霊山と宇津峰の陥落|岡田峰幸のふくしま歴史再発見 連載118
南北朝時代の興国4年(1343/興国は南朝の元号)6月、奥州南朝の重鎮であった白河の結城親朝が北朝へ寝返った。これで奥州および北関東における軍事バランスが一変。まず常陸国(茨城県)の南朝勢が壊滅してしまう。さらに奥州の南朝勢も梁川城(伊達市)の伊達氏、霊山(伊達市)の広橋経泰、守山(郡山市)の田村氏のみとなり、勢力が著しく縮小。そして奥州南朝の大将・北畠顕信は興国3年(1342)に出羽三山(山形県)に逃亡したまま。というわけで1343年の夏には、北朝の奥州制覇が目前に迫って