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anarchism - ビー玉海岸 - 《小説》

「anarchism」 - ビー玉海岸 -

遠くから車の音が聞こえた 

美幸のミラターボXXの音だ


社外品のマフラーに

変えてるから直ぐにわかった 

玲子は淡い水色の
チェック柄のワンピースの上に

黒いコムサのジャケットを羽織り

黒いミュールを履いた


お待たせ 

玲子の家の前に美幸のミラが停まる


ダメージジーンズに 
ヒステリックグラマーのTシャツ

MA-1を羽織り黒いコンバース 


ふたりはタイプの

異なるファッションだった

遅くなった ごめんね玲子 

すっぴんの顔で美幸が話しかける

いつもの事でしょう 

そう笑いながら玲子が答えた


どうするマイマイしてみる? 

良い男拾えるかもよ

もう美幸ったら 
男の事しか頭にないのね

意地悪そうな言い方で玲子が言った

お前に言われる筋合いは無い 

そうキッパリ

吐き捨てて笑った美幸に

玲子は1度 美幸に
抱きついて車の助手席に座った


海に行こうよ ビー玉海岸 

そう言った玲子に

よっしゃあー飛ばすぜハニー 

ふざけた調子で美幸が答えた

ふたりは
小学校の頃からの幼馴染だった

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