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本当に悪なのか、委ねずに判断したい。それが難しいのだけど。

「お前がやっていることは間違っている」
「お前は犯罪者だ」
とまで糾弾されて、自分を強く保てる人はどれだけいるだろう。

2023年のノーベル平和賞に選ばれたナルゲス・モハンマディさんは、まさにそれを体現する人だ。
有罪判決を受けた人すべてが悪人とは決して言えないことを、強く認識させられる。

差別と抑圧に苦しむ人々のため闘い続けている彼女は、なんて強く、かっこいい女性なんだろうと思う。

イランでは去年、宗教的に重要な意味がある布を正しく着用していなかったという理由で、女性が一人殺された。

今も獄中で生活するモハンマディさんは、今回の受賞報告を受けて、
「私は努力を決してやめない。女性が解放されるまで、容赦のない差別や圧政、性差に基づく抑圧に対する闘いを続ける(一部抜粋)」と語ったそうだ。

勧善懲悪の概念は、実はすごく脆い。
だけど人は、生まれ落ちた環境に適合するようにできているし、どうしても思考は狭く偏っていくのだと思う。
だからこそ、悪とされている人は本当に悪なのか、善と信じていることは本当に悪なのか、自分の頭で考え続けたい。

彼女の思想とノーベル賞委員会の決断を、私は正しいと思っている。