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オッドアイ 《詩》

「オッドアイ」

静かで濃密な確信が其処にはある

疑いの無い確信が恒常的に

内紛の火種を抱える


汚く猥雑で出鱈目な街 

それでも街の夜景は綺麗に見えた

屈曲していない純粋な微熱を帯びる


イエスかノー 
其処には一切の保留条項は無い

窓から海が見えた 

白い海と黒い海 波は無い

僕は轍を見つけては其れを辿る

強固な世界観を有した
偽装社会の中で

夕暮れの空を背景に観覧車が廻る

霞む茫漠とした祈りに似た願い


愛想の無い巨大なオブジェが嘲笑う

右目と左目で色の違う猫 

オッドアイ

その瞳は違う世界を見ている

空と稜線が触れ合う山際が風を語る 

突き抜けた青空に似た
輝きを思わせる鮮やかな青い星


感情の無い目が僕を見つめている

頭を抱えて地下鉄に乗り込む

無性に煙草が吸いたくなった

僕はポケットの中の
マルボロに触れた


鮮やかで暴力的な

独自の輝きが全てを覆う

観覧車は廻り続けている

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