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死にぞこないの趣味の世界

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子供、老人、そしてマクドナルド

子供、老人、そしてマクドナルド

小学生の頃、生まれて初めてビッグマックを食べたとき、こんなに美味しいものが世界にあるなんて!と感動しました。
でもあれから幾星霜。
いまではアレを頂くと胃がきりきり痛みます。でもコンビニの揚げ物を頂いても同じ症状が出ます。マクドナルドだけが悪いのではありません。

ちなみに僕は、政治的には、フランスのジョゼ・ボヴェ(1999年、マクドナルドを多国籍企業による文化破壊の象徴とみなして攻撃した)にむし

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CMと消費行動

CMと消費行動

CMは消費に直結するのだろうか。
僕の場合、CMに影響されて何かを購入したことはまれだ。
しかしその経験がゼロというわけではない。
例えば忘れられないのがこのCM。

これに影響されて、買ってしまった。
シャネルのアフターシェーブローション「エゴイスト」。
若かったなあ。
若いときはどれだけ多くの女性から罵られても、「関係ないね」とふてぶてしく言えたのでした。
なつかしい。

とはいえ、さすがに老

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好きなCM音楽

好きなCM音楽

たくさんあるのだけれども、「若いひとに伝えたい」という判断基準で選べば、次のものでしょうか。

女性を主人公にした編曲バージョンもあります。

"Try to remember"の懐かしい曲のおかげで、いまの若者だけではなく、むかし若かったひとにも、受け入れられるCMに仕上がっていますよね。

コーヒーを飲みながら、「自分は違いがわかる男なんだあ」とふんぞりかえるのではなく。
若かりし頃の、甘くほ

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電子媒体は紙媒体を凌駕するか

電子媒体は紙媒体を凌駕するか

ときどき本が見あたらなくなります。
アレ、どこ、いっちゃったんだろう。
書架を探すときの決め手は、本の形態です。
とりわけ色と大きさ。
タブレットでは不可能なワザですよね。

タブレットで不可能なことは、あんがい多いのです。
例えば押し花を作ることはできません。

でも時流はタブレットなのでしょう。
新聞も漫画も、紙媒体ではなくてタブレットで読むんだとか。
たしかにnoteを、僕は電子媒体で読んで

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みんな元気な自動車のCM

みんな元気な自動車のCM

CMのなかで、自動車はいつも元気と楽観主義の表象みたいです。
「自動車を使って遺体を山中へ」みたいなCMは、ありません。
以下、自動車CMの楽観主義の事例を三つ、ご紹介しましょう。

①例えば、次の環境保護団体の女性。元気です。

②次の方々も、元気です。

③だって自動車に乗れば、若返るんですもの。

ナレーションによれば、
「なにごとも、続くこと以上の価値はありませんから。Fiat500xは1

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次から次へと大冒険のCM

次から次へと大冒険のCM

ゴールデンウィーク、僕はテレビ漬けの毎日です。
映画か海外テレビドラマを、ケーブルテレビかアマゾンプライムで観ています。

ちなみにフランスにもケーブルテレビは在ります。
カナル・プリュスが老舗です。
今回はそんなカナル・プリュスのCMをご紹介したいと思います。

①大冒険最後のシーンのセリフ
若い男「それから配送用のトラックに積まれ、私はここにいるのです。」
スーツ姿の男「信じられない。なあおま

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スマートか、シンプルか -ノルウェーのCM

スマートか、シンプルか -ノルウェーのCM

今回、ご紹介するのはノルウェーのディスカウントショップのCMです。
従って、舞台はノルウェー。
主人公は「意識高い系」の男です。
スマートなマシーンとは英語で話しますが、隣人とはシンプルにノルウェー語で話します。

このCM、日本の中学校1年生の英語の教材として、使えないかなあ。

こどもには分からないCM

こどもには分からないCM

明日は、こどもの日。
でもこどもの日、敬老の日、体育の日、文化の日と、まるでソ連かよと思うのは、僕だけかな。聖徳太子の日とか、戊辰戦争終戦記念日とか作ったら面白いのに。

さて周知のごとく、育児はたいへんです。
楽しいことばかりではありません。
物質的苦労も精神的苦労も、なみのものではありません。
今回は子育てにちなんだCMを二本、ご紹介しましょう。

例えば次のCMでは、なによりもお父さんが頑張

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映画みたいに綺麗なCM

映画みたいに綺麗なCM

今回は「笑い」からは少し離れて、フランスの美しいCMを二本、御紹介しましょう。

結局、美しさには贅沢が不可欠なのでしょうか。
CMのような、経済的効率性が不確かなものに、惜しみなくお金と時間とアイディアを与える、だから美しいものができあがる-。
やっぱり、美と富と知は関係があるのかな。
考えてみれば、文学芸術も教育も、経済効率との因果関係は必ずしも明瞭ではありません。たくさんの労働の結果、たいし

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笑う馬のCM

笑う馬のCM

なぞなぞ。
馬がバカ笑いをしています。
な~ぜだ。

チョコレート菓子は誰のもの?

チョコレート菓子は誰のもの?

日本では、チョコレート菓子は子供の食べ物とされています。
でもヨーロッパでは、性別年齢に関係なく、ちょっとした休憩のために食べるみたいです。

そりゃあ「自分を信じて」とか、説教臭いプレッシャーと一緒にチョコレート菓子を差し出されてもさ、オコチャマはともかく、オッサンには共感できないわなあ。
少子高齢化を乗り切りたければ、子供相手だけじゃあ、まずいんじゃない?

ヨーロッパでのCMです。三編つづけ

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ドイツ的ユーモア

ドイツ的ユーモア

たとえ今日、僕が交通事故で死ぬとしても、このCMだけは誰かに紹介してから死にたい。そう思ってnoteで紹介する次第です。
「西願、好きそう」とつぶやいてもらえれば、それで幸せ。

じゅうぶんに楽しむために知っておくべきことは、次の2点。
①このCMの最後の字幕のセリフは「危険は起きる前に、探知すること」。
②このCMはベンツ社が公認したものでなく、学校(CM制作を勉強する学校)の課題で作られたもの

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コントレックスの、おもしろいCM

コントレックスの、おもしろいCM

1960年代から
フランスのミネラル・ウォーター、コントレックスのCMはすごい。
1960年代から21世紀まで、かわることなく、BGMがフランソワーズ・アルディの「さよならを教えて」なのだ。

おそらく歌詞で、繰り返される「エックス」という音。
それが「コントレックス」と合ったからだろう。

当初はアルディの次のような「語り」が入っていた。
Quand je bois Contrex je me

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セルジュ・ゲンズブールが好き!

セルジュ・ゲンズブールが好き!



セルジュ・ゲンズブール(1928-1991年)が好きなひとは、とりわけ生真面目で頭のかたい〈優等生〉が支配する21世紀の社会においては、貴重だと思う。なぜなら適宜にゆるく、適宜に軽く、清濁あわせ飲んだ、包容力ゆたかな人だろうから。

以下、彼の独白を創作してみた。

コンプレックス俺、ユダヤ系じゃん。
それに、ブサイクだ。それくらい自分でわかる。
子供の頃、絵描きの父に憧れた。
俺も絵を描いた

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