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苦境にいるとき、周囲の声掛けや配慮が発奮の源となる。DeNAの「ドラ1」度会選手が値千金の満塁アーチ。大型連休前の「お疲れモード」から脱却

苦境にいるとき、周囲からの声掛けや配慮が発奮の源になる。そう思わせてくれる試合だった。開幕時から好調だったDeNAの「ドラ1」度会隆輝選手(21)。鳴り物入りで入団し開幕から好調だったが、大型連休を前に下降線に陥っていた。そんな時、周囲の支えを受けて、満塁本塁打をかっ飛ばした。「お疲れモード」からの脱却。ここから再加速だ。

度会選手は鳴り物入りのドラフト1位ルーキーだ。高校野球の名門、横浜高校時代に2度の甲子園に出場。社会人ではENEOSに所属した2年目の都市対抗野球で、4本塁打、打率4割2分9厘の好成績で、チーム9年ぶりの優勝に貢献した。

昨年のドラフト会議では3球団が競合する中でDeNAが度会選手の指名権を獲得。高校、社会人と横浜のチームで活躍した渡会選手。プロでも横浜をホームにプレーすることになった。「横浜の申し子」。ファンの期待は高まっていく。

オープン戦から活躍して首位打者に輝いた。さらにレギュラーシーズンの開幕戦から2試合連続でホームランを打ち、21試合連続で1番打者に起用されていた。

プロという新たな環境で活躍し続ける度会選手。しかし、気を張り続けてきたら、心身ともに疲れが出てくるのは当然。ゴールデンウィークの大型連休を前に、14打席連続で無安打となってしまった。

26日にホームの横浜で行われた巨人戦。三浦大輔監督は悩めるドラ1を、この日、打順を落として8番打者で起用した。「苦しんでいたので、少し楽な打順で気分を変えてもらおう」とする配慮だった。

周りの人からは、度会選手が暗くならないように声掛けしてもらっていた。周囲の配慮や声掛けが、下降曲線に陥っていたルーキーに発奮の源となった。

この日、初打席の二回裏にレフトへヒットを放った。15打席ぶりの安打で息を吹き返した。5回裏にはライトへヒット。複数安打をマークした。

八回裏にチームが3-2と逆転。なお2死満塁の絶好機で、ルーキーに打席が回ってきた。巨人は左打者の度会選手を封じようと、「左キラー」の高梨雄平投手をマウンドへ送り込む。

しかし、復調した度会選手の勢いは止まらない。フルカウントからの6球目。真ん中低めへのスライダーを捕らえると、打球はライトスタンドへ飛び込んだ。最終回の守備に就く際は、涙をこらえきれなかった。それだけ、不調に苦しんでいたことが伝わってくる。

周囲の配慮や声掛けに応える形で、度会選手は勝利を大きく引き寄せる満塁弾。チームは7-2で、3試合ぶりの勝利をつかんだ。度会選手は「お疲れモード」から脱却した。

誰でも好不調の波がある。苦境に陥ったときに、いかに周囲が盛り立ててあげられるか。それが相手だけでなく、自らのチーム全体の力にもなる。ちょっとした配慮や声掛けが、大きな力を生み出す源泉になることを教えてくれた。


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