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身のほどなんて知らないよ

今小田原にいる。

今回の目的は

「師匠の選挙出馬応援演説」

持ち時間は3分。
前回の講演会が45分だった事を考えると全く別物のトークチャレンジだ。

応援演説者は全部で8人。

大学教授、政治家から、師匠の教え子まで、そうそうたるメンバーが顔を連ねる。
そのトリを務めるのが僕の仕事だ。

想いを乗せたい。
腹の底から沸いてくるような純度の高い想いを伝えたい。
だから、原稿は用意せず、伝えたい事の核だけを心に留めて、ステージに登ることにした。

精神を統一する。

伝えることの想いに体重が乗っかってる事を確認する。

いい感じだ。

演説が始まる。

各々が想いを込めた演説をくり広げる。

4人ほど終わったところで、脳味噌が異変を起こす。

「あんな感じで話さんといけんのだ。」

ふと湧き上がったこの想いは、体重を乗っけた想いを押しのけて心の中で広がりまくる。

他の演説者に共通していて、自分に欠けてる部分に気を取られる。

分かってた。

「オリジナルでいけばいい、比較なんてしなくていい」

それが腹の底から想いを伝える上で欠かせないこと。

普段大切にしていることと、非日常の戦いだった。

順番が回ってきた。

マイクを握る。

話し始める。

乗らない、想いが乗らない。

焦る、時間もない。

乗せたい、でも乗らない。

気付いたら3分間が終了していた。

悔しくて、めちゃくちゃ悔しくて、なんなら書いている今も悔しい。

見事なほどの完全敗北だった。

今回の敗因は2つ。

1つに「想いがとっ散らかっていた」事がある。
伝えたい事がたくさんあって、でも3分に収める為に、ぶつ切りにした。
それを3分に押し込んだもんだから、論理が通り切らず、想いを集中して伝えられなかった。
時間にも追われ、焦ってしまった。
欲張らず、1点集中で伝えたい事を伝えればよかった。

2つ目、「ふつうに負けた」
これは完全に自分のメンタルの問題。
スーツを着た人々を目の前にし、完全にビビった。
空気に呑まれ、当たり障りのないところに収まろうという弱い自分に負けた。
オリジナルに集中する。
普段大切にしていることが、
たくさんの人々の演説を聴いた後では出来なかった。
完全に流された。
ここが悔やんでも悔み切れないほど悔しいポイント。
分かってた。
流されたらダメだ、自分のオリジナルで話そう。
分かっていたけど出来なかった。
まだまだ弱い。

こうやって派手にコケたあと、必ずといっていいほどやってくる嫌な気持ちがある。

「身のほどを知れ」

ふと冷静になる。

僕はトークが苦手だし、経験も浅い。

それが選挙の応援演説だなんて。

身のほどを知ってたら到底出来ないことだ。

失敗した後、この

「ほらな」

って気持ちが襲ってきて、

身のほどを知って、出過ぎた杭になるなって気持ちが沸いてくる。

これに流されて、引きこもりたくなる、表現したくなくなる。

表現しなかったら安全だ。
今みたいな悔しい思いをしなくていいし、
恥ずかしい思いもしなかった。

でも、そんなんじゃ生きててつまらない事も知ってる。

今回は派手にコケた。

でも、もっと上手くなりたい。

だから挑戦する。

次は3月27日。

今回は打って変わって冷静で論理的なプレゼンが求められる。

身のほどなんて知ってたまるか、上手くなりたい!!

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