ドームのセンステから飛び降りる。【第14話】
「どうぞ」
穏やかな話し方、そして表情。だいぶ、症状は落ち着いてきているような気がする。退院も近いかな。
「お昼ごはんです」
「ありがとうございます」
そうは言ったものの、やはり食べる気配はない。まあたしかに、病院のご飯ってそんなに美味しそうではない。健康には気を遣っているのだろうけど、どうにも食欲が湧かないビジュアル、匂い。そして、この病棟の大抵の人は過食か拒食気味。半分以上の人が満足するほど食べていない。ほとんど残してしまう。
「食べられなさそうです」
喋った。大体、挨拶