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政治家調査報道局、始動します。

 あなたは何人の政治家を知っていますか?1人?5人?10人?指を折って10人以上の政治家を上げられたなら、あなたは立派な政治通です。

 日本に数多く存在する政治家ですが、ごく少数の有名人以外、ほとんど知られていないのが実態です。

 そんなよく知しらない政治家たちが、この国のカタチを決めています。
 選挙前に駅の前でにぎやかに演説していても、実際はよくわからない…。

 そこで今回、政治家の政策実績から懐具合に至るまで、調べつくしました。
 そして、それをわかりやすく示すまでが今回の試みとなります。

 さあ、それではめくるめく政治家ワールドへ、レッツジョイン。

1.評価指標(5項目)について

 この調査では、5項目を評価指標として選定しました。それが「選挙力」「統率力」「政策力」「資金力」「PR力」となります。それぞれの詳細は後ほど触れていきますが、なぜこの5項目を選んだかを説明します。
 まず前提として、①全政治家を対象に、②公平に、③公開されている情報、を選定しました。一部の政治家しか取れない情報や、単に政治家本人が頑張っているという発信情報はできる限り除外し、極力、第三者からみても評価可能で可視化されているものを選定しています。したがって、個々にみるともっと頑張っているという主張もあるかと思いますし、我々の調査の限界(後ほど触れます)があることもご了承いただけますと幸いです。
 なお、公表する政治家については、まずは衆議院議員を対象とし、衆議院のHPに記載の順(五十音順)となっています。氏名表記も衆議院HPベースとしています。
 配点については、5つの項目それぞれを20点満点で評価した上で全体を100点満点で評価しています。それぞれの配点基準は各項目をご覧ください。

2.「選挙力」の考え方

 「選挙力」は、有権者の信任を選挙によって受ける政治家である以上、最も重要な指標と言えるでしょう。
 今回、衆議院議員の調査・分析に当たっては、さらに詳細な三つの小項目を設定した上で配点を行っています。具体的には、①当選回数、②直近5選挙での小選挙区当選回数、③直近選挙の小選挙区当選、となります。
 当選回数については、有権者からの信任が長く続いている証左だと考えましたので採用しています。また、小選挙区での当選に重み付けを行っている理由は、現状の衆議院選挙及び各党の基本姿勢が小選挙区での当選・活動に比重を置いていると考えたからです。政党によっては比例単独での立候補・当選を中心に置いているところも見られましたが、ほとんどの政党が小選挙区ベースでの評価(小選挙区当選者への優遇など)となっている現状に鑑み、上記のような基準を採用しました。

3.「統率力」の考え方

 衆議院議員にとっての最大の目標は内閣総理大臣であることは言うまでもありません。そして、それを果たすためには主要政党のトップに近いポジションを目指す必要があり、そのためには政党内で多くの仲間が必要となります。「選挙力」が地元有権者からの信任の指標だとするならば、この「統率力」は、政治家間での仲間内からの評価を指標化したものといえます。
 本項目でも三つの小項目を設定した上で配点を行っています。具体的には、①総理・政党党首・3役など幹部経験、②派閥やグループのトップ経験、③全国組織や県連組織でのトップ経験、となります。
 なお、政党の大きさによって役職につくハードルが異なるため、配点にあたっては主要政党であるか否かによる重み付けも行っています。また、一般的にみて統率力が必要な他の経歴出身者(自治体の首長や企業の社長)を経ている方もいますが、今回はあくまで政治家としての評価をターゲットとしていることに留意いただければと思います。

4.「政策力」の考え方

 政策を立案し、それを実現していくのが政治家にとって重要な活動であることは言うまでもありません。ただし、現に政権を担っている政党(与党)と、そうでない政党(野党)では、政策力の発揮の仕方に違いがあると考え、この「政策力」に限って、与野党の評価指標を別々に設定しています。

