見出し画像

【雑文】忖度の向こう側に行く時。

先日、近所のカフェのテーブル席でお茶しながら仕事していた時のこと。

私以外のお客さんは、カウンターの端に座っていた60歳前後くらいの常連風オジサマが1名だけ。オジサマの席と私の席は店内で一番離れた位置関係だった。で、そのオジサマが店主さんに「和子とかの「和」の読み方って、名前にしか使わないんだって」と言っていて。

数日前にTBSラジオ『安住紳一郎の日曜天国』で聴いた話だったので、「それ私も、ラジオで聴きました!」と言った、というより、ほぼ叫んだ私。

オジサマは「ああ、たぶん僕もラジオ」と思い出したようで。私はすかさず「『安住紳一郎の日曜天国』じゃないですか!? 私、ものすごく好きなんですよ!!」と続けた。

案の定、オジサマは『日天』のリスナーだったようで、「あの番組はコミュニケーションスキルの教材に使えると思う」と言うので私も全力で同意。店主さんにも「お店で聴けばいい」と薦めていたので私も援護射撃をしておいた(聴いてくれたらいいな)。

オジサマは「TVや映画なら同じものが好きだ!という人に会うことはあるけど、まさかラジオの話で、私も!と言われるとは思わなかった」と面白がってていた。

誰かが発言した雑学や蘊蓄が自分の知っていることだった時、「それ私も知ってます」と言うのは、相手を内心、不愉快にさせてしまう可能性があるので、たいがい状況を見て慎重になるもの。ましてやどんな人柄なのかもわからない初対面の相手に言うことは、ほぼない。

以前に初めて入った他のカフェで、店主さんがバンドをやっているというので、「作品作るのって時間かかりますか?」などとお喋りしていた時、店主さんが「でもプロの人は、やっぱりすごいですよ!スガシカオの『夜空の向こう』の制作秘話知ってます!?」と言ってきた時、「もしや、飛行機移動中の短時間で出来ちゃったっていう、割と有名な話じゃないか?」と察しつつも黙って先を聞いていたら、案の定その有名な話だった、という時もあったけど、もちろん初耳のふりをした。

そんな私なのに、この“日天オジサマ”には、なぜその忖度が一切働かず、躊躇0秒で「知ってる!」と声を出したのか。しかも、私に向けて話しかけられたことでさえないのに。

それはただもう、私が『日天』をこよなく愛しているから、以外には理由はない。自宅に居る時は、仕事か読書か電話をしている時以外は、ひたすら『日天』アーカイブを聴いているのだ。この話をしたら、オジサマは「すごいね~」と感心していた。

コロナで仕事が暇になったから年間300本映画を観たのだというそのオジサマから『あした授業参観いくから』という映画をぜひ観るべきとお薦めされ、私がカープファンだという流れから近所に某セリーグチームの選手の親御さんが住んでいるということも教えてもらった。私も『日天傑作選』の「魔性の館内放送」の回は絶対聴くべき、とお薦めしておいた。

つまり、初対面にも関わらず、実に楽しいひとときを過ごせた。

なんだか、「あなたが話題にしているそのことについて私も知っているんです。なんなら私のほうが詳しいかもしれません。なぜなら、私もそれが大好きだからです」っていう時には、「知らないふり」をする忖度は、さほど必要ないのかな、と気づいた時間。だったとさ。

もちろん、「知っているけど、別に自分の好きなことの話題じゃない」という時だったら、初耳扱いでへーへーと聞いておけばよろし。

************
コミュニケーションにおけるちょっとした気づき、のていで、『安住紳一郎の日曜天国』のリスナーを増やしたいがために書いているふしもあります。日本最高峰のトークラジオです。ぜひ聴いてみてください。

ひっさしぶりに書いてみたら、雑文があからさまに下手糞になっていて、いささか愕然としております。。。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?