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紙の心臓①

「良美、俺がわかるか?」

「あなたは…だれ?」

初めて見る人。何故だろう、泣いている。


紙の心臓

「博士、夕食の時間です。」

「もうそんな時間か、今日のメニューはなんだい?」

「よく、わかりません」

「わからないなんてこと………あったわ…」


俺は香川ケースケ

こっちは良美、俺らは少し違った関係にある。アンドロイドでできた妻とそれを作り出した夫だとゆうことだ。

なんでそうなったかとゆうと………まぁ色々あったんだ。


「良美、病院行ってくるからな留守番たのんだぞ」

「わかりました。行ってらっしゃいませ」


病院
「ただいま、良美。痛いところはないか?」

俺の問いかけには答えず、眠り続けているのは本当の良美。

それもまぁややこしいから後で

「ただいま〜ってなんちゅーカッコで寝てるんだよ!!」

アンドロイドの良美には充電機能がある。
充電切れになるとどこでもぶっ倒れる。

コンセント1つで3時間ほど充電。電気代が馬鹿にならない。

俺はとゆうと今日も何かしらの研究をしている。

「はかせ……わたし…」

「体疲れただろ?ゆっくりおやすみ」

「はい、おやすみなさい」

心のこもらない返事。これは俺のミスだったのだろうか、いや、良美がそう願ったのかもしれない。本当の良美は感情豊かな娘だった。故に情緒も不安定だった。


「わたし…心なんかいらない…つらいの」


「良美!?良美ーーーーー!!!!!!」


こんなに近くにいたのに良美の心の闇に気づいてやれなかった。良美は身を投げたんだ。

運良く助かったものの今日も彼女は眠り続ける。 

「はかせ、朝ですよ」

「んんー…こんなとこで寝てたか…」

「これ、スープです。少しでも温まればいいのですが」

「あ…うわ…これもやばいな…」

「おくちにあいませんか?」

「あはは…大丈夫、飲むよ」

ありとあらゆるレシピをインプットさせたはずなのにおかしいな…

あぁ、良美の料理が懐かしいや…


わたしにはわからないことが沢山ある。わたしってなんなのだろう。博士は深く考えるなと言ってくるけど…

博士はわたしを一番に愛している。
はずなのに定期的に誰かに会いに行く。


愛すