池邊文香_せいざん株式会社

せいざん株式会社 https://www.sei-zan.net/ 取締役。檀信徒カル…

池邊文香_せいざん株式会社

せいざん株式会社 https://www.sei-zan.net/ 取締役。檀信徒カルテ研究所主宰。 人が人を想う、供養文化を次世代に繋げる一端を担うべく供養の現場で日々修行中。 寺院や生活者の求めることではなく、ためになることを仕事にしている。基本的に自分の考えをまとめる用。

マガジン

  • 葬送文化・弔い

    日本の葬送文化と弔いについて、葬送相談対応8000件以上、寺院支援企業運営中の立場で考えたことをつらつらと。

  • お寺のこと

    お寺の課題発見・解決を介して日本地域をよりよくするお仕事について。

  • 私の仕事

    新卒で弔い領域のITベンチャーに入社。現在、弔いおよび日本の寺院支援を主軸事業にした会社の役員。次世代にとって価値ある仕事がモットー。つらつらのお仕事のことを。

  • 檀信徒カルテ研究所

    お寺向け記事。 檀信徒カルテ研究所(商標登録済)の活動に関する記事をまとめています。 https://sites.google.com/sei-zan.net/karte/home

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檀信徒カルテ研究所設立

「檀信徒カルテ研究所」を立ち上げました。 詳細は公式ページに記載している一部を抜粋。 檀信徒との交流を記録し、観察することで檀信徒に寺院が何を求められているのか?縁ある人々に何を価値と感じてもらっているのか?といった「気づき」を得ることが大切だと感じています。  記録するためのカルテではなく、寺院がカルテの記録と振り返りを通して、自身や寺院の課題を発見し、「宗教者として今できることの気づき」に繋がるお寺のカルテ文化が醸造され、寺院の社会的資源価値の向上に寄与できることを願

    • 光の寺

      私がコングラント経由で月額寄付や年に1度の講師で参加させていただいている尼崎は西正寺の本堂が登録有形文化財として認められたことを記念した行事があった。運良く参加できたので記録を残しておきたい。 お寺をひらくということ中平住職とは縁あって主に弔い関係でさまざまな取組をさせていただいている同志のような関係であり、私は一寄付者でもあるという少しユニークな関係。 中平住職や西正寺、そして寄付については過去の記事が詳しい。 上記の記事にもあるように中平住職はお寺をハブとして地域の

      • 『少子高齢社会の遺骨の行方-死後の無縁化に関する一考察-』執筆の補足

        大正大学 地域構想研究所研究員で僧侶の小川有閑さんと私の共著で研究ノートを発表した。 大正大学地域構想研究所の2023年度紀要「地域構想」第6号で研究ノート『少子高齢社会の遺骨の行方-死後の無縁化に関する一考察-』が掲載。 ▶詳細 企業名 : せいざん株式会社 タイトル: 『少子高齢社会の遺骨の行方-死後の無縁化に関する一考察-』を発表 配信日時: 05月31日 12:00 URL : http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.

        • 祈りとしての弔い

          心豊かな社会のためには1人1人が人間性の徳を高める大切さを以下で先日書いた。才があっても徳がなければ社会は幸せにならない。 徳を積むって具体的にどんなことなんだろう。 利他的に生きるってなんだろう。 そう考えていたら1つの仮説が言葉になったので記録しておく。 祈ることと願うこと祈り・願いは時に並列の言葉として使用されがち。 でも私の中でこの2つは絶対的に違うと考えている。 どの宗教を信じているか、どの国に暮らすかでそのニュアンスは異なるものの、信仰の本質は祈りだとい

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        檀信徒カルテ研究所設立

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        記事

          敬う心をひろげ、次世代につなぐ-2024年ver

          日本全国の寺院の課題発見・解決事業を展開している弊社、せいざん株式会社の事業指針について先日、社内共有をした。自分の想いも含めてここに残しておく。 せいざん株式会社 2024年度事業指針  理念ファーストであること 理念「敬う心をひろげ、次世代につなぐ」とまっすぐつながった事業を開発・運営する 理念に共感してくださる寺院のお手伝いを行う 価値提供を持続できる体制であること 敬う心をひろげ、次世代につなぐに違えることがないよう事業継承=人の雇用・育成は大事。※企業が

          敬う心をひろげ、次世代につなぐ-2024年ver

          なぜ葬儀の高額請求トラブルは増えるのか?

