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anarchism - 深い傷- 《小説》

「anarchism」 -深い傷-

気怠い午後の太陽 

射し込む日差し 

小さな埃が舞うのを見ていた


薄紅色の
ペディキュアは気分じゃないの

ライムグリーンの色を選んだ


あの人の嫌いな色 
きっと嫌がるはず

もう関係ないから


ひとり小さく呟いた 

玲子は大学に行っていた 

今は休学届けを出している


別に彼氏と別れたからじゃない 

何の為に 
その理由がわからなかったから

玲子は中学生の頃 

仲良くなった男友達に

レイプされた過去を持っていた


誰にも言えない話せない

そんな深い傷だった 

その傷を隠す為に上塗りを重ねた


俗に言う援助交際

そんな事を繰り返して
過去の出来事を誤魔化し続けていた


あれから随分時も経ち 
大学に入り

玲子の事を本気で
愛してくれる人と出逢い

付き合っていた 

幸せを感じていた


好きな人に抱かれる事が 
こんなに幸せなんだと

しかし 
それも長くは続かなかた

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