「丁寧語を使い夕刊紙を読みこなしお椀を正しく持てる」がガチスキルになる時代がやってくるって俺は知ってた。
使えるものは全部使え。生き抜くために。
Z世代の時代ってよく言われますよね。そもそもZ世代ってなんなんでっすかね。
長いけど引用します。
ここでZ世代を分析してるZ世代以外の人って特徴を感じるんですよね。それは「彼らはZ世代だから◯◯だ」という決めつけ。主なコミュニケーションはSNSであるから挨拶ができなくてもしょうがないとか。
ここ、疑問なんですよね。何故なら
だから。
交流の仕方を学ぶって実はすごく大事だと思うのです。遠い昔、私がまだ昭和色強い大企業の駆け出し営業だった頃、担当は防衛庁と言われ私は毎日本当に困っていました。それは「おっさんに話しかけられても話題がない」。毎日言われた書類を出し、印鑑をもらいに行くだけ。何かないの?って当時の課長に言われても何もないって途方に暮れていました。
ある時、別の営業グループの課長代理さんが声をかけて下さいました。「何か困ってることある?」って。私は「防衛庁で雑談が全くできない」と相談したらその代理さんは「ちょっとこっち来なさい」と。
そしてタバコ部屋(当時はタバコ部屋はあったんです)に連れていかれました。代理さんは部屋の隅に積み上げられてる新聞をテーブルに広げました。そこには3種類の夕刊紙がありました。
私は当時まだ大学を出てすぐのOL。夕刊紙なんて手に取ったこともありません。しかしこれも勉強だと思い夕刊紙を読み始めました。正直今となってはジェンダー的にNGの話題も多々ありましたが全体に面白かった。そしておじさんが好む政治ネタの傾向を掴むことができ、雑談も広げやすくなりました。
数ヶ月後、その課長代理さんとお話をする機会があり夕刊紙を紹介してくれたことに対してお礼を言いました。課長代理さんは「君は丁寧語がちゃんと使えるから後は話題集めだけだと思ったんだよ」と言われてちょっと嬉しくなりました。
私は大学時代ガチの体育会に所属していて礼儀作法については叩き込まれまくっていました。これも今の時代の若者には好まれないことでもありますが。
でも、私思うのですが日本語において「丁寧語」「共通の話題」「所作(お作法)」って異世代ホイホイだと思うんですよね。日本語で丁寧語が標準以上に使えると第一印象がとても良くなります。
「作法」も実はとても重要。今後はどうなるかまだ判断できませんが「重要な決定事項は食事と共に」という状況設定ってよく遭遇します。日本食には日本食の食べ方、西洋では西洋風の食べ方があります。別に細かい作法まで熟知する必要はありませんが「日本人国籍を持ってるのなら日本食を食べる機会が増える」ことは多い。そこで正しく箸を持ち、正しくお椀を持つことで印象を良くすることができます。
箸に関してはこの写真が有名ですよね。当時のニクソン大統領が戸惑っているように見えます。
でも、これはそういう切り取りであって実はちゃんと使いこなしてたそうです。
ちなみに日本料理以外で箸を使って食べる料理で「入れ物を手に持って食べる」スタイルの料理って少ないんですよね。だから上の写真も左手を添えていない。「箸を使って食する際左手はどうすべきか」これはいつも考え込んでしまいます。
悲しいけど人は見た目、印象で思考することが大半なんですよ。なのでどう見られるか。これってすごく大事であることを認めたほうがいい。
昨今「若者は海外に行け」とか「幼児からの国際化」が叫ばれますが、行かされた若者、幼児が他人からどう見られるかという意識が送り出す側にあるか、今一度振り返り考えることが私は多いです。
幼児、若者が「でもあなた日本人でしょ」と言われた際、自信を持って意見できるかどうか。いや、そのようなアイデンティティに土足で踏み込まれるようなことを言われないような主義主張ができるような所作の構築ができるか。送り出す側がそこまで覚悟を決められないのなら「日本人はこう見られる可能性がある」と事前認識してその見解を学び、その上で自己の形成を試みるほうが本人が楽ではないかって思うんですよね。甘いのかもしれないけど。
日本人である証明しか持てない以上、日本人であると思われることが自分の言動にどう影響するか、そして「日本人であること」をどう利用していくか。利用できるものは全部利用しないと生きていけない世の中になってしまったからこそ、使えるコマは全部使いたいですよね。
海外で子供が学校を卒業するってやはり節目。その節目において親は遠目で見守ることしかできないけど、遠目で見守ることが一番大事な距離感でもあると思うので見守っていきたいと思います。