          「最近、葬儀相談時にいつも通り価格を提示しただけで契約になることある。よく話を聞いてみると「他社では総額提示をしてもらえなかったから1番正直に答えてくれたおたくに決めた」と言われて他社はどんなことになってるんだと呆れる。」 ここ数年、知り合いの葬儀社の方数名と別々にお話をしたらこの話題になりがち。偶然にしてはおかしいと思って調べたみたらその片鱗がデータでも現れていた。 国民生活センターに寄せられる葬儀・お墓に関する苦情データを見ると残念なことに年々増加傾向になっている。

          なぜ葬儀の高額請求トラブルは増えるのか?

          2023年仕事納め~飛躍への準備~

          2023年も今日でおしまい。 コロナも落ち着いた今年、「今までで1番動く」と個人的に決めていただいたご縁をほぼ断らず自分の120%を出せるように1つ1つ取り組めた1年になってほっとしている。 一応、会社の経営者なので自分のスケジュールを参照して今年をふりかえってみたら「え?これも今年?」と驚いた。それくらい多くのことに取り組めたということ。と前向きに捉える。 簡単に手元の資料から覚えているできごとをふりかえってみる。 春 クラウド管理寺務台帳が中外日報の特集掲載

          2023年仕事納め~飛躍への準備~

          遺体・遺骨処理か弔いか

          総務省が引き取り手のないご遺体について調査を行い、身元が分かっているのに引き取り手がなかったご遺体は3年間で10万人を超えた。 更に、ご遺体の引き取り手があったとして、ご遺体を供養の観点ではなく処理の観点で火葬し、遺骨を数万円の合葬墓におさめている数。 つまり弔い不在の遺骨処理は葬送文化界のレジェンド、葬送ジャーナリストの碑文谷さんによれば1年間で20万人はいるのではないか?とも。 年間150万人亡くなる内の20万人。13%近くが遺骨処理されている。 この数字を見ると

          遺体・遺骨処理か弔いか

          階段をのぼる

          「一気に上り詰めると、すべり落ちるのも早い」 大事にしている考え方の1つ。 そして、それは1つの真理だと思っている。 流行りに惑わされるな、本質を見よ「一気に上り詰めると、すべり落ちるのも早い。だからうちの会社では事業も人も確実に階段をのぼるように積み重ねて、息が長い価値を生み出し続けたい。」 これは、新卒で入社したITベンチャー、アクトインディ株式会社の創業者である下元が当時からずっと言っていたことで偶然にも、私自身の人生観としても合致する考え方だった。 下元はい

          「変わらないこと」へのまなざし《後編》

          生きるなら優しい世界がいい日本の駅の階段でベビーカーに悪戦苦闘している母親がいても早足で通り過ぎる人。なんなら邪魔だとばかりににらみつけたり、舌打ちする人もいる。(もちろんそうでない地域もあるのは知っているが) 他方、教養として宗教思想が文化の下地にある国、例えば私が足を運んだことがあるフランスやイタリアでは、駅にエスカレーターやエレベーターがないことも多かったがベビーカーの親子がいればどこからともなく人が現れ、サラリーマンも御婦人もさも当然のように手を貸していた。 電

          「変わらないこと」へのまなざし《後編》

          「変わらないこと」へのまなざし《前編》

          20年来の親友とかなり久しぶりにゆっくり過ごした。 いつも感じるのは、数ヶ月、1年会わなくてもなんの違和感もなく素の自分で時間を過ごせるありがたみ。 それは親友が自分の状態を受け入れて、誰かのせいにせず、自分をしっかり持っているから、合わせ鏡のように私を映してくれることで得られる時間だとおもう。 目まぐるしく仕事や生活をして色々と変わっているようで、根っこは変わってないんだなぁと確認する。 「変わること」よりも「変わらないこと」の大切さ現代社会のメディアやビジネス界

