超訳/論語と孔子のロックンロール
冠省
昨今の世相をみると、巧言令色な著名人が崇拝されていることが少なくありません。
例えば、豊富な知識を分かりやすく伝える動画配信があったとしましょう。まるで大学の講義のような、或いは予備校の授業のような雰囲気を醸しながら効率的に伝えられる情報の、真偽は如何程でしょうか。
今日日基本的な読解力と記憶力があれば、あらゆるジャンルの知識を身につけることができます。専門家でなくとも情報にアクセスしやすくなった現代社会では、知ったふうなことを尤もらしく表現するパフォーマンスが横行しています。そもそも情報量だけならば、既にAIが人間個人を凌駕しています。
知識と実践は別次元です。
論語の一節を振り返りましょう。
超訳しますと、
ひどいこと言いますね。
事実陳列罪に問われかねません。
知識や教養は必要なものですが、それだけでは仕事にならないという厳しい指摘です。言葉よりも実践を重視すべしという孔子らしい哲学が色濃く表現されている一節と感じます。
私なんとなくですが、孔子ってロックな人だったと思うんです。
今でこそ聖人君子のように扱われている孔子ですが、弟子は多かったものの、春秋戦国時代当時は失脚した政治家崩れであったようです。貧しい生い立ちから小国の宰相格まで成り上がり、しかし晩年十数年は就職先を探して中国各地を放浪していたのが孔子という人間の史実です。
巧言令色鮮仁。
なんて言葉もあって、一般的には言葉巧みに良いことばかり言うような人は仁が少ないものだ(から信用してはならない)というように解釈されていますが、当時の孔子はこんなふうに思っていたんじゃあないかと私は想像します。
中指立ててそうですね。ロックですね。
孔子が言葉より行動を重視するようになった原因のひとつかもしれないエピソードがあります。
宰予という弟子がサボって昼寝していたのをみて、孔子は言います。
これを超訳しますと、
中指立ててそうですね。ロックですね。
そんなこんなで私は孔子が大好きです。
もちろん私は論語や儒教の専門家でも何でもありませんから、この文章はただの趣味です。真偽の怪しい考察を垂れ流すyoutuberと何ら変わりはありません。
孔子の弟子の一人が書いた、推しに送る手紙のようなものです。
推し活って楽しいですね。
草々
拙文に最後までお付き合い頂き、誠にありがとうございました。願わくは貴方の推し活が、今を生きる糧となりますように。
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