西願広望

パリ第1大学歴史学博士。 若い方々、また一般の方々との関係を大事にしたくて、パブリック…

西願広望

パリ第1大学歴史学博士。 若い方々、また一般の方々との関係を大事にしたくて、パブリック・ヒストリーを実践しようと、noteを始めました。どうぞよろしく。

マガジン

記事一覧

固定された記事

何故かくも自分の命にしがみつくのか

聖書では「友のために自分の命を捨てること、これ以上に大きな愛はない」(ヨハネによる福音書第15章)と、自己犠牲の大切さを唱えている。 そもそも古代ギリシア以来、西…

西願広望
7か月前
36

さいきん、よく眠れていない。
悪夢のせいだ。
内容はまったく覚えていない。
ただ恐怖感だけが残る。


写真は、きのう作った趣味の料理。
子カブをオリーブオイルでソテーして、天然塩をかけていただいた。
噛むと、瑞々しいカブのジュースがとびだしてきて、美味であった。

西願広望
3日前
12

子供、老人、そしてマクドナルド

小学生の頃、生まれて初めてビッグマックを食べたとき、こんなに美味しいものが世界にあるなんて!と感動しました。 でもあれから幾星霜。 いまではアレを頂くと胃がきりき…

西願広望
3日前
17

CMと消費行動

CMは消費に直結するのだろうか。 僕の場合、CMに影響されて何かを購入したことはまれだ。 しかしその経験がゼロというわけではない。 例えば忘れられないのがこのCM。 こ…

西願広望
3日前
13

好きなCM音楽

たくさんあるのだけれども、「若いひとに伝えたい」という判断基準で選べば、次のものでしょうか。 女性を主人公にした編曲バージョンもあります。 "Try to remember"の…

西願広望
4日前
11

むかし学生から「西願先生は生涯、反抗期だね」と言われた。
おもわず苦笑。
「生涯、現役」も辛かろうが、「生涯、反抗期」も泣けてくる。
べつに反抗したいわけではないのだが。

ミニ新たまねぎ、うまし。
赤からし菜、口の中でとけて消えた。
鶏胸肉の唐揚げは一晩タレに漬けたスグレモノ。

西願広望
4日前
8

最近、落ち込んでいる。
明るい愛されびとを、ねたましく思う。
なんて僕らしくない感情だ。

週末、どうしよう。恋を探すか、映画を観るか。
いや、料理をしよう。
明日は新鮮な野菜が、小田原の教え子から届く。

西願広望
5日前
10

僕は強い女が好きだ。
でも強い女性政治家の印象は、30代なら「ハツラツでコナマイキ」だが、不思議なことに50を過ぎる頃から「うるさくて失礼なババア」になる。

ところで007は一夜を共にした女を微笑みながら撃った。
女よ、君もスマートにエレガントに微笑を忘れず戦っておくれ。

西願広望
5日前
10

「世界の凡庸さの一端に責任がある女、殆ど世界の凡庸さを象徴するような女だった。(中略)他の人間を幸せにすること、自分を幸せにすること、それはどちらも彼女の力に余ることだった。端的に言って愛する能力がなかったのである。」(ウエルベック『滅ぼす』)

男女問わずいるいる、そうゆう人。

西願広望
10日前
9

誰かが言っていた。
「政治家は一つの政策で複数の人間を満足させるのが仕事だ。
しかしそれは原理的に不可能だ。なぜなら人間はみんな違うのだから。
それゆえ政治家には嘘が必要になる。」

政治家にモラルを求める必要はない。
法律の遵守だけ求めればよい。

政治に疲れたら花を愛でよう。

西願広望
12日前
12

「この年になるとまごころと若さとを一緒にお目にかけようとするのは大へんね。なぜって多少ともいつわらなければ若くは見えず、そのいつわりが肝腎のまごころを差し引いてしまうことになるのだもの。」(三島由紀夫『鹿鳴館』)

西願広望
2週間前
12

ピエール・ロチと森鴎外

〈note的には長めの約5千字〉  日本では『お菊さん』で有名なフランスの作家ピエール・ロチ(1850~1923)については先行研究も多い。あらためて学術論文を書くこともな…

