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ChatGPTでデータ分析 #7-2 主成分分析&因子分析

1.キャラクター

前回からの続きで、因子分析についてご紹介します。

2.どんな時に活躍する

因子分析は、多数の変数の中から共通する要因を抽出し、データの構造を簡略化するために使用される統計的手法です。
これは、主に以下のような分析に使用されます:

  1. 次元削減: 多くの変数から構成されるデータセットにおいて、それらの変数の背後にある共通の要因を抽出することで、データの次元数を削減します。これにより、データの解釈が容易になります。

  2. 潜在変数の同定: 因子分析は、観測された変数の背後にある潜在変数(隠れた要因)を特定するのに役立ちます。これらの潜在変数は、観測された変数間の相関関係を説明するのに使用されます。

  3. 心理学や社会科学の研究: 因子分析は、アンケートやテストの結果から潜在的な態度や能力を抽出するのによく使用されます。例えば、人格特性や知能の構造を調査する研究において利用されます。

  4. 市場調査: 顧客の意見や好みを理解するために、多くの変数からなるデータセットを分析する際に因子分析が用いられます。これにより、製品やサービスを改善するための洞察が得られます。

  5. 財務分析: 株価や投資リスクなどの財務指標の背後にある共通の要因を抽出し、ポートフォリオの管理やリスク評価に役立てることができます。

因子分析は、データの構造を理解し、複雑なデータセットから意味のある情報を抽出するのに有効なツールです。
しかし、適切な結果を得るためには、データの前提条件や因子数の選択など、適切な分析手順を遵守することが重要です。

3.データ概要

主成分分析と同じデータを使用ます。
あるクラス10人の生徒の学力テスト結果で、科目は、国語(National_language)、英語(English)、数学(Math)、物理(Physics)の4科目です。
科目ごとの点数を分析することでどのような解釈ができるか考えてみましょう。

4.分析

以下、ChatGPTとの対話による分析実行ですが、
You:私のプロンプトコメントです。
She:ChatGPTのコメントを元に要約記述したものですので、是非ご自分で確かめてください。
< >:補足として追加記載したコメントです。

You
では、同じデータで因子分析はできますか。

She
はい、同じデータを使用して因子分析を行うことができます。
因子分析は、観測された変数をいくつかの潜在的な因子に関連付けることで、データの構造を探求する統計的手法です。
主成分分析と同様に、因子分析もデータの次元削減に利用されますが、因子分析はデータの共分散構造をモデル化し、潜在的な因子を特定することに重点を置いています。
因子分析を行う際の基本的なステップは以下の通りです:

  1. データの標準化: 変数のスケールを揃えるためにデータを標準化します。

  2. 共分散行列または相関行列の計算: 変数間の関係を表す共分散行列または相関行列を計算します。

  3. 因子抽出: 共分散行列または相関行列から因子を抽出します。これには、主成分法、最尤法、主軸法などの方法があります。

  4. 因子の回転: 抽出された因子の解釈を容易にするために、因子の回転を行うことがあります。回転には、直交回転(バリマックス法など)と斜交回転(プロマックス法など)があります。

  5. 因子スコアの推定: 各観測データに対して因子スコアを推定します。

  6. 結果の解釈: 因子の意味を解釈し、データの構造を理解します。

因子分析の結果、以下のような因子負荷量が得られました:

因子負荷量

この結果から、因子1は全体的な学力を反映していると解釈できます。すべての科目で負荷量が正であり、すべての科目に対して比較的均一な影響を持っています。
一方、因子2は科目間のバランスを示しています。国語と英語は負の負荷量を持ち、数学と物理は正の負荷量を持っています。これは、言語科目と数理科目の得意不得意を表していると考えられます。因子2が正の値を持つ生徒は数学と物理が得意で、負の値を持つ生徒は国語と英語が得意である可能性があります。 ​​

You
因子負荷量と因子得点を表示してください。
<解釈をするために因子得点を尋ねました>

She
因子分析の結果、以下のような因子負荷量と因子得点が得られました:


因子負荷量


因子得点

因子1の得点が高い生徒は全体的に高い学力を持っていると考えられます。また、因子2の得点は言語科目と数理科目の得意不得意を反映していると考えられます。
因子2が正の値を持つ生徒は数学と物理が得意で、負の値を持つ生徒は国語と英語が得意である可能性があります。 ​​
<主成分分析と同じく、解釈についてはChatGPTを過信しないことが大切です>

You
因子得点をプロットして、ダウンロード可能にしてください。

She

生徒ごとの因子得点

You
因子の回転は行っていますか。
<説明で分からない言葉があったら尋ねてください>

She
はい、先ほどの因子分析では、FactorAnalysisクラスを使用して因子を抽出した後に、バリマックス法を用いた直交回転を行いました。
これにより、因子負荷量の解釈が容易になり、各因子が表す概念がより明確になることが期待されます。
バリマックス回転は、因子負荷量の分散を最大化することにより、各因子が特定の変数群に強く関連するようにする直交回転の一種です。この回転により、因子の解釈がよりシンプルで直感的になることが多いです。

