐに終えることが出来ました。

・競合他社の実際の数字を分析する

ただここでどうしても掘り下げきれないものがあります。それは近隣の同業他社の在籍している生徒数や講師の数です。講師についてはホームページなどでスタッフ紹介をしている場合がほとんどですが、実際どこまで在籍しているのか不明なことがあり、とにかくスタッフの紹介だけ多かったりするので参考にはなりませんでした。生徒数についてもその英語塾の入り口で張り込みをするわけにはいかないので、ホームページ上での時間割やテナントや教室の数を割り出しておおよそで計算していましたが、実際に通っている子などに話をきくと稼働状況が読めず、これも在籍生徒数の割り出しをするには情報が足りませんでした。
この部分については、既に教室を運営している身としても当時もう少しできたかどうかは難しいですし、今でも近隣競合他社の実際の稼働は把握しきれていない部分が多いと思います。


・教育理念が固まっていたからこそ出来た単価設定

次にリサーチをかけて設定したのが料金体系です。これも大手教室を軸として、近隣の中規模小規模の単価を調べて、値段を設定しました。
今思えばここで良い設定が出来たと感じるのは、他の教室と比べ1クラスあたりの生徒数を少数編成としていたため、無理に安価な設定をするマインドにならず、生徒さんが成長するために、親御さんが明らかに目にできる妥当な設定に出来たという事です。
これは後日お話しする運営中の広告・SNSに繋がるのですが、大手教室の場合は1クラス人数(8〜10名)などが多く、その場合私が想定していた1クラス生徒数(3〜4名)の2.5倍から3倍以上の生徒数となります。そうなると学習における生徒さんのアウトプット数にも影響は出ますし、インプットにも影響が出ると考えていたのです。これはオープニングの講師として一緒に準備に入る講師に確認したところ、語学の学習には非常に重要な点であると語っていました。
ここで単価については非常に合理的な設定が出来たと考えています。
この単価についても、飲食店などでもそうですが一度決めた設定はなかなか途中ですぐに変更することは難しいため、非常に悩む部分だと思います。飲食店などの場合は、一度来店して高いと感じれば次に来ないということだと思いますが、基本的に長く通うことになる塾などの場合には設定するこちらがかなり慎重になる部分があると思います。ただそこは受験塾のような内容重視で、だからこの金額設定なんだと顧客が納得できる内容が提供出来れば良いのではないかと思います。


◇事業計画の作成

起業などで必ずといっていいのが事業計画書の作成ですね。今ではインターネット上に様々な情報があるので、ご自身で調べたり専門家に相談したり色々な方法があると思います。私の場合は23歳で独立した際に初めて公庫から借り入れをする際に必要だという事を知り作成したのを覚えています。
ここでは、基本となる事業計画書の私なりの作成、考え方についてお話をしていこうと思います。

・スタートの事業規模を数字に落とし込む

私の場合は、若いころに開業した際も飲食店、今回も英会話教室という事で店舗の開業となるため、非常にシンプルではありますが事業規模を決定するうえで根幹となるビジョンの次に重要になってくるものだと思います。
例えば固定費となる家賃や人件費などはある程度の計画性がないとテナント探しも難航します。かといってスモールスタートが成り立つものでもなく、教室でのビジネスとなりますので、追加で広くするなど出来ませんので、ある程度事業規模をイメージすることが大事です。
また、この事業計画書を作り出すと見えてくるコスト(経費)というものがあります。開業しようと言うビジョンだけで走ってしまうと細かいコストなどの運営費に目がいかないこともあり、実際開業してから苦しむことにもなるからです。事業計画書の数字は机上空論と思われる側面もあるかと思いますが、融資を受けず自身の自己資金で開業する方にとっても大事なものとなるのは間違いありません。

・語学学校運営の経費は

英会話教室などの学習塾の経費は飲食店などと比べてもシンプルなほうだと思います。
・テナント代(家賃)
・人件費
・通信費(インターネット・電話)
・水道光熱費
・広告費(ネット広告・SNS有料広告)
・教材費など
・備品(机やホワイトボード・パソコン)
・消耗品費

このくらいでしょうか。これを想定生徒数を元に売上を算出して経費率を設定します。私はシンプルにこの経費率を設定したほうが売上の増加にも対応出来るためそのようにしています。もちろん売上の増加で家賃が上がるわけではないので、変動が起こる項目についてのみです。
今回私が運営してる会社では、広告費は非常におさえられたので、経費のほとんどが家賃と人件費となっています。

・事業計画書は数字とその根拠の2パターンで

最近ではAIなども使われ非常に多くのプレゼン資料が作れるようになっていますが、私はシンプルに上記の収支と経費を計画したものと、その数字を裏付ける、または生徒数の増加を裏付ける資料をアピールポイントを加えて作成しています。これは後に融資を担当する方からも言われたのですが、「御社の事業計画書は非常にわかりやすい」と言われます。
なぜこの売上なのか(生徒数・単価)
この経費は何に使われるのか(広告・設備)
などを色付きの資料をまとめたものを添付します。(パワポ資料のようなもののシンプル版ですね)
なかにはインターネットでプレゼン資料の情報を取り過ぎて何を相手に伝えたいのかよくわからに資料を作ってくる方もいます。
これは私が色々な業態で営業を受けたり、今も専門的に不動産の世界で常に数字と裏付けが重要になってくる仕事についているからわかる部分でもあります。

◆次回!法人設立からテナント選定のおはなし

さて、事業規模がおおよそ見えてきたところで、次回からは法人の設立からテナント選びなど、いよいよ本格的な準備のお話しに入っていければと思っております。
現在150名の生徒を抱える英語教室になるまで、どんな道のりだったのか私も懐かしくまた、復習を交えてなるべく皆さんに楽しんで頂けるよう綴っていけたらと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。


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