西願広望
2週間前
20

電子媒体は紙媒体を凌駕するか

ときどき本が見あたらなくなります。 アレ、どこ、いっちゃったんだろう。 書架を探すときの決め手は、本の形態です。 とりわけ色と大きさ。 タブレットでは不可能なワザで…

西願広望
2週間前
14

みんな元気な自動車のCM

CMのなかで、自動車はいつも元気と楽観主義の表象みたいです。 「自動車を使って遺体を山中へ」みたいなCMは、ありません。 以下、自動車CMの楽観主義の事例を三つ、ご紹介…

西願広望
2週間前
9

次から次へと大冒険のCM

ゴールデンウィーク、僕はテレビ漬けの毎日です。 映画か海外テレビドラマを、ケーブルテレビかアマゾンプライムで観ています。 ちなみにフランスにもケーブルテレビは在…

西願広望
2週間前
8

スマートか、シンプルか -ノルウェーのCM

今回、ご紹介するのはノルウェーのディスカウントショップのCMです。 従って、舞台はノルウェー。 主人公は「意識高い系」の男です。 スマートなマシーンとは英語で話しま…

西願広望
2週間前
8
何故かくも自分の命にしがみつくのか

何故かくも自分の命にしがみつくのか

聖書では「友のために自分の命を捨てること、これ以上に大きな愛はない」(ヨハネによる福音書第15章)と、自己犠牲の大切さを唱えている。

そもそも古代ギリシア以来、西洋では、自分が所属するポリスのために自分の命を犠牲にすることは、民主政の観点からも重視されてきた。

また昭和の日本では、『ジャングル大帝』、『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』、『風の谷のナウシカ』などが、自己犠牲でフィナーレを飾っ

もっとみる

さいきん、よく眠れていない。
悪夢のせいだ。
内容はまったく覚えていない。
ただ恐怖感だけが残る。


写真は、きのう作った趣味の料理。
子カブをオリーブオイルでソテーして、天然塩をかけていただいた。
噛むと、瑞々しいカブのジュースがとびだしてきて、美味であった。

子供、老人、そしてマクドナルド

子供、老人、そしてマクドナルド

小学生の頃、生まれて初めてビッグマックを食べたとき、こんなに美味しいものが世界にあるなんて!と感動しました。
でもあれから幾星霜。
いまではアレを頂くと胃がきりきり痛みます。でもコンビニの揚げ物を頂いても同じ症状が出ます。マクドナルドだけが悪いのではありません。

ちなみに僕は、政治的には、フランスのジョゼ・ボヴェ(1999年、マクドナルドを多国籍企業による文化破壊の象徴とみなして攻撃した)にむし

もっとみる
CMと消費行動

CMと消費行動

CMは消費に直結するのだろうか。
僕の場合、CMに影響されて何かを購入したことはまれだ。
しかしその経験がゼロというわけではない。
例えば忘れられないのがこのCM。

これに影響されて、買ってしまった。
シャネルのアフターシェーブローション「エゴイスト」。
若かったなあ。
若いときはどれだけ多くの女性から罵られても、「関係ないね」とふてぶてしく言えたのでした。
なつかしい。

とはいえ、さすがに老

もっとみる
好きなCM音楽

好きなCM音楽

たくさんあるのだけれども、「若いひとに伝えたい」という判断基準で選べば、次のものでしょうか。

女性を主人公にした編曲バージョンもあります。

"Try to remember"の懐かしい曲のおかげで、いまの若者だけではなく、むかし若かったひとにも、受け入れられるCMに仕上がっていますよね。

コーヒーを飲みながら、「自分は違いがわかる男なんだあ」とふんぞりかえるのではなく。
若かりし頃の、甘くほ

もっとみる

むかし学生から「西願先生は生涯、反抗期だね」と言われた。
おもわず苦笑。
「生涯、現役」も辛かろうが、「生涯、反抗期」も泣けてくる。
べつに反抗したいわけではないのだが。

