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【北欧留学】世界北欧部Vol.6---🇸🇪スウェーデンの版画とグラフィックの学校🇸🇪

こんにちは、usakoです。(この回から数回に渡って、北欧留学について書いていこうと思っています☺️)

現在スウェーデンの”Grafik skolan i Stockholm (グラフィックスコーラン)”という学校で版画表現とグラフィックを学んでいます。
日本からは初めての生徒なので、学校のことやカリキュラムや雰囲気等を伝えることができたらいいなと思います。
メリット、デメリット、どの様に入学したか(テストや面接)等もお伝えできれば、と思っています。北欧留学の何かお役に立てればいいな、という気持ちです。よろしくお願いします!

☆北欧は8月の半ばから9月始まりの学校が多く、応募期間が大体1月~4月位まで(遅くとも5月半ば)なので、今(10〜11月)から学校を調べたり、ポートフォリオや面接の準備、移民局への必要書類(保険(スウェーデンは歯科医療付き必須(2022年情報))や銀行証明証、パスポート情報等)を集めたり、宿泊場所を探すのが良いと思います。特にスウェーデンは宿泊施設を探すのが年々難しくなっているので、学校探しと並行して、(学校に寮等の宿泊施設がない場合)宿泊場所を探すことをお勧めします。
(またスウェーデンの移民局のビザ関係は時間がかかります。必要な書類が全て揃い次第、早めのオンライン申請をすることをお勧めします。)

1 どのように入学したか

私はこの前年(2022年)に、シグテューナというストックホルム中心部から2〜3時間(雪や電車の状況によって変動あり)の場所にある民族学校(高校と大学の間のような位置付けの学校、年齢や国籍に関係なく基本的に誰でも通える(ポートフォリオ提出とオンライン面接有り、英語かスウェーデン語は必須、学費は無料)の美術科に在籍していました。
その後今のサンボ(同棲している人をスウェーデン語でサンボと言います)のストックホルムにあるアパートメントで一緒に住むことになったので、ストックホルム市内にある学校を探していました。

探し方は、”grafik skolan”、”konst skolan”、(konstは美術、skolanは学校の意味のスウェーデン語)とgoogle mapに入れて、ストックホルムの近くで探しました。一つ一つウェブサイトをチェックして、そのうち 6つ程訪れました。

訪れた学校のリスト
1 Konstfack 

2 Royal institute of Art


3 Nyckelviks skolan

4 Gerlesborgs skolan


5 Skarpnäcks folkhögskola

https://skarpnacksfolkhogskola.se/


6 Grafik skolan 

1〜4 はオープンハウスに訪れた後、学内ツアーの後に直接校長先生や教員の方、生徒の方とお話しました。5と6については直接校長先生にメールをして、見学のアポイントメントを取り、その際にお話する機会をいただきました。

ここで1、2は学費が高額すぎた(EUの学生は学費無料、EU以外からの学生は有料)のでリストからは外しましたが、中の様子や生徒の作品、設備等を見学できたのは良い経験でした。

3は工芸コースもあり良い雰囲気の学校だったのですが、開始日に必ず出席しなければならないという縛りがあり(延長ビザの関係で、この時点では開始日にスウェーデンにいることができるかはまだ分からなかったため)、リストから外しました。

4は校長先生と楽しくお話しできたのが印象的でした^^; (昔、日本に旅行したことがあったそうで、そんな話もしました。) この学校はどちらかというと”芸術” (デッサンや油絵や現代美術等) にフォーカスした学校だったので、私がしていきたい方向とは違ったため今回はリストから外しましたが、もしガッツリ芸術や絵画表現をしていきたい人には良い学校だと思います。(私のノルウェーの友だちは今年入学して、楽しそうに絵を描いていました。)

こうして決めた学校が、今の学校の”Grafik skolan”でした。

リトグラフの授業

2月半ばの真冬の雪の中、3時間^^;くらいかけてに見学に行き、一通り施設の説明を受けた後、校長先生とお話しました。その後、学校のサイトの”ansöka”(応募フォーム)から応募しました。確か名前等の基本情報の後に10作品ほど登録したと思います。(作品の写真ファイル、タイトル、サイズ、作品の説明)これを見て先生や教員の方が入学を決めます。文章は今回は英語で書いたものを翻訳サイトを使ってスウェーデン語に直しましたが、英語でも大丈夫だと思います。
そして3月半ば位に入学結果を頂きました。

今回比較的早く入学結果をいただいたのは、校長先生とお話した際に、移民局への延長ビザ書類のために入学証明書が必要であることを伝えていたため、校長先生が早めに証明書を書いてくれました。(ありがたい…!)
後は、直接足を運んで先生とお話をして関係性を築いていたため、入学を受け入れてくれたのだと思います。

リトグラフの授業、先生は現役のアーティストでありwebデザインの仕事もされています

2 メリット、デメリット


タイポグラフィの道具

メリット、良いところ

1 銅版画(アクアチントもできます)、リトグラフ、シルクスクリーン、リノグラフ、タイポグラフィ、コピー機、トレース台、図書室、紙作りの道具、は学生は全て自由に使えます。平日だけでなく土日も通うことができます。また各生徒それぞれの作業机が与えられます。

