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フクイチと「もんじゅ」から考える、核施設のリスク低減策|【春橋哲史】フクイチ核災害は継続中㊾
フクイチ(東京電力・福島第一原子力発電所)に関して、本年3月15日、東電が「日本海溝津波対策防潮堤(本体部)の設置工事が完了した」旨を公表しました(注1)
尚、本稿では、この防潮堤を「新防潮堤」と記載し、高さは福島第一での海抜で表記します(注2)。
フクイチには、発災後「4号建屋南東側に高さ12・4~14・5㍍・全長約360㍍の仮設防潮堤(2011年6月完成/注3)」「1~4号建屋東側に
【尾松亮】「廃炉の最終形は地元で決める」の危険性|廃炉の流儀 連載48
繰り返し本連載で指摘してきたことだが、福島第一原発の廃炉完了要件を定めた法律は存在しない。東京電力はHPで次のように説明する。
《「廃炉」の最終的な姿について、いつまでに、どのような状態にしていくかについては、地元の方々をはじめとする関係者の皆さまや国、関係機関等と相談させて頂きながら、検討を進めていくことになると考えています》(東京電力「もっと知りたい廃炉のこと」)
地元などの関係者と
再燃した北朝の内紛|岡田峰幸のふくしま歴史再発見 連載124
南北朝時代の西暦1353年(南朝・正平8/北朝・文和2)5月、奥州南朝の拠点であった宇津峰(郡山/須賀川)が陥落。山を守っていた守山(郡山市)の田村氏は北朝に降伏し、南朝大将の北畠顕信は守永王を伴い津軽へ落ち延びた。以後、顕信は再起できず宇津峰の陥落をもって事実上、奥州の南北朝争乱は終結した。だが、これで平穏な時が訪れたわけではない。今度は北朝の武将たちが争いだしたのである。
宇津峰陥落から
政府・東電の説明は「壮大な言い訳」ではないのか|【春橋哲史】フクイチ核災害は継続中㊽
フクイチ(東京電力・福島第一原子力発電所)核災害の発生から、約13年が経過しようとしています。
今も続いているフクイチへの対処とは即ち、膨大な量の放射性廃棄物への対処であり、政府・東電は、その一環として、昨年8月に「処理水」(※1)の海洋への希釈投棄を開始しました。
11月までに3回実施され、約2・3万㌧が投棄(放出)されました。2024年3月上旬には4回目が実施されていると思われます。
「春の花粉症」対策|耳寄り健康講座24
常磐病院の新村です。まだまだ寒い日が続きますが、暦の上では3月はもう春ですね。この時期は「花粉症」でお困りの方も多いかと思います。今回は、そんな花粉症について取り上げていきたいと思います。
【花粉症とは?】
花粉症は、「季節性アレルギー性鼻炎」とも呼ばれ、植物の花粉が原因でアレルギー反応を引き起こす病気です。一般的に、鼻や目などから花粉が体内に侵入し、その結果、免疫の過剰反応が現れ、くし
太平洋でも汚染水海洋放出「規制条約」を定めるべき|【尾松亮】廃炉の流儀 連載47
1月30日、国際原子力機関(IAEA)は福島第一原発の汚染水海洋放出後初めてのレビュー報告書を公表した。「国際安全基準の要求と合致しない点は確認されなかった」と改めて海洋放出にお墨付きを与えたかのように報じられている。
日本のある大臣は「『汚染水』と呼び反対するのは中国だけ」と述べた(9月25日IAEA年次総会)が、これは事実と異なる。
韓国政府は公式リリースにおいて「Contamina
宇津峰の決戦|岡田峰幸のふくしま歴史再発見 連載123
南北朝時代の西暦1352年(南朝・正平7/北朝・文和2)3月24日、奥州の南朝大将・北畠顕信が南朝皇子の守永王を伴って宇津峰に入城した。宇津峰は郡山市と須賀川市にまたがる標高677㍍の独立峰である。この時点ですでに奥州で南朝に味方するのは、宇津峰を含む田村地方の領主・田村氏のみ。しかし田村氏は孤立無援ながら、居城の守山(郡山市)のほか四方八方に10カ所以上の城を構築し守りを強化する。さらに阿武隈
もっとみる高市早苗氏のスタンドプレー|横田一の政界ウォッチ27
高市早苗・経済安保担当大臣が1月27日、一気に時の人となった。この日の長野講演や自身のネット番組で、1月16日に岸田文雄首相と面談して大阪・関西万博縮小や延期を提言したことを公表。「資材不足や人手不足も起きている中で能登半島地震からの復旧復興と万博が両立できるのかどうか」「延期や縮小は総理決断でしかできない」と訴えたのだ。
しかし、万博を所管する齋藤健・経産大臣は「万博関連の資材調達などによ