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夢へチャレンジしたことは大きな意味があった。メジャーに挑戦後、DeNAに復帰の筒香選手。帰還後の初戦で逆転3ラン。酸いも甘いも噛み分けて勝負強さに磨きがかかった

夢にチャレンジしたことは大きな意味があった。海を渡り米国のメジャーリーグに挑戦した筒香嘉智選手(32)。5年ぶりに古巣のDeNAに復帰した。帰還後の初戦で目の覚めるような逆転3ランを放ち、チームを5割復帰に導いた。最高峰の舞台でしのぎを削った意味は大きく、勝負強さに磨きがかかった。夢に挑戦し、よりいっそうたくましくなった。

6日にホームの横浜で行われたヤクルト戦。筒香選手は6番レフトで先発した。1673日ぶりに本拠でプレーする筒香選手に、スタンドのファンは温かった。

名前がアナウンスされるだけでスタンドから大きな拍手。ファンは筒香選手が戻ってくる日を待ちわびていたのだ。

初回の守備で、筒香選手が平凡なレフトフライをキャッチしただけで、万雷の拍手が起こる。これには筒香選手も苦笑いを浮かべるほどだった。

ファンにとっては救世主の帰還だったのだ。無理もない。チームは5割復帰を狙う5試合で1分け4敗と勝てずにいた。伸び悩むチームに大砲の存在は不可欠だった。

そして最大のチャンスが訪れた。八回裏。DeNAは2-5と3点差を追っていた。1点を返し、なお2死一、二塁で筒香選手に第4打席が回ってきた。

左打席で悠然と構える筒香選手。初球。真ん中低めのストレートに、バットが一閃した。打球は鋭く、右中間スタンドへと運ばれた。値千金の逆転3ランだ。

筒香選手は大きく右手を突き上げて、ダイヤモンドを一周した。「まだ点差があったので、強い打球を、と思っていた」そうだ。それがビッグアーチにつながった。

チームは6-5で競り勝ち、5割に復帰。2位タイで首位阪神とのゲーム差を2.5に縮めた。

筒香選手は2020年に米国に渡り、メジャーリーグでプレー。移籍初年にはレイズでワールドシリーズに出場した。

翌年はレイズからドジャース、パイレーツと「旅人」のように渡り歩いた。2022年にはパイレーツで50試合に出場したのみ。2023年以降はメジャーで出場できずにいた。

憧れのメジャーの舞台に立った経験。さらには昨年以降、メジャーの試合に出られずもがき続けた経験。1打席に賭ける思いがよりいっそう強まった。

それだけに、この日チャンスで回ってきた打席で、米国に渡った経験が無駄でなかったことを「一発回答」で示した。

勝負強さにさらに磨きがかかった感がある。逆転3ランは、筒香選手の旅路に大きな意味があったことを証明した。

米国で酸いも甘いも嚙み分けた経験を、古巣でいかんなく発揮してほしい。この日の逆転3ランは、筒香選手がさらなる高みへ駆け上がる号砲となった。「お帰りなさい、筒香選手」。チームメートもファンも心から歓迎しているはずだ。

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