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医薬品の情報操作

打った人も、知識をえて「反ワクチン派」に

新型コロナウイルス感染症に用いられたmRNAワクチンの害が、ワクチンとしての効果、有効性をはるかに上まわること、すなわち、使うべきでないことは明らかな事実です。しかし、厚生労働省はそれを認めず、2023年末に新しいタイプのmRNAワクチン(レプリコンワクチン:接種したmRNA成分が体内で増殖するワクチン)の製造を承認し、2024年中に発売される見込みです。

多くの国民は厚生労働省を信じていますので、レプリコンワクチンが発売されれば、これを打つでしょう。しかし、これまでのmRNAワクチンでさえ重大な問題があり、重い副作用や接種後死亡者があることを知っている人々は、何とかしてこれを阻止したいと思っています。この人々は「反ワクチン派」と呼ばれていますが、ワクチンを自分の意思で打たなかった人だけではありません。厚生労働省を信じて打ったあとで、半信半疑で本やネットで調べるうちに、こちらに真実があると知った人もたくさんいるのです。

医薬品の情報操作

なぜ、このようなことが起こるのでしょうか。それは、ワクチン(医薬品)について、情報操作が行われているからです。すべての製薬会社が、医薬品の研究開発で得た情報の全てを厚生労働省に報告しているわけではありません。社外の研究者の論文などで、重大な副作用が報告されていても、それらを合わせて厚生労働省に報告することもしません。つまり、製薬会社の中には、自社に都合のよい情報だけを厚生労働省に伝え、厚生労働省はそれをもとに製造を、そして販売を許可することがあるのです。(問題が発覚しない限り、こういったことがどのくらいの頻度で行われているのか、わかりようがありません)

さらに、今回のmRNAワクチンで起こったように、使い始めて重大な副作用が起こっても、厚生労働省が、必ず、誠実に情報収集し、危険回避のために使用許可を取り消し、使用を中止させるというわけでもありません。国民の健康、命を守るはずの厚生労働省がなぜこのような非情な行いをするのか、理解できません。(しかし、過去にもあったことです。)
そして、ニュースに取り上げられるまでは、被害者は孤独の中で訴えなければなりません。今回のmRNAワクチンでは、「正しい情報は厚生労働省のホームページで。誤った情報に惑わされないように。」という公報がなされました。つまり、厚生労働省の見解と異なる医師の報告、研究者の論文、被害者の声には、最初から「誤った情報」との烙印を押し、国民がその情報を求めないよう、メディアには報道しないよう、心理的に操作したのです。今でも同じような状況です。
しかし、専門家の意見が対立する場合、どちらかが勉強不足か、あるいは嘘つきだと判定しなければなりません。双方が提示する資料を公平に調べ、考えなければならないのです。

認められるまで長い時間がかかる薬害

副作用があらわれ始めても、無視され放置され、多くの薬害被害者が出て、大騒ぎになって、ようやく中止されたという薬害事件は、1960年代のサリドマイド、1970年代のクロロキン、1990年代の血液製剤によるエイズ感染など、いくつもあります。ですから、「反ワクチン派」と距離を置くのではなく、一度、きちんと読み、聴き、考えていただきたいのです。後悔を残さないために。

過去の1例 1960年代のクロロキン薬害

クロロキンは、1943年にアメリカで抗マラリア薬として発売されましたが、急性毒性としては心臓毒、慢性毒性としては網膜症があり、1948年頃から網膜症による視力障害が副作用として報告され始めました。1961年には、クロロキンの視力障害について、世界で27論文が発表されていました。
日本でも抗マラリア薬として使われていましたが、1961年に厚生省は慢性腎炎への適応を認めました。これによってクロロキンが長期間服用されることになり、重い視力障害を訴える患者が増えました。1969年、厚生省は、クロロキンの添付文書(説明文書)の使用上の注意に「本剤の連用により角膜障害、網膜障害等の眼障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い異常があらわれた場合には投与を中止すること」と書くよう指示しましたが、使用自体を中止することはなく、薬害は広がり続けました。1972年、「クロロキン被害者の会」が結成され、1974年クロロキン製造中止、クロロキン製薬会社が東京地裁に提訴されました。クロロキンは重大な副作用があった一方で、実は、腎炎に対する効果がなかったのです。本当に罪深い製薬会社であり厚生労働省ではないでしょうか(1988年和解)。

【どうなる?日本企業 #94】クロロキン網膜症(薬害)事件の教訓[桜R6/2/15] (youtube.com)

『クスリの犯罪――隠されたクロロキン情報』 後藤 孝典 編 19880410 有斐閣,212p.

絶版となっていますが、国会図書館、各地の図書館には所蔵されています。■内容(「BOOK」データベースより)
クスリというものは、古くから両刃の剣だといわれてきました。つまり、使い方が良ければ人の役に立つけれど、誤れば毒にもなるというわけです。この本は,実際にこの日本で発生した薬害事件を題材に、私たちの社会の底流には、使い方を誤らせることによって利益を収めようとする流れがあることを明らかにするでしょう。本書は、ある薬害事件の報告ですが、同時に、クスリの使い方という情報が、独占され、隠蔽され、ねじ曲げられて伝えられるときの、つまり情報の操作の恐怖の話でもあるのです。クロロキン製剤というクスリによって、網膜が侵され失明に至った被害者になりかわって、情報操作の恐ろしさを知っていただきたく、この本を世に送り出すことにしました。
■目次  1薬害が人生を狂わせた 2クロロキン網膜症――進行する眼の障害 3戦争の落し子・クロロキン 4FDAの闘いと日本の厚生省――薬害と行政 5薬害の真相が次々と 6クロロキン薬害・五つの大罪 7裁判の新たな展開へ 8被害者の闘い 9クロロキン裁判第一審の判決 10薬害の構造 11薬事行政の過去・現在 12 薬害と情報 ◇クロロキン年表


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