ウォッカ ライム 《詩》
「ウォッカ ライム」
混沌はいつの時代にも存在する
ただ
その形が変わって行くだけだ
僕はどんなに仲の良い友達が
死んだ時よりも寂しい気持ちで
高層ビル群を眺めていた
集団墓地の墓石の様に見えた
スピードの出る車で走り抜けた
此処より
他の場所へ行きたかったから
だけど僕は行き場所を知らない
無数のウォッカ ライムの空瓶
その中をつまずかない様に歩いた
空は相変わらず曇っていて
水銀灯の白い光に似た
稲妻が僕を撃ち抜く時を待っていた
僅かな湿り気を残して空が揺れた
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