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ロードレースで結果が出ない理由【中編】

前回のロードレースで結果が出ない理由【前編】が想像以上の反響でしたので、私なりの考え方、どういった感じで具体的にアジャストしていくのか?そこを中心に掘り下げていきます。


色んな種類のレースがある

国内のレースでも、サーキットレースや、アップダウンの激しいロードレース、立ち上がりの多いクリテリウム等、各地でそれなりの数の開催がされています。

1つ1つのコースを一緒に考えていければ一番伝わるかも知れませんが、それは現実的に難しいのでご勘弁ください(;’∀’)

なので、ある程度多くの方がご存知のコースを私がどのように考えていくかをお伝えする中で、少しでも何かを発見して頂ければ幸いです。

まずはクリテリウムから

まずはクリテリウムから考えていきたいと思います。『クリテリウムでアジャストする必要なんてないやろ!?』と思いませんでしたか?

まぁ、正直それ程神経質にならなくてももちろん問題はありませんが、レース自体の構成要素を考えると意外なことに気付くかも知れませんので、お付き合いください。

舞洲クリテリウムで考える

ここで取り上げるコースは、近畿圏の選手であればかなりお世話になったであろう、舞洲クリテリウムです。

どうやら2024年からは大阪府車連様の開催では堺浜の方へ移動することになったというようなことを聞きました。

完全に余談ではありますが、実は私、此花区出身ですので、舞洲は高校生の頃から練習でずっとお世話になっていたとても思い入れのある場所ですので、少し寂しく思っております( ;∀;)

ここで、舞洲クリテリウムのコースを確認したいと思います。

雑ですが大会の際のPDFを横にしてトリミングしました

1周850mの超ド平坦コースで、直線の終わりにほぼ1発で180度曲がり切るコーナーが2箇所あるという感じです。

これを見て、必要な情報を正確に把握することができるか?まずは、それが分析する上での第一歩となります。

クリテリウムで把握する要素

私がこのコース図を見て把握していくことを以下に書いていきます。
①    立ち上がりの回数
②    直線の距離(時間)
③    1本の直線で入力を継続する時間
④    選手(もしくは自分)の特性で勝つためにはどういった展開を作るか

あまり複雑にし過ぎてもよくありませんので、この程度のことで良いかと思います。

舞洲クリテリウムの要素

ここから具体的にいきますが、JBCFやエリートのレースだと、だいたい30周前後のレースが多いかと思いますので、仮に30周で話を進めていきたいと思います。

レース距離(時間):850m×30周=25.5㎞(⇒レース時間は約30分強)
⇒①立ち上がりは強弱合わせて約60回
⇒②1つのコーナーが約50mとして、直線距離は400m弱
⇒③コーナー前のブレーキング時間を約3秒と考えると、立ち上がりからの入力時間は約30秒
※ブレーキング開始からコーナーを曲がって次の立ち上がりまでをレストと考えると、レストは約8秒
⇒④ラスト15周で少人数もしくは独走で飛び出て逃げ切って勝つ

立ち上がりの回数が多い

まず、①の立ち上がりが約60回あるという点ですが、こうやって改めて書いてみるとかなり重要な要素だとお気付き頂けるかと思います。

低速からの立ち上がりに関しては、通勤で街乗りをしまくっている方は耐性が付いているかも知れませんが、私はかなり嫌いですし結構ダメージを受けますよね。

これを練習で数多くこなして耐性を付けるというのもありますが、正直私はあまりそういった練習はやりたくない(やらせたくない)というのが本音です。
※クリテリウムで重要なレースが少ないこととそこを目指していないから。

立ち上がりの強度を下げる?

それではどのようにするのかですが、集団内でのポジション取りや走り方でこの立ち上がりの強度を下げるというのが重要だと考えています。
※アジャストするということからは少しズレますが。

クリテリウムで立ち上がりが楽になる集団の位置は2箇所あると思っています。皆さんはそれがどこか分かりますか?

まず1箇所は誰でも思いつくと思いますが先頭付近です。コーナー進入の時の減速が自分の曲がれるギリギリのスピードで済みますので、再加速させる速度量が小さくて済みます。

もう1箇所は集団最後方です。後ろの方ではなく、最後方というのがポイントです。

集団最後方での立ち回り

集団の中盤や、後ろの方がなぜ強い加速をする必要があるかと言えば、前方のブレーキングで集団が渋滞状態になるため、コーナーではかなり早くブレーキングをさせられます。

その上、自分が立ち上がった時には既に前は加速しきっているため、その速度差を埋めるために一気に立ち上がり、かつ開いた差を埋めるために最高速も高くまでもっていく必要が出てきます。

で、また急激なブレーキングをしてその繰り返しという流れになりますよね。これでは立ち上がりの強度が上がってしまいます。

最後方でも同じような動きをすれば当然同じようにキツイんですが、最後方で楽に走るのは少しだけやり方が違います。

まず、直線では集団中盤や後方の鬼のような加速には付き合わず、自然な感じで立ち上がって多少千切れても無視してそのまま走る感じでいきます。
※多少千切れても前に集団はいますからスリップストリームの効果は結構あります。

で、コーナーのところで前方は渋滞しながら早くブレーキングに掛かりますので、千切れている自分は集団に自然と近付きます。

しかも、集団に近付きながらのスピードでブレーキングをしていますから、集団後方よりも速い速度でコーナーをクリアしていくことになります。
※立ち上がりピッタリで追いつく調整技術があれば最高です。

そのため、立ち上がりのタイミングではダンシングしなくても周りより速いスピードを保てていますので、自分のタイミングで楽に立ち上がっていけばそれなりに付いて行けますし、周りがガンガン行っても無視してまた千切れて同じことを繰り返します。

少し話は逸れてしまいましたが、このようなポジション取りや走り方でも立ち上がりの要素はクリアすることも可能です。

動き方をこれで決める

なので、①⇒④から導かれる走り方は、レース序盤は集団前方もしくは最後方で、多くの動きがあっても反応せずやり過ごし、後半のために足を溜めるという動きが決まっていくわけです。
※あくまでも④の内容で変わってくるということがポイントです。

ここからが本題ですが、②、③の要素から、レースに向けてのトレーニングが決まっていくと思います。

レースに向けたアジャスト

このレースに身体をアジャストしていくとしたら、
『30秒間の高強度(特にはじめの5秒を強く)+10秒イージー』×60セット
ザクっと言えば、こんなトレーニングを2回~3回すれば、身体はその動きに慣れてくると思います。

その中でも、④のような動きを決めているので、あれば後半の30本を前半30本と比べて5秒長く踏み(35秒)、レストを5秒に減らすということも考えられるかと思います。
※このあたりが考え方のセンスになってくると思います。

人間は同じトレーニングをすると、そのトレーニングに慣れてしまうためそのトレーニング効果が減少するということを以前に書きました。

それを逆手にとってレースの構成をトレーニングで経験し、その構成に身体を慣らせるということがアジャストするということになります。

『次のレースはクリテリウムやし、平坦の練習だけしとったらえ~わ』と多くの方が考えておられたと思いますが、クリテリウムでもこれだけのことを考えることもできるわけです。

気が付けば1つ目のクリテリウムでもう3000字を超えてきましたので、この辺りで一旦終わろうと思います(^_^;)

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本日も長文にお付き合い頂き、ありがとうございました<(_ _)>

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