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ChatGPTでデータ分析 #3 カイ二乗検定

1.キャラクター

彼はデータの中に隠された真実を解き明かすことに情熱を注いでおり、そのためには細部にまで注意を払い、精密な分析を行います。
彼の落ち着いた外見の下には、カテゴリカルデータの謎を解くことに対する熱意が秘められています。

2.どんなときに活躍する

カイ二乗検定は、統計学において主にカテゴリカルデータ(質的データ)の分析に用いられる検定方法です。
この検定は、観測された頻度分布が期待される頻度分布と有意に異なるかどうかを評価するために使用されます。
具体的には、以下のようなシチュエーションでカイ二乗検定が活用されます:

  1. 適合度の検定

    • 単一のカテゴリカル変数の観測度数が、特定の理論的または期待される分布に適合しているかを検定します。

    • 例:サイコロを投げた結果が均等に分布しているか(各目が等しい確率で出るか)を検定する場合に使用されます。

  2. 独立性の検定

    • 二つ以上のカテゴリカル変数間の独立性を検定します。

    • 例:性別(男性、女性)と好きな色(赤、青)が独立しているか、つまり性別が好きな色の選択に影響を与えないかを検定する場合に使用されます。

  3. 均等性の検定

    • 異なる集団間でカテゴリカル変数の分布が均等であるかを検定します。

    • 例:複数の地域における消費者の製品好みが同じかどうかを検定する場合に使用されます。

カイ二乗検定は、観測度数と期待度数の差の二乗を期待度数で割った値の合計を用いて計算されます。この値はカイ二乗分布に従うとされ、検定統計量として使用されます。
結果の解釈は、得られたp値と事前に設定した有意水準(通常は0.05)を比較することで行われます。p値が有意水準より小さい場合、帰無仮説(期待される分布と観測された分布が同じである、または変数間に関連がないなど)を棄却し、統計的に有意な差があると結論付けます。

3.データ概要

男女別に好きな色(赤、青)のアンケート調査結果です。ぱっと見では男性の方がより青が好きなように見えますが、本当でしょうか。男女で好きな色の性向があるかを調べます。

男女別の好きな色調査

4.分析

以下、ChatGPTとの対話による分析実行ですが、
You:私のプロンプトコメントです。
ChatGPT:ChatGPTのコメントを元に記述したものですので、是非ご自分で確かめてください。
< >:補足として追加記載したコメントです。

You
independence_sample_data.csv添付
あなたは統計学のスペシャリストです。添付されたデータは、男女別の色の好み(red、blue)を調査したものです。男女によって色の好みに差があるかをカイ二乗検定で調べたいと思っています。手順を示したうえで、検定調査をお願いします。

ChatGPT
カイ二乗検定を行うための手順は以下の通りです:

1.帰無仮説と対立仮説の設定:
帰無仮説 (H0): 性別と色の好みには関連がない。
対立仮説 (H1): 性別と色の好みには関連がある。
観測度数表の作成: データから性別と色の好みの組み合わせに基づいて観測度数表を作成します。

2.期待度数の計算: 各セルの期待度数を計算します。期待度数は、各行と列の合計を使用して計算されます。
カイ二乗統計量の計算: 観測度数と期待度数の差を用いて、カイ二乗統計量を計算します。

3.p値の計算: カイ二乗統計量と自由度を使用して、p値を計算します。自由度は、(行数 - 1) * (列数 - 1) で計算されます。

4.結論の導出: p値が有意水準(通常は0.05)より小さい場合、帰無仮説を棄却し、性別と色の好みには関連があると結論づけます。

それでは、添付されたデータを使用してカイ二乗検定を実行してみましょう。

カイ二乗検定の結果は次の通りです:

カイ二乗統計量: 3.614
p値: 0.0573
自由度: 1
期待度数: [[38.5, 11.5], [38.5, 11.5]]
修正後のp値は0.0573であり、一般的な有意水準0.05よりもわずかに大きいため、帰無仮説を棄却することはできません。
しかし、p値が非常に小さいため、性別と色の好みの間にはわずかながら関連がある可能性が示唆されます。
より大きなサンプルサイズを持つ追加の研究が必要かもしれません。 ​​

You
連続性の補正がデフォルト値になっていませんか。
<念のため自分でも計算しているのですが、計算が合わなかったため、こんな質問をしています。>

ChatGPT
おっしゃる通りです。scipy.stats.chi2_contingency関数では、デフォルトで連続性の補正(イェーツの補正)が有効になっています。
連続性の補正を無効にして再度計算してみましょう。
<サンプル数が少ない場合は連続性の補正が必要ですが、今回は必要ありません>

連続性の補正を無効にした場合のカイ二乗検定の結果は次の通りです:

カイ二乗統計量: 4.574
p値: 0.0325
自由度: 1
期待度数: [[38.5, 11.5], [38.5, 11.5]]
連続性の補正を行わない場合、p値が0.0325となり、一般的な有意水準0.05よりも小さいため、帰無仮説を棄却します。これは、性別と色の好みには統計的に有意な関連があることを示唆しています。 ​​

5.注意点

You
カイ二乗検定を行うときの注意点を教えてください。

ChatGPT
カイ二乗検定を行う際にはいくつかの注意点があります:

1.期待度数の最小値
2.独立性の仮
3.連続性の補正
4.多重比較の問題
5.カテゴリーの数
<実際はそれぞれについて詳しく説明してくれます>

これらの注意点を考慮することで、カイ二乗検定の結果の信頼性を向上させることができます。

<分析の欄でもありましたが、ChatGPTのカイ二乗検定では"連続性の補正あり"がデフォルトになっていますので、通常は”連続性の補正なし”を明記してお願いしてください

6.参考文献

(1)心理学統計入門
(実吉綾子著、技術評論社)
事例で説明してあるのでわかりやすいです。

(2)検定・推定超入門
(前野正弘著、技術評論社)
検定について広く解説してあります。

(3)ビジネスで本当に使える超統計学
(村上知也、矢本成恒著、秀和システム)
ストーリー仕立てで、統計をどのように使うかがわかります。

(4)らくらく図解アンケート分析教室
(菅民郎著、オーム社)
アンケートの取り方から分析の仕方まで解説されてます。

おすすめ!
(5)統計学が最強の学問である

(西内啓著、ダイヤモンド社)
統計のなんたるかから適用方法まで説得力ある文章で書かれいる。【実践編】【ビジネス編】も是非どうぞ。

学術系
(6)現代数理統計の基礎(久保川達也著、共立出版)
(7)統計検定1級対応統計学(日本統計学会編、東京図書)
(8)明解演習数理統計(小寺平治著、共立出版)
もっと数理的論理を理解したい人はどうぞ


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