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アンソロジー

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恋しい日々

恋しい日々

カネコアヤノさんの「恋しい日々」という曲が青葉ちゃんぽいよと、大学生のときの友人が教えてくれた。

すぐさま聴いてみたら、私っぽいと言ってくれたことにときめくようなすてきな雰囲気の楽曲だった。彼女がその曲を私に教えてくれたのもうれしかったから、それからよく聴いている。

この曲のタイトルもすごくすきだ。恋しい日々。もう返ってこない日々にまみれて生きている私は、現在進行形の今日も、いつかは懐かしく思

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さよならではなく、またねと笑って

さよならではなく、またねと笑って

もらった一万語はすべて「さよなら」に使い果たしたい、悪く思わないでくれ、という内容の詩を見かけたことがある。うろ覚えだから間違っているかもしれない。けれどたしか、寺山修司さんの詩だったと思う。

なんでこの詩を思い出したのか。たぶん、大学を卒業してしまったからだろう。

「さよなら」を言うためだけに一万もの言葉を用いたら、それは一体どれほど豊かな別れの言葉になるだろう、とふと思ったのだ。果たして私

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いつかこの日々が

いつかこの日々が

こんばんは。
あけましておめでとうございます。

とても久しぶりにここにきました。気がつけばもう2月だ。かなり長い間、私はnoteを書いていなかったらしい。

本日はまず、ご報告からなのですが、先日無事に卒論を提出しました。

締切は1月22日(月)の午後5時でした。卒論内容についての発表はありません。2月5日(月)~8日(木)にかけては口頭試問がありました。これは先生方に、卒論の内容について質問

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お砂糖とミルクを混ぜて

お砂糖とミルクを混ぜて

金木犀の香りがふんわりと風にのって鼻をくすぐる、わずかな季節も過ぎ去って、ここ最近は朝夕の寒暖差が大きく、不安定な大気はしょっちゅうざあざあ降りの雨を私たちの上に落としていく。冬が近いのだ。

とはいえ昼間の白い月とか、水分量が多く、陰影のついている豊かな雲だとか、外を歩いていて日陰から日向に出たときに肌をほんのりあたためてくれる太陽の光だとか、そういうのをわりと楽しめているような気がする。

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本とコーヒーのにおい

本とコーヒーのにおい

大学生活がようやく身体になじんできて、ここ最近、学校へ通うのが楽しみで仕方がない。

特に研究室へと足を運ぶことは、私をうきうきした気持ちにさせる。

去年まではコロナ禍で研究室活動がさほど活発ではなかったし、卒論の作業をしている上級生に遠慮して、うまく研究室をつかえなかったからかもしれない。

春になってからというもの、私は実にのびのびと研究室を使っている。いつ行っても必ず知っている顔がいるとい

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お月さまを追いかけて

お月さまを追いかけて

秋のゆうぐれの空ってなんであんなにきれいなんだろう、といつも思う。

秋のゆうやけはまるで燃えているみたいだ。
濃い群青色の空、蜜柑色のレースで織られたように繊細なゆうやけ雲。

あとお月さまもきれい。昼間の月も、夜の月も好き。

ゆうやけの色に染まる少し前の、まだ透明な水色の空に、ほっそりした三日月が浮かんでいるのも好き。繊細でもろくて、飴細工みたいでもあるし、ブレスレットのチャームみたいでもあ

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