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ダブルバインドに対する防衛術の話 【実践心理学】

 世の中には悪意ある心理学技術の応用が蔓延っております。これを私は闇の魔術と称します。

 本日は闇の魔術の呪文のひとつ、ダブルバインドの仕組みと、それに対抗する防衛術についてお話させていただきます。

 こんなことはありませんか。

「分からないことは何でも訊いてくれ。」
「そんなこときくな。自分で考えろ。」

無能な上司にありがちな台詞

 これがダブルバインドです。
 元来は統合失調症の研究者であったグレゴリー・ベイトソンが疾患背景を探るために考案した言葉であり、定義は「(ある人が)ふたつの矛盾するメッセージを受けて混乱しうる状況」です。

 これはコミュニケーションの中で生まれる状況であり、基本的には一人の人間(或いは組織)から、誰かに対して、矛盾するメッセージが発信されます。日本語では二重拘束と翻訳されます。字面からしていかにも身動きの取りづらそうな言葉です。

 貴方の身の回りにも、多くのダブルバインドが隠れているはずです。仕事関係にも家庭内にも、あるいは先輩後輩関係にも生じているかもしれません。

 ダブルバインドが成立する条件のひとつに、上下関係の存在があります。例えば自分の子どもからダブルバインドを受けても、それは矛盾していると指摘したり、対話による解決が可能でしょう。イヤイヤ期はダブルバインドの嵐です。どうしようもありませんが、まぁそんなものと(それでも精神を削られますが)なんとかなります。

 ところが親が子に発する言葉で生じるダブルバインドを、子どもが回避することは極めて困難です。先ほどの上司の例もそうですが、そもそも逆らいづらい相手からダブルバインドを受けると、どのように行動してもマイナスの結果を生むことになる(と思い込んでしまう)ので、身動きがとれなくなります。

 ベイトソンの研究は、家庭内の親子関係において日常的にダブルバインドが繰り返される場合、統合失調症の発症リスクが増加する、というものでした。この真偽判断には慎重になる必要がありますし、ダブルバインド=精神疾患と短絡的に決めてはいけません。しかしながら、本来「安全基地」になるはずの家庭内において日常的にダブルバインドがあるとすれば、それは対象者にとって極めて強いストレスがかかり続けることは想像に難くありません。

 では、どうすればいいのでしょうか。

 私も完全な回答を持ち合わせているわけではありませんが、幾つかの防衛手段を提案させていただきます。

・信頼できる第三者に相談する。
・信頼できずとも問題の人物より立場の強い人に相談する。
・物理的に距離を置く。

・頭の中にギャルを飼う。


 現時点では、これ以上の方法は思い至りません。

 自分も知らぬ間に誰かにダブルバインドを強いているかもしれません。そういう観点で自分を振り返ることも、新しい発見につながるかもしれない。

 繊細なテーマではございますが、ダブルバインドの経験や打開策、対処方法の提案などありましたら、ぜひコメントいただけますと幸いです。それはいつかどこかで、誰かの役に立つかもしれません。


 拙文に最後までお付き合いいただき誠にありがとうございました。願わくは、貴方の頭の中のギャルが元気に騒ぎますように。



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#矛盾を直接相手に指摘するのは悪手です
#大抵は無自覚だけどたまに悪意に満ちた人がいる
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