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とある催眠セラピストのつぶやき240409「カラオケボックスのソファは、もっと広くして」

先日、急に予定がぽっかりと丸一日開いてしまったので、「いまから新宿辺りで遊んでくれる人いませんか」とツイッターで(Xとは呼びたくない)呼びかけたところ、フォロワー女子さんから「お花見行きますか?」とDMをいただきました。おかげさまで不意の休日を楽しく過ごすことができました。

花園神社で桜を見た後、対面催眠はしたことがないというので駅近くのカラオケボックスへ。ランチを食べているときから自然とカウンセリングのような雰囲気になっていて、「私結構病むんですよね」と言っていたので、癒しの催眠を掛けてあげました。

リラックスに導くための呼吸法、それから一点凝視法による催眠誘導の後、語り掛けによるトランス状態へ。「深く、深―く落ちていきます……」の言葉に合わせて彼女の体は弛緩し始め、数分後には目を閉じてすーすーと息をしていました。なかなか被暗示性の高い女の子のようです。

頭の中にあるモヤモヤや嫌な記憶やトラウマになっていることを消去する暗示を掛けてから、パン! と起こして「どうですか?」と訊くと、うつむいて「まだ、この辺に……」と、頭の周りの空間を手で払っています。
「ではもう一度消しましょう」と額に手を当てて、シュッと引き抜いて消すと、目の前のテーブルに突っ伏して泣き始めてしまいました。
泣きながら彼女は、いままでこんなこと誰にも話したことなかったのに、ずっと我慢してたのに、と、堰が切れたように語ってくれました。明るくてよく笑う女の子なのですが、その裏ではずっと辛いことに耐えていたようです。

思うに、ガチガチに感情に蓋をしていたのが、癒しの催眠でそれが開いて中身が少し溶け始めたのだと思います。溜め込んでいたものが多いので、こんな反応になってしまったのでしょう。
あまりに泣き続けたせいで、座っていた部屋のソファからずり落ちるくらいでした。カラオケボックスはもう少し幅広のソファを使ったほうがいいですね。

癒しの催眠は、その人が抱えている負の部分を一時的にでも消すものです。その過程でこうした反応もありますが、心のデトックスに手を貸しているのだという覚悟が、施術者には必要になってきます。
抱えているトラウマが大きすぎると、一度や二度の癒しではとても足りないと思います。これからも継続してケアしなければと思いました。

落ち着いたことろで、今度はもっと楽しい女性向けに特化した催眠セラピーを体験してもらったのですが、これもソファから転げそうになったので、やはりもっと広いほうがいいですね。
(2024.4.9)

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