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短所があっても、それ以上の長所を生かせばいい。ソフトバンク有原投手が安定感抜群の投球で今季完投勝利。「完全試合男」ロッテの佐々木投手に投げ勝つ

短所があっても、それ以上の長所を生かせばいい。ソフトバンクの有原航平投手(31)のピッチングを見ながら、そう思った。ロッテの「完全試合男」佐々木朗希投手(22)との対決となったが、投げ勝った。ホームランを打たれやすい短所が出たが、安定感漂う投球を披露し今季初完投勝利。メジャーを経験するなど豊富な野球経験を生かした形だ。

アウェーの千葉で23日に行われたロッテ戦。有原投手は今季4試合目の先発マウンドだ。広島の広陵高校から早稲田大学を経て、ドラフト1位で日本ハムに入団。メジャーに挑戦し2021年から2季、レンジャーズでプレーした。そして昨季ソフトバンク入りした。

アマチュア時代は強豪校、メジャーでもプレーして、豊富なマウンド経験が強みの右腕だ。一方で、有原投手はホームランを打たれやすい投手という印象が強い。

プロ3年目の2017年には21本の本塁打を浴び、パリーグの被本塁打でワースト1位だった。メジャーでの2シーズンで15試合に登板したが、登板数と同じ15本塁打を打たれている。有原投手にとって、ホームランを打たれやすいのが短所のように思えるのだ。

この日は「完全試合男」佐々木投手とのマッチアップ。有原投手はどう挑むのか。実は有原投手には隠れた長所がある。ロッテ戦に無類の強さを発揮しているのだ。

日本ハム時代の2019年5月30日から無傷の8戦8勝を挙げているのだ。カード別でもパリーグ最多の21勝(7敗)をマークしている。

この日も「カモ」としているロッテ相手に初回から好投を続けた。四回まで許した走者はなし。味方打線はその間に2点を先制して援護してくれた。

五回には山口航輝選手にソロ本塁打を浴びた。この試合でも短所は出てしまった。七回に味方が1点追加してくれた直後にも、ポランコ選手にソロ本塁打を被弾した。

それでも、この試合で有原投手が許したヒットは、たった3本だけ。そのうちの2本が本塁打だったから、ほかの場面では、ピンチらしいピンチもなく安定感漂うピッチングを披露した。

ロッテの佐々木投手が七回いっぱいでマウンドを下りた。一方の有原投手は最後まで投げ抜き、今季開幕戦以来の2勝目。9回107球、9奪三振。被安打3、与えた四球は1つだけ。今季初完投勝利。ロッテ戦に強い長所を、この試合でも生かした。

この試合でも2発を浴びて、有原投手の短所が出てしまった。しかし、それ以外の場面ではきっちりと抑えた投球は、やはり豊富な投手人生を送ってきた賜物だろう。ロッテに強いという長所も発揮した。

短所があっても、それを直すより、それ以上の長所を生かした方がいい。その方が、人はパフォーマンスを発揮しやすいように思うのだ。「短所に目をつぶり、自分の長所をアピールする」。有原投手のピッチングが、そう伝えてくれたような気がする。

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