《25》美容業界の事例(trip hair salon HINATA)~経験を福祉分野にも~
業界別のSDGs事例紹介。
今回ご紹介するのは美容業界。
神奈川県相模原市の「triphair salon HINATA」という訪問美容のお店です。
「安全に安心して利用してもらい、見た目はもちろん心も明るくなるサービス」をコンセプトとして、
暖かな太陽の光が地球を包み込むように、サービスを受けたお客さんやその家族の心が温かくなることを目指して事業をされています。
代表の唐沢あみさんは、以前に勤めていた美容室で、介護状態となり自分で来店できなくなってしまったお客さんからの
「家に来て髪を切ってくれないか」という要望に応え、店長の手伝いで家に訪問したのが最初の訪問美容との出会いだったようです。
その後、ご自身の子育て休暇中に、外出が困難であり施設に入所した祖母の髪を両親に頼まれて切った際、
祖母の笑顔が増えて心も元気になり、介護で疲れていた両親も笑顔になり、両者からとても喜んでもらえた経験をされました。
そこで、これまでの自らの経験や知識を様々な理由で美容院に行けない方やその家族のために使い、
多くの方を笑顔にしたいという気持ちを再確認し、訪問美容室をオープンされました。
唐沢さんの強みは、福祉理美容士(訪問美容専門の資格)の認定資格や介護職員初任者研修を保有されていること。
訪問美容は美容師免許以外の資格がなくてもサービスの提供はできますが、お客さんやその家族の不安な部分を極力なくし、
安全に安心して利用してもらいたいという思いから資格を保有され、ベッドカットや車いすカットにも生かしておられます。
こういった取り組みが評価されてメディアに取り上げられ、2020年11月には「さがみはらSDGsパートナー」(※)にも認定。
ゴール3「すべての人に健康と福祉を」に貢献されています。
さらに、訪問美容は店舗勤務のように時間に縛られない働き方をすることが可能なため、
今後はゴール5「ジェンダー平等を実現しよう」、ゴール8「働きがいも経済成長も」をさらに推進できるよう、
子育てをしている女性が働きやすい職場を提供することを目指しておられます。
同店のようにブレないコンセプトを持ち、地域に密着してリピーターを大切にしながら少しずつ事業を大きくしていくお店は、
これからも地域に愛されて残り続けていくものと考えます。
(※注釈)さがみはらSDGsパートナー・・・相模原市とともに、SDGsの達成に向けた取り組みや地域課題の解決、SDGsの普及啓発に取り組む企業・団体等をパートナーとして登録する制度。2022年4月現在、約600件の登録がある。
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