You
バリマックス回転を使うのか、プロマックス回転を使うのかはどうやって決めますか。

She
バリマックス回転とプロマックス回転を選択する際に考慮すべきポイントは以下の通りです:

  1. 直交回転 vs. 斜交回転:

    • バリマックス回転は直交回転の一種で、回転後の因子が相互に独立(相関がない)という仮定のもとで行われます。

    • プロマックス回転は斜交回転の一種で、回転後の因子が相関していてもよいという仮定のもとで行われます。

  2. 解釈のしやすさ:

    • バリマックス回転は因子負荷量の解釈を容易にするためによく使用されます。因子が相互に独立しているという仮定のもとで、各因子が特定の変数群に強く関連するようになります。

    • プロマックス回転はバリマックス回転よりもさらに解釈しやすい因子構造を提供することがあります。因子間の相関を許容するため、より現実的な因子構造を得ることができる場合があります。

  3. データの性質:

    • 因子が相互に独立であるという仮定がデータに適している場合は、バリマックス回転を使用することが推奨されます。

    • 因子間に相関があると考えられる場合や、より複雑な因子構造を探求したい場合は、プロマックス回転を検討すると良いでしょう。

最終的な選択は、データの性質、研究の目的、そして因子構造の解釈のしやすさに基づいて行われるべきです。必要に応じて、両方の回転法を試し、結果を比較することも有効です。

5.注意点

You
ありがとう。では、因子分析を行う場合の注意点を教えてください。

She
因子分析を行う際に注意すべき点は以下の通りです:

  1. 適切な因子数の選択:因子数を多くしすぎると解釈が難しくなりますが、少なすぎるとデータの重要な構造を見逃す可能性があります。因子数の選択は、固有値の大きさ、スクリープロット、累積寄与率などを基に決定します。

  2. サンプルサイズ:因子分析は比較的大きなサンプルサイズを必要とする場合が多いです。小さなサンプルサイズでは、因子の推定が不安定になる可能性があります。

  3. 変数間の相関:因子分析は変数間にある程度の相関があることを前提としています。相関がほとんどない変数が多い場合、因子分析は適切でない可能性があります。

  4. 共通因子の仮定:因子分析は観測された変数の分散を共通因子と独自因子に分けるという仮定に基づいています。この仮定が成立しない場合、因子分析の結果は解釈が難しくなります。

  5. 因子の回転:因子の回転は解釈を容易にするために重要です。適切な回転法を選択し、回転後の因子負荷量を注意深く解釈する必要があります。

  6. 因子スコアの推定:因子スコアは観測データに基づいて因子の値を推定するものです。因子スコアの推定方法にはいくつかの選択肢があり、それぞれ異なる特性を持っています。

  7. データの前処理:欠損値の処理や外れ値の除去など、データの前処理が適切に行われていることが重要です。

因子分析は強力なツールですが、その結果の解釈には注意が必要です。分析の前にデータを慎重に調査し、適切な手法とパラメータを選択することが重要です。

You
因子分析と主成分分析の目的の違いを優しく教えてください。

She
因子分析と主成分分析は似ているように見えますが、その目的には重要な違いがあります。

主成分分析 (PCA) の目的は、データの次元削減と変数間の相関構造の簡潔な表現です。PCAは、データの分散を最大限に捉える新しい変数(主成分)を見つけることを目指しています。これにより、データの重要な情報を保持しながら、より少ない数の変数でデータを表現できます。PCAは、データの可視化やノイズの除去、さらなる分析のための前処理手法として広く使われています。

因子分析 (FA) の目的は、観測された変数の背後にある潜在的な因子や概念を特定することです。
因子分析は、変数間の相関を説明する共通因子を探し、データの構造を明らかにすることを目指しています。
因子分析は、データの潜在的な構造を理解し、測定誤差や独自因子の影響を考慮に入れることができます。これは、心理学や社会科学など、概念や態度を測定する研究分野でよく使用されます。

要するに、PCAはデータの分散を最大化する新しい変数を見つけることに重点を置いていますが、FAは観測された変数の背後にある潜在的な因子を特定することに重点を置いています
PCAはデータの要約と次元削減に使われ、FAはデータの構造と潜在的な概念の理解に使われます。

6.参考文献

(1)らくらく図解アンケート分析教室
(菅民郎著、オーム社)

(2)ビジネスで本当に使える超統計学
(村上知也、矢本成恒著、秀和システム)

(3)本当に使えるようになる多変量解析超入門
(加藤剛著、技術評論社)

(4)心理学統計入門
(実吉綾子著、技術評論社)

(5)すぐわかる多変量解析
(石村貞夫著、東京図書)

統計学が最強の学問である[実践編]
(西内啓著、ダイヤモンド社)

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