2 基本的な材料(紙や銅版やインク、その他必要な道具)は全て学費に含まれています。

3 2年生の最後に展覧会(グループ展)ができます、ストックホルムのSlussenにあるグラフィックで有名なギャラリー"Grafiska Sällskapet" で展示することができます。

4 ほぼ毎月1回メンターミーティング(例えば、自分が今後どうしていきたいかを発表したりする会)があり、アドバイスを受けることができます。(最初は少し緊張するかもしれませんが^^;)そしてその後、美術館に行ったり、ギャラリーを巡ったりします。(大人の遠足みたいで楽しい😁)

5 少人数性なので、先生に質問しやすい。そして先生の雰囲気が良い🌷 
(丁寧に教えてくれます^^)
(版画コース8名、アーティストブックコース8名ですが、この内大体いつも来ているのが私を含めて5~8名くらい、出席には割と自由な学校です。年齢層や背景もバラバラなので、働きながら来ている生徒もいるので、全員が揃うことは少ないです。)

デメリット  
デメリットというよりは注意したい点は、

1 学校には宿泊施設がないこと。(自分で個別に探す必要があります。)

2 最寄りの駅 "sätra" はそこまで治安はよくありません。前に銃撃事件(夜)も起きた場所です。必要以上に怖がる必要はないと思いますが、明るい時間に帰ることをおすすめします。

3 デメリットというよりは、言語の問題ですが基本的に授業はスウェーデン語です。今回私が来ているために、先生も生徒も英語で基本的なことは説明してくれているのですが(優しい… ありがたい…)、やはりベースはスウェーデン語です。スウェーデンの人は英語がとても上手です。ですが、スウェーデン語はできたほうが良いです。

4 学費は無料ではないです。スウェーデンの民族学校は学費は無料ですが、ここは民族学校ではないため学費がかかります。1クール(例えば2023年だと8月28日から12月23日まで)20000クローナかかります。

5 "作りたい"という想いが大切。説明は難しいのですが、先生に技術を教えていただいた後は基本的に自分でどんどん作っていく形式です。手取り足取り教えてもらえるというよりは、分からなければ先生やクラスメートにどんどん質問していくことが大切です。

後は近くにカフェやレストランがないので、ランチ等は自分で持ってくる必要があります。(学校に冷蔵庫やキッチン、電子レンジがあるので簡単な調理はできます)

3 版画コースとアーティストブックコースがあるユニークな学校

コースは二つあり、版画コース二年制とアーティストブックコース一年制です。来ている年齢層もキャリアもバラバラで、例えば今年は、高校生を卒業したての人もいれば、昔国立美術大学にいて子育てを終えて、もう一度美術を学びに来ている人、中学生の先生だった人、現グラフィックデザイナーの人、ミュージシャン等、色々な背景の人がいます。

ブックメイキングの授業で作ったみんなの本
紙から作りました。

4 カリキュラムの詳細

朝の9:00から夕方16:00まで、16:00以降も作業可能です。
最初の月曜日は全体ミーティング(スウェーデン語)。ここで今週の流れや、面白そうな展覧会情報、(今の時期なら、学校で主催するクリスマスマーケットのことを話し合ったり、)、コンペの情報等が共有されます。
そして掃除。(2〜3人の決められたチームに分かれて、週ごとにキッチンやトイレや作業場を生徒たちで掃除します。)

大体三週間ごとに一つの技法を学んでいきます。
例えばリトグラフ(石版画)の授業だと、最初の一週間に先生が来て全ての技法を教わります。(リトグラフは1と2があり、リトグラフ2は後期の学期(翌年の3月頃)に開催されます。)次の一週間は先生が来る日もあるのですが、基本的には生徒のみ、それぞれ教え合いながら自分の作品を作っていきます。(eget arbete = own work の日とスケジュールには書かれています。)
先生がいる日は自分が作っていきたい作品をどうしたら作れるか相談しながら、作っていきます。
そして最後の週の終わりの日に、展示会と講評会があります。学校の展示ルームに展示をして、その前でそれぞれの作品について語り合います。(この作品にはどういった意図があるか、等)

2023年は、リトグラフ、銅版画、シルクスクリーン、タイポグラフィ基礎、リノリウム版画、美術史、西洋の紙作り、製本基礎、美術館訪問 等を学びます。
(年によって内容は変動あり)

銅版画ドライポイントの時間に作ったもの
紙作り、生徒の一人が植物を置いています。

学校のウェブサイト

次回はそれぞれの授業の様子を詳しく書いていこうと思います☺️

Hej då! Vi ses! (またね!)

🇸🇪世界北欧部とは🇫🇮

北欧が大好きな二人ユニット。北欧の雑貨、デザイン、アート、文化、食べ物、工芸等を伝えるイラスト付きのコラムです^^
Zawaはフィンランドとスェーデン(デザインと工芸)に、Usakoはスウェーデン(美術とデザイン、版画)に留学中。
現地から北欧の今をお伝えします!

🐰中の人、自己紹介、usako🐰
🇯🇵×🇰🇷。
2022年にスウェーデンに留学、シグテューナのフォルケホイスコーレの後、2023年、ストックホルムのグラフィックと版画の学校に留学。
ストックホルムの地下鉄のグリーンラインのどこかに、パートナーと食いしん坊な猫ちゃんとサンボ(同棲)中。
三度の飯よりお菓子好き。北欧のお菓子のイラストを描いています🍰
Usako instagram: jeanne_therese_h

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