 まず、与党です。与党の議員は、単に政策を提示すればよいという立場ではないと考え、政策を実現したかどうか、またそれを実現しうる立場にいるかどうかを基本的な評価軸として指標を採用しています。なお、現状における与党は自由民主党及び公明党の2つ党を指すものとし、その2つの党に所属する議員を与党議員としています。
 本項目でも三つの小項目を設定した上で配点を行っています。具体的には、①閣内経験数(大臣・副大臣・政務官)、②政調(部会/調査会他)経験数、③提出者としての議員立法成立数、となります。
 閣内経験数は、政策の本丸である役所での責任者となりますので採用しました。また現状の政策決定プロセスにおいては党側での意思決定も重要になってきますので、政調経験も評価指標に加えています。
 議員立法については、衆議院法制局が公表している10年分(平成26年の「186国会」から直近の「211国会」まで)の成立議員立法を調査して評価しています。なお、成立した「修正案」についても調査していますが、こちらは提案者一覧が公表されていないため、記載のある筆頭提案者のみを評価しています。
 本項目についてはいくつか課題があり、①政調の役職者については過去のデータが十分でないこと、②部会等で実際の法案作成業務に汗を流している政治家(特に若手議員)についてデータが不足していること、等の限界がありましたことにご留意いただければと思います。

 次に野党の「政策力」についてです。野党の政治家については、多くの政策提案を行っているかどうか、それを行える立場にいるかの二軸で評価しました。
 多くの政策提案を行っているかどうかは、議員立法の提出者となっていることをもって評価しました。具体的には、与党議員同様、衆議院法制局が公表している10年分の議員立法を調査して評価しています。なお、「修正案」についても与党と同様です。
 次に立場については、基本的には政調での経験を調査・評価しています。ただし、こちらも過去データが十分でないためその点はご留意いただければと思います。
 また、政治家の所属政党に変更があった場合でも、極力前の所属政党での実績を拾うように調査していますが、野党から与党に移動した議員に関しては政策評価の考え方が変わってしまうため、与党に変更後の実績のみを評価しています。

5.「資金力」の考え方

 「資金力」は、選挙スタッフや政策スタッフなど、政治家個々人の政治的自由度を高める上で重要な指標になると考え採用しています。
 今回は、政治家ごとの主要政治団体における収入金額の多寡で評価を行っています。各都道府県の選挙管理委員会が公表している政治団体を調べ、複数の政治団体がある政治家については、それら複数の政治団体の収入をすべて合算して評価しています。
 なお、一部の政党においては政治家個人の政治団体を認めていないようでデータを見つけることができなかったことにご留意ください。また、政治家の私有資産についても別途公表されていますが、資産ゼロとの回答が多く、評価に耐えられるデータとなりうるか疑問が残ったため、今回は評価対象からは外している点をご留意ください。

6.「PR力」の考え方

 政治家の発信能力は、有権者が政権選択や政策選択をしていく上で重要と考え、「PR力」として採用しました。
 本項目でも三つの小項目を設定した上で配点を行っています。具体的には、①全国認知度、②ニュースの登場回数、③SNS発信力、となります。
 まず全国知名度ですが、ネットパネル調査サービスを利用し、合計1000人に対して、個々の政治家を知っているかどうか尋ね、知っている人の割合を評価しています。なお、調査対象1000人については年齢等の偏りがないよう、人口動態に則った世代・性別の区分けを行っています。
 ニュース登場回数は、ニュース検索でヒットする件数をカウントし、またSNS発信力については、特に若い層へのリーチをどこまで行っているかという視点で採用し、具体的には、Twitter、Facebook、Instagram、Youtubeの四つについてのフォロワー/登録者をカウントし評価を行っています。なお、政治家間の公平性を保つために、一定の時期にまとめて調査した結果を表示しており、最新の数字と乖離がある可能性があることにご留意いただければと思います。

7.調査チームと関係者の皆様へ

 この調査は、元政治家の秘書や役所出身者などがチームを組み、できる限り公平な調査・分析を心がけています。いずれの調査にも万全を期していますが、もし質問などありましたら概要欄のメールアドレスまでご連絡ください。

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