          「変わらないこと」へのまなざし《前編》

          2023/10/20「碑文谷 創さんのお話を聞く葬送次世代の会in関西~次世代に心ある弔いを繋げるためには?~」を開催しての所感

          実行委員会として開催した上記の企画が無事終了。 Facebook投稿のために書いた文章。思うように言葉になったのでnoteにもバックアップがてら記載しておく。 ==================== 昨日、大阪は大蓮寺で「碑文谷 創さんのお話を聞く葬送次世代の会in関西~次世代に心ある弔いを繋げるためには?~」と題した企画を開催。 無事に終えてほっとしつつ、昨日の会場の熱気が凄まじくてまだ余韻が残っている。 講座の中身についてはまた別途まとめる予定なので、感無量の今の

          2023/10/20「碑文谷 創さんのお話を聞く葬送次世代の会in関西~次世代に心ある弔いを繋げるためには?~」を開催しての所感

          名もなき課題と人をつなぐhubとしてのお寺に寄付をはじめた話

          国や自治体の制度では支えきれない課題、またはそもそも問題があると認識すらされていない課題、もっというと生きにくさは価値観の多様化や貧困格差、人口構造の変化に伴い増加している。 それらを私は「名もなき課題」と呼んでいる。 名もなき課題を抱えている生きにくい人と出会い、解決方法につなぐには1対1関係では限界がある。 かといって顔を合わせることができないような希薄な関係性では解決方法や支援につなぐことも難しい。 人の課題、苦しみと向き合うには生活や地域に根ざした場所と人が必

          名もなき課題と人をつなぐhubとしてのお寺に寄付をはじめた話

          誰がための弔いなのか?

          思わず手を合わせて人が人を想う。 感謝、敬意、懺悔、報告。 さまざまな感情を抱きながら、いなくなってしまった人に想いを寄せる。 そして、いなくなってしまった人と己の関係性を起点に、自分自身の感情や思考と向き合って、生きていく。 「あなたがいたから私がいる」 それを確認して、自分という存在と向き合うことで、言葉にできない「なにか」を自分の生きる力に変えていく。 それが弔いだと私は思っている。 文化としての弔いが産業化され、価値が失われがちになりつつある中、2023

          誰がための弔いなのか?

          目立たずに社会に貢献している僧侶がたくさんいるからこそ頑張れる。という話。

          檀信徒の葬儀が直葬と聞いて無償でいいから読経させてほしいと駆けつける僧侶。 学校で教わらない、ニュースでもあまり取り上げられない社会課題を地域に伝える場を提供する僧侶。 都心で月1000円で遺骨の一時預かりをされている僧侶。 月参りで暮らしや健康に心配があれば、声をかけ、行政につなぐ僧侶。 喪主がいない方から相談あれば葬儀社手配から読経、拾骨、納骨、納骨式まで対応する僧侶。 死にたいと相談があれば何年も文章でやりとりを続ける僧侶。 地域のひきこもりの若者のために外

          目立たずに社会に貢献している僧侶がたくさんいるからこそ頑張れる。という話。

          五感で祈る

          念願の日本天然木材のみで制作された納骨壇をお寺に納めることができた。 今まで何千件という葬儀・お墓に関する相談を経験し、さまざまな霊園やお寺に足を運んで来た。 その中で考えてきたこと。 大切な人を弔うために、相応しい弔いの場とは? 新しいこと? 斬新なこと? 豪華なこと? どれもしっくりこない。 かといってよく見られるアルミの壇はあまりにも無機質で自分の中で祈りの場に相応しいとは思えない。 実際に契約した方も、アルミ製しかないからアルミ製の納骨壇を契約しているだ