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土壇場で発揮した力は、未来への糧にきっとなる。サッカーU23アジア杯。日本が8年ぶりV。試合終了間際に好守でスーパープレー。五輪へ確かな自信につながる

土壇場で発揮した力は、未来への糧にきっとなる。サッカーU23アジアカップで、日本は8年ぶり2度目の王座に輝いた。試合終了間際に巧みな連係で先制点を奪うと、直後に与えたPKもきっちり防いだ。攻守ともにスーパープレーが炸裂。ギリギリの場面での活躍は確かな自信につながるはずだ。

カタールのドーハで3日(日本時間4日)に行われた決勝戦。日本はウズベキスタンと対戦した。日本はグループリーグから苦しみながら勝ち上がってきた。

相手のウズベキスタンには前回大会で敗れている。しかも相手は今大会で14得点、無失点と圧倒的な強さを見せている。日本は強敵にどう挑むのか。

日本は前半、相手に押し込まれ、後手に回ることが多かった。後半も相手優位の展開は続いたが、日本は選手交代を通じて、カウンターに活路を見出し、チャンスをうかがう。

90分が過ぎて、アディショナルタイムに。残り少ない時間に勝負を賭けよう。選手たちの意思が統一されたようだった。

センターサークル付近で、DF高井幸大選手が相手ボールを奪い、MF藤田譲瑠チマ選手にパス。これを藤田選手はダイレクトで縦パス。FW荒木遼太郎選手がヒールでつなぐ。

パスを受けたMF山田楓喜選手がペナルティエリア手前から左足でシュート。ゴール右隅に決まり、待望の先制点をゲットした。山田選手は「自分が試合を決める左足をもっているのは分かっていたし、それを出すために準備してきた」と振り返る。

スペインの強豪FCバルセロナを彷彿させる巧みな連携によるゴール。勝負所をしっかり見極めた中で、チームの連係が生み出した値千金の得点だった。

その後、日本は自陣のエリア内で反則を犯して、相手にPKを与えてしまう。しかしGK小久保玲央ブライアン選手は落ち着いていた。試合ごとにミーティングで相手のデータを共有してきた。

その中には、PKで相手キッカーの特徴や蹴るコースの確率も含まれていた。相手はゴール右隅を狙ってくるはずだ。小久保選手はキックと同時に横っ飛び。狙い通りのコースに来たシュートを右手で弾き出した。

「PKには自信がなかった」という小久保選手だが、チームの分析を生かして、スーパーセーブを生み出した。

日本は4大会ぶりのアジア王座を手にした。攻守ともに、土壇場で生み出したスーパープレー。今大会の優勝につながっただけでなく、今後のオリンピック、さらには日本のフル代表にも好影響を与えるだろう。

勝負所でたたみかける連係。そして相手のPKへの分析。日本のフル代表がワールドカップを勝ち上がるために必要なのは、メリハリのある攻撃。そして苦手とするPK戦への対応だ。U23代表が決勝の戦いぶりを通じて、フル代表に大きなヒントを与えたように思える。

土壇場で発揮した力は、未来への糧になるはずだ。土壇場で見せた力の源泉がオリンピックに、そしてフル代表のワールドカップにつながってほしいと切に願う。

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