ミニ新たまねぎ、うまし。
赤からし菜、口の中でとけて消えた。
鶏胸肉の唐揚げは一晩タレに漬けたスグレモノ。

最近、落ち込んでいる。
明るい愛されびとを、ねたましく思う。
なんて僕らしくない感情だ。

週末、どうしよう。恋を探すか、映画を観るか。
いや、料理をしよう。
明日は新鮮な野菜が、小田原の教え子から届く。

僕は強い女が好きだ。
でも強い女性政治家の印象は、30代なら「ハツラツでコナマイキ」だが、不思議なことに50を過ぎる頃から「うるさくて失礼なババア」になる。

ところで007は一夜を共にした女を微笑みながら撃った。
女よ、君もスマートにエレガントに微笑を忘れず戦っておくれ。

「世界の凡庸さの一端に責任がある女、殆ど世界の凡庸さを象徴するような女だった。(中略)他の人間を幸せにすること、自分を幸せにすること、それはどちらも彼女の力に余ることだった。端的に言って愛する能力がなかったのである。」(ウエルベック『滅ぼす』)

男女問わずいるいる、そうゆう人。

誰かが言っていた。
「政治家は一つの政策で複数の人間を満足させるのが仕事だ。
しかしそれは原理的に不可能だ。なぜなら人間はみんな違うのだから。
それゆえ政治家には嘘が必要になる。」

政治家にモラルを求める必要はない。
法律の遵守だけ求めればよい。

政治に疲れたら花を愛でよう。

「この年になるとまごころと若さとを一緒にお目にかけようとするのは大へんね。なぜって多少ともいつわらなければ若くは見えず、そのいつわりが肝腎のまごころを差し引いてしまうことになるのだもの。」(三島由紀夫『鹿鳴館』)

ピエール・ロチと森鴎外

ピエール・ロチと森鴎外

〈note的には長めの約5千字〉

 日本では『お菊さん』で有名なフランスの作家ピエール・ロチ(1850~1923)については先行研究も多い。あらためて学術論文を書くこともない。ただ若干の感想をノートしておく。

 誤解されたくないのではじめに述べておくが、本稿の目的は、ロチが植民地問題について「良識派」だったと主張することで、彼の植民地責任を減免することではない。そうではなく、ロチが森鴎外の同時

もっとみる
電子媒体は紙媒体を凌駕するか

電子媒体は紙媒体を凌駕するか

ときどき本が見あたらなくなります。
アレ、どこ、いっちゃったんだろう。
書架を探すときの決め手は、本の形態です。
とりわけ色と大きさ。
タブレットでは不可能なワザですよね。

タブレットで不可能なことは、あんがい多いのです。
例えば押し花を作ることはできません。

でも時流はタブレットなのでしょう。
新聞も漫画も、紙媒体ではなくてタブレットで読むんだとか。
たしかにnoteを、僕は電子媒体で読んで

もっとみる
みんな元気な自動車のCM

みんな元気な自動車のCM

CMのなかで、自動車はいつも元気と楽観主義の表象みたいです。
「自動車を使って遺体を山中へ」みたいなCMは、ありません。
以下、自動車CMの楽観主義の事例を三つ、ご紹介しましょう。

①例えば、次の環境保護団体の女性。元気です。

②次の方々も、元気です。

③だって自動車に乗れば、若返るんですもの。

ナレーションによれば、
「なにごとも、続くこと以上の価値はありませんから。Fiat500xは1

もっとみる
次から次へと大冒険のCM

次から次へと大冒険のCM

ゴールデンウィーク、僕はテレビ漬けの毎日です。
映画か海外テレビドラマを、ケーブルテレビかアマゾンプライムで観ています。

ちなみにフランスにもケーブルテレビは在ります。
カナル・プリュスが老舗です。
今回はそんなカナル・プリュスのCMをご紹介したいと思います。

①大冒険最後のシーンのセリフ
若い男「それから配送用のトラックに積まれ、私はここにいるのです。」
スーツ姿の男「信じられない。なあおま

もっとみる
スマートか、シンプルか -ノルウェーのCM

スマートか、シンプルか -ノルウェーのCM

今回、ご紹介するのはノルウェーのディスカウントショップのCMです。
従って、舞台はノルウェー。
主人公は「意識高い系」の男です。
スマートなマシーンとは英語で話しますが、隣人とはシンプルにノルウェー語で話します。

このCM、日本の中学校1年生の英語の教材として、使えないかなあ。