タロットをでたらめに読んでいる人
タロットの意義
タロットの魅力は、未来を予想することだけではありません。
実際、タロットを長く使用していると、未来を予想することに何の魅力も感じなくなってくるものです。意味がないことです。
なぜか。
未来というものはどんな預言者をもってしても正確に言い当てることはできないからです。
その理由は簡単です。未来というものは「これから」向かっていくものではないからです。未来は現在と同時進行しているからです。同時にあるのです。
つまりは、未来を変えたければ、自分が今いる現状を変えればいい。
もっと言えば、実は現在につながる「過去」を変えればいいのです。過去にした判断を違う観点から見てみる。そうすると現在が変わり、未来も変わる。
このような観点から言うと、
「現状を最高のものにするにはどうすればいいのか」
これに集中すればいいのです。
そうすることで、「最高の未来」が勝手にやってくるのです。
タロットというのは、「過去から現在の状態・人の心理状態を知る」のに最も最適なツールです。これをしっかり把握して、現状を変えることに使用するのです。そうすることで未来を最高のものにする。このような道具として扱えば、占い結果に振り回される必要はないのです。タロットをあなたの味方にすることです。
タロットの意味を正確に把握すること
そこで一番大切なこと。タロットの意味を正確に理解すること。多くの方ができているようでできていません。意味を大きく飛躍したり、「直感」という言葉に逃げたりしている人が多いです。しっかりと使いこなせていないのです。使いこなせなければただの紙切れ。絵カード。
タロットカード一枚一枚には、基本の意味があります。漢字のようなものです。「赤」という漢字を見れば、「あか」と読み(もちろん音読みもありますが)、色味が頭に浮かびますね。それが「赤」の基本です。そこから熟語になったり、文脈によって内容が派生していくことがありますが、基本的には「赤」の意味そのものが変わることはありません。
タロットカードも同様です。基本の意味をしっかりと押さえておく事。何の脈略もなく、意味が勝手についたわけではありません。例えば、一般的に「ライダー版タロット」がよく使用されていますが、著者のアーサー・ウェイトはオカルト研究者であり、イギリスで当時名の知れた、シークレットソサエティー、ゴールデンドーンのメンバーでもあったので、カード一枚一枚の意味を彼の長年の研究と経験をもとにプロフェッショナルな目線で意味づけしていきました。ランダムではないのです。ですから、その意味合いを否定するということは、タロットの全システムを否定することにも繋がりかねません。そうすると、「赤」は「あか」と呼ばなくてもいいよ、「しろ」と読んでもいいんだよ、ということになりかねないのです。ですから、オリジナルの意味というのはある程度尊重しておいた方がいいということです。
その上で、直感を大切にしたり、派生的な意味合いを追加していくことは可能だと思います。
しかし、巷のYouTubeでタロットリーディングをしている人はでたらめなことを言っている人が本当に多いです。ネガティブなことを言って人様を傷つけたくない、収益につながる動画の再生数を増やしたい、・・・・このような意図は理解ができますが、あまりにもひどいリーディングが多い。試しに見ているのですが、使いこなせていない人が9割です。
コインの5(5 of Coins, 5 of Pentacles)はマイナスの意味しかない
コインの5(もしくは、ペンタクルの5)というカードがあります。
このカードには、プラスの意味は、はっきり言ってありません。
プラスの意味は「後から」アドバイスや対策として出すのです。
最初からこのカードの意味にプラスの意味はない、と理解してください。
基本的な意味は「損失」です。このカードの絵からも想像できますね。
裸足の二人(しかも、一人は松葉杖をついて・・・)雪の中を歩いています。ステンドグラスの前を歩いているので、大きな教会がありそこにいけば多分、助けてもらえるのかも知れないですが、気づかないのか、諦めているのか、この二人は、教会に入って助けを求めようとするそぶりは見せていません・・・さぁどうなる!?
こういうカードです。コイン(物質)のカードなので、経済的な損失をしたり、家を失ったり、失業したり、大切な人を失ったり、惨めな感情に浸りきっている状態。
このカードを引いて、よくなりますよ!というふうには言えません。むしろ、このカードを教訓にして、マインドセットを変えていこう。必要な援助があるかどうか見ていこう、という学びに変えていくのが適切な読み方です。
それをこのカードが「結果」の位置に出た時に、
「あぁ。冬の間に全てが実りますね。冬の間に乗り越えたよ、と出てきました。」
と読んでいる人がいました。このカードにそのような意味はありません。実ってもいないし、乗り越えてもいないのです。そこからリーディングをスタートさせると全てが辻褄を合わせるリーディングになっていってしまいます。カードを読まずにカードの周りをなぞっているような読み方です。そのようにいきなり、都合のいいようにカードを解釈してしまうと正確なリーディングはできません。この場合は、「今、何か行き詰まっていませんか?」と、まずはクライアントの方に聞くべきなのです。
しかし、不特定多数の一般の視聴者に向けたYouTube用のリーディングではそのようなクライアントの方に寄り添ったリーディングはできません。いきなり、「お金を無くしますね。」「何かを失いますね」と、言えば、アンチコメントが来たり、見てもらえなくなったり、登録解除にもなりかねない。そういう意味でも咄嗟に希望の持てる読み方をしてしまいがち。人間とは、そういうものなんです。
本当に、人のためを思ったリーディングであればあまりランダムな人宛の公開リーディングをすることはないはず。というか、できません。
本来のカードの意味に忠実に、自分を信じる
カードを使いこなせないのなら使わなくていいのです。タロットカードは人間に必要なものか、というとそうではないのです。でたらめに読むくらいなら別のことをしたほうがいいかも知れません。時間の無駄です。
カードを使うなら、思い切って、カード本来の意味から飛躍しない読み方をすることです。正直にカードと自分に向き合うこと。それがタロットの真髄です。その思い切りのない人にタロットを使用する価値は、はっきり言ってないです。タロットカードを他人に読むには相当な覚悟が必要なのです。その覚悟なく、全てをポジティブに読み、「私はみんなを元気づけたい」という訳のわからないコメントをしている人が目につきます。タロットの目的を理解していない人の無責任な発言です。
ご自分を大切に。ご自分の解釈を信じて、素直に生きていきましょう。
ランダムな視聴者向けの一般公開リーディングに振り回されるのはやめましょう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?