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テレビで歴史を学ぶ日!(映像の世紀)

テレビって馬鹿にできないコンテンツというのは、こういう番組があるからだと心底思う(あとはスポーツのライブ放送かな)

というか、自分の無知を恥じるぐらい、見終わった後に「そうだったんだ、そういう事だったんだー」と思えた内容だった。

そして、見終えた同時に、日本が産油国じゃなかったことを、心からありがたいと思った。なぜなら、もし日本周辺で石油が見つかっていたとしたら、太平洋戦争後、第二次世界大戦の戦勝国によって、日本は間違いなくバラバラにされていたと、冗談抜きで本当にそう思えたから。

で、何の番組かというと、NHKプラスで、映像の世紀バタフライエフェクト 「砂漠の英雄と百年の悲劇」を見ました。

たった44分の番組ですが、虚像でもなく映像という事実でストーリーが語られており、めちゃくちゃ深い内容でした。




〇アラブ人とユダヤ人は実は仲がよかった


正直一番びっくりしたことは、19世紀頃まで、パレスチナではアラブ人とユダヤ人とが、お互い手を取り合って、仲良くしていた映像を見た時でした。

「え?!そうだったの?昔は仲良かったの?!」というのが、率直な感想。

つい2ヶ月前、イスラエルでハマスによるテロが報じられました時、正直「あーまた起こってしまったんだ」という程度の意識でしたが、自分の中で今では、ちょっと違った見方をしています。

暴力という手段で訴えかけることは間違っていると思うし、これは絶対あってはならないこと。しかし、なぜ彼らが、あんなにもイスラエル(ユダヤ人)を嫌っているのかが、頭で理解できるようになりました。

歴史を少し遡るとパレスチナは、第一世界大戦頃まで多宗教を容認していたオスマン帝国が支配していたエリア。なので、3つの宗教(ユダヤ教、イスラム教、キリスト教)の聖地であるエルサレムは、互いの宗教を認め合いながら、共存を図って暮らしてたんです(イギリスがちゃちゃを入れる前までは)

この番組の中で、1890年代その当時の動画が残されているのが、本当驚きとしか言いようがないですね。リュミエール兄弟というフランスの映画発明者によって撮られたエルサレムでの映像がありました。そこにはアラブ人がユダヤ人の結婚式をお祝いし、互いに祝い合っているシーンが残っており、そんな光景がある事自体、本当にビックリしました。

この動画が加工されていない映像で残されている点がやっぱりポイントなんだと思います。いまや、ディープフェイクで何の動画が真実なのかが、もはや見えなくなってしまっている時代において、この当時の映像は、本当にリアルな光景を表しており、そこに映っている人達から読み取れる内容こそが、まさに真実なんだと思います。

〇戦争の火種は、宗教、天然資源、人種。


列強諸国はいつの時代においても、周りの国を焚きつけて、戦争を起こさせるようにしているんだとつくづく思う。

このパレスチナの問題は、誰がどうみたって、火種を作ったのは、イギリス。たとえイギリスがやらなかったとしても、どこかの強国が同じような事をやっていたんでしょうが。

イギリスは、第一次世界大戦における軍事費の確保(ユダヤ人から)と、パレスチナで発見された石油の調達(アラブ人から)、これらを必要としていたがために、両者に対し、「協力してくれたら、パレスチナにおけるユダヤ人国家建設を容認する」と言い、一方では「アラブ人の独立を認める」とイギリスの勝手な都合で、二枚舌を使ったんですね(正確に言うと三枚舌ですかね、フランスも巻き込んでいるので)

これが、元凶となって、オスマン帝国を崩壊させ、第一次世界大戦以後、パレスチナはイギリスが統治することなり、合わせて彼らの目算通り石油の利権も確保したという話。

それ以降、全ての歯車が狂っていったのが、パレスチナの出来事だと思います。

1930年:パレスチナでユダヤ人の入植を認める
       ↓
1933年:ドイツ・ナチス誕生(ホロコースト=ユダヤ人の迫害・虐殺)
       ↓
1939年:第二次世界大戦勃発(=ユダヤ人への迫害が更に強まる)
       ↓
1945年:第二次世界大戦終了(ユダヤ人死者:600万人)
       ↓
1947年:国連でパレスチナ分割決議採択(シオニズム運動=ユダヤ人国家建設運動の再燃により)
       ↓
1948年:イスラエル建国(ここから第一次中東戦争勃発)

歴史はたらればはなく、何をどう言っても変わることはありません。ただ過去を紐解いていくと、日本という国は、石油等の天然資源もなければ、宗教も一応多様性があってあまり拘りもなく、また人種も複雑ではない国として成り立っていたのが、つくづく幸いだったんだと感じます。

これらがひとつでも強く存在していれば、間違いなく、日本でも国内外の紛争のきっかけにきっとなっていたと思う。

〇テルアビブ空港の連合赤軍の連射事件


イスラエルの空港で、日本人3名(日本赤軍)によって空港で26人が殺害された事件。1972年のことなので、今の若い人は知る由もないですよね。当時私もまだ生まれてはいませんが。

20年前ぐらいに初めてこの話を知った時、「え?!どこの国の話しですか?!」と目を疑った覚えがあります。だって、普通に考えて、日本人が世界のどこかの空港でテロ行為をして、ライフルで民間人を射殺するなんて、自分の頭では到底想像が及ばない世界だったからです。

今回のこの番組の中で、上記テルアビブ空港で、日本赤軍の一人が自爆テロを行ったことをきっかけとして、それまでイスラム教でタブーとされていた自爆行為が、英雄しされるようになったという説明を聞いて、この日本人が起こしたテロ事件が、その後の世界にどれだけ影響を与えてしまったんだと思うと、何とも言えない複雑な気持ちになりました。

ひとつの事件をきっかけとして、今に至るまでどれだけ多くのことに影響を及ぼしてきたのか、本当にまだまだ歴史から学ぶことは沢山あるのだと痛感した一日でした。

このパレスチナの問題に対して、自分にできることは限られているし影響を与えられることも多くはないと思う。それでも、過去に何が起こって、なぜこうなってしまっているのか、その点だけでも、いち人間として理解する努力はしていきたいと思っています。

ではでは、今日も一日頑張っていきましょう!

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