かもめ

自分で読む用に、日記や鑑賞感想文などを書きます。 芸術、夢、お酒の話をよくします。

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最近の記事

「セロ弾き群青」

n-buna 2ndアルバム「月を歩いている」より  春の夜の生温い風を感じたから、そしてちょうど週末にヨルシカLIVE2024「月と猫のダンス」があるから、この曲の話をしようと思う。  ぜひ、聴いてから読んでいただけたら。  チェロの音が優しい。  題名にもあるように、宮沢賢治の「セロ弾きのゴーシュ」からインスパイアを受けた作品である。  ただ、この曲の主人公は、もうセロを弾くことを辞めてしまっているのだった。  捨てないだけだ、というのは、もちろんセロが物干し

    • りんごのサラダ(ぜんぶ夢)

      なんでも、遅刻している最中である。 バイトが始まる時間なのに、まだ家を出る準備が出来ていないことはよくある。こういう時は、気付いたときにすぐ用意に取り掛かるのが最善で、肝心である。 遅刻しているときは忘れ物もするのがセオリーであるから、スケジュール帳を開いて今日の予定を確認する。 今日が何月何日なのかはわからないけど、確認は大事だからね。 今日の日付の欄には、「11:15」という時刻と「りんごサラダ」という文字が書いてあった。 ちなみに昨日のところにも何か予定が書いてあ

      • 名無し:25日目くらいの月

        11月8日 バイト前にタリーズコーヒーでホットドッグを食べていたら、なんだかnoteを書こうという気になった。 たっぷりとピクルスが載り、パンの熱で温まったケチャップとマスタードがとろりとしている。 ウィンナーだけを挟んだシンプルなホットドッグだけれど、これを頼むのがもう4度目になるくらいにはかなり好きになっている。 本当はパスタの気分だったのだが、それほどの時間はなくて軽食を摂ることにしたのだった。 そうしてホットドッグがしっかりと美味しかったので、いまやパスタに未練

        • 8月7日 ティラミスとノート

          今朝は夢を見ていたような気がするのだが、見ていないような気もする。 歯磨き粉を1本使い切って、新しいものを開封してから初めて歯磨きするとき、絶対力加減を間違えて歯磨き粉が多くなりすぎる。 ま、多少ならいいか、と思ってそのまま歯ブラシを口に入れてしまうのだけれど、まあ案の定辛くて後悔することになる。 耐えがたい。 幼馴染と「美味しいティラミスを食べにいこう!」と言い始めておよそ1年が経ち、漸く今日行くことになった。 なぜ1年経ったのか……?  それは難しい問題である。幼稚園

        「セロ弾き群青」

          ある朝の夢うつつ

          朝は6時半に一度目が覚めたけれど、急ぐ用事も無いので二度寝をした。 起きてからリビングに行くと、今日は休みだと言っていたはずの母が出掛けているようである。 どこに出かけたのだろう、と思っていると、ちょうど携帯がメッセージの受信を知らせる。 母は、今日と明日、北海道へ行っているのだった。これから回る予定の場所のことと、写真が送られてきている。 すっかり忘れていた。 今日は雨が降っている。 夕方、小学生を相手に算数を教えるバイトのあと、窓の外の雨を見ているときに気が付

          ある朝の夢うつつ

          月と猫のダンス

          ヨルシカLIVE2023「月と猫のダンス」の感想文です。 今更ではあるけれどアーカイブとして残します。 2023年5月11日木曜日、東京公演1日目。 ヨルシカのライブに来るのはこれで3回目になる。 開演前早速個人的な話だが、早めに会場の国際フォーラムに着いて友人と合流し、軽くご飯でも食べようということになった。 近くのレトロな喫茶店で、ラムレーズンのパンケーキを頂いた。大変においしかった。こう言ってはなんだけど、パンケーキでもホットケーキでも、ふっくらと焼かれた小麦粉

          月と猫のダンス

          8月2日 青あらしの晴れ

          なんでも外は雨が降っているから、今日の走り込みは校舎の中でするのらしい。 湿気で少し濡れた廊下を、みんなが缶ビール片手に走る。 わたしの小学校には校舎が3つあり、そのうちの2つの校舎を行ったり来たり、階段を上ったり下りたりするのが走り込みのコースになる。残りの校舎には職員室や校長室があるから、そこで走ることはできないのだ。 運動は得意ではなく、中でも長距離走は苦しくて好きではないのだが、今日は走っても苦しくない。ビールを飲んでいるからなのだろうか。 最上階の音楽室で折

          8月2日 青あらしの晴れ

          8月1日 君たちはどう生きるか

          まもなく発表会が始まる時間で、もう楽屋から舞台袖に移動しなければならないというのに、わたしは未だ観客席で自分の荷物を抱えながら、自分の台本にピンク色の蛍光マーカーでラインを引いているのだった。 それがどういう演目だったのかは覚えていないが、わたしの役は物語の間ほとんどずっと眠っているという少女であった。 しかし、台詞も少しはあるらしい。序盤に「ええ」と一言の相槌があり、眠りから目覚めた後にまた少し台詞があるのだが、後半の台詞はひとつも見ないままで楽屋へ向かうことになる。

