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しっくりいかないなら、何かを変える。しかも大胆に。阪神が「不動の4番」大山選手をスタメン落ちさせる荒療治。代役の原口選手が1本塁打4打点と大活躍で首位返り咲き

しっくりいかないと思う時がある。そんな時は何かを変える必要がある。阪神がびっくりする荒療治に出た。「不動の4番」大山悠輔選手をスタメン落ちさせる荒療治に打って出た。代わりに入った原口文仁選手が1本塁打4打点と大活躍。投打がかみ合った阪神が快勝して、首位に返り咲いた。しっくりいかなければ何かを変える。阪神の判断は吉と出た。

16日に名古屋で行われた中日戦。阪神のスタメンが発表された時に、ファンはびっくりしたはずだ。「不動の4番」ともいえる大山選手の名がどこにもなかったからだ。

大山選手はここ3試合連続で無安打と不調に陥っていた。変化を求めるならば、大山選手の打順を下げて、楽な気分で打席に立たせる方法があるだろう。しかし岡田彰布監督が取った策は違った。大山選手をスタメンから外したのだ。

大山選手は15日まで212試合連続先発出場していた。昨季からの岡田体制となって192試合目(日本シリーズ、クライマックスシリーズも含む)にして、大山選手をベンチスタートにしたのだ。

さらに驚いたのは、通常先発で出場している選手の打順を変えて4番に据えるのではない。2022年10月2日以来2年ぶりのスタメンとなる原口選手を4番に抜擢したのだ。

そして、この荒療治は吉と出た。初回に1死二、三塁で4番の原口選手に打席が回る。打球は三塁手をかすめて、遊撃手が捕球し一塁へ送球。原口選手はがむしゃらに一塁へ走り込んだ。

一塁はセーフ。先制点が入った。記録は敵失となったが、原口選手の必死さがチームを鼓舞した。これが起爆剤となり、この回、阪神はさらに1点を加えて波に乗る。

そして新4番がきらめきを放った。6-2とリードして迎えた六回。1死一、二塁で原口選手が打席に立つ。2ボールからの3球目。外角へのストレートに、4番のバットが一閃した。打球はレフトスタンド最前列へ飛び込み、貴重な3ランとなった。

この日の阪神の先発投手は西勇輝投手だった。今季しっかり試合を作りながら、いまだ勝ち星のなかった右腕。新4番の活躍などに支えられて、西投手は6回2失点と好投し今季初白星を手にした。

投打がガッチリかみ合い、阪神が9-4と快勝。この日試合のなかった巨人を勝率で上回り、首位に返り咲いた。

不調の選手を先発から外すことで、代役は躍起となってプレーする。それがチーム内に競争を生む。そして好循環につながっていく。

阪神の荒療治が投打にリズムを作り大成功を収めた。しっくりいかない時には、何かを変える。しかも大胆に。迷える人たちに、阪神が人生の処方箋を送ってくれたように思えた。

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