          8月1日 君たちはどう生きるか

          幾春かけて老いゆかん

          怠けた大学生ですので、朝6時に起きることはなかなか無い。 今日はそんな珍しい日だったので、前夜、6時に起きる!と意気込んで眠ったところ、5時に目覚まし時計の幻聴がして目が覚めたのであった。6時に設定していたアラームが鳴るまでもう一度微睡んだ。 怠けた大学生ですので、夏の朝を聴くことも久しぶりである。6時、既に日は高いが、景色は気持ち分だけ白く、蝉の泣き声が響いている。 ラジオ体操に通った朝を思い出した。 まだ涼しい。 頭が働いていないので、母が昨日観に行った映画の感想を話し

          幾春かけて老いゆかん

          初夏、しょかのいちにち

          うぐいすの鳴き声で目が覚めた。人口の渓谷に声がよく響くのを気に入ったのか、このひと月、家の近くでうぐいすが鳴き通している。 一度時計を眺めたあと、起きなければいけない時間まで二度寝した。 今日は久しぶりの晴れで、気温が30℃まで上がるのだという。 本当に鳴いているのはうぐいすなんだろうか? 暑いのは好きでは無いが、わたしの力では暑さをどうしようもできないので、せめて新しく買った半袖のシアーシャツを着ることにしよう。暑ければこの服を着ることが出来る、というふうに考えるのは、

          初夏、しょかのいちにち

          朧月書き散らし

          3/31 母とドライブがてら食パン専門店にお昼ご飯を買いに行ったのだけど、着いてみたらなんと食パン焼き機の故障で食パンを販売していないということだった。しかし営業はしている。 お昼ご飯は別のベーカリーで生ハムとチーズのカスクートを買って食べました。 バイト前に体調が悪くなって困った。お昼の胃もたれなのか、今日から通い始める新しい生徒に関するストレスなのか、原因は謎である。バイトしていたら治りました。もしかしたらめちゃめちゃ責任感を持って仕事をしているのかも

          朧月書き散らし

          月と散文、ペンと韻文

          5/8 5月になり、なんと連休も終わってしまった。 月のはじめに夏蜜柑の白い花が初夏の匂いを醸していたのに、昨日の激しい雨がもうほとんど散らしてしまった。 このくらいの季節がずっと続けば良いけれど、なんでもそういうわけにはいかない。 今日は涼しくていい。ブラウスに厚手のカーディガンを羽織っても暑くないほどである。 しばらく日記を書いていないが、それは何かを書き留めておくほどに思考をしていないということだと思う。何も考えていない。 卒論

          月と散文、ペンと韻文

          春風の強く霞む

          4/12 今日はバイト先の雇い主と2人でお出かけです! とあるお蕎麦屋さんでお昼を食べたのち、野田の茂木本家美術館へ行くという計画を立てていただきました。 おそらく、受験を乗り越えた慰労会の意味も含まれているのでしょう。有難いことです。このバイト先がなかったら一体私は何をしていたのか、皆目見当もつきません。 お蕎麦屋さんが素敵なお店だということを前もってボスから伺っていましたが、予想以上にこだわりと趣のある装いでした。 まずお庭には、薄紅色のさつきが満開になって零れている

          春風の強く霞む

          東海道中膝栗毛―京都ひとり旅2日目

          前日のぶん 目が覚めたときに部屋が暗かったので、早起きしてしまったかと時計を見たら意外にも8時である。暗いのは遮光カーテンの遮光力が高かったからで、今日も天気は良いみたいだ。 旅行先では寝付けないという体質があったはずが、年々ぐっすりと眠れるようになってきた気がする。眠れないのも旅行の醍醐味のひとつだというのに、ばっちり10時間睡眠であまりにも健康! 起き上がって服を着替えて、昨日進々堂で買った「しば漬けカレーパン」をソファで食べる。レンジで温められたらと思ったが、冷め

          東海道中膝栗毛―京都ひとり旅2日目

          思うままに巡る京都ひとり旅1日目

          東京駅10時9分発のぞみ、京都旅行の始まりとしては幾分かゆっくりである。 構内の売店でまい泉のメンチカツサンドとハイボールを買って、ひとり新幹線に乗り込んだ。 京都にはずっと行きたいと考えていた。 日本美術や仏教美術や信仰のことを学ぶ中で、京都というのは何度も登場する。 きっと今京都へ行けば、中学3年生のときの修学旅行とは全く違う角度から街を見ることが出来るのだろうと思う。中学生の頃とは違う物差しを身につけていたいという希望的観測もあるが。 ひとり旅をしてみたいと思ってい

          思うままに巡る京都ひとり旅1日目

          夢想

          こんな夢を見た。 なんでも、冬の山の窪地のようなところにいる。 冬だとわかるのは、足元に積もる落ち葉が乾燥しきってからりからりと音を立てているからである。雪は無いから、足を踏みしめるたびに落ち葉がからりと音を立てる。 ここは擂鉢の底みたいに、急坂によってまわりを取り囲まれている。葉のない木々の隙間から灰色の空がよく見えた。雲はじっとりと水分を含んでいて、心細い。 わたしはここに来る前に、ずっと走っていたのだった。一体どの道を通って来たのかは定かでないが、落ち葉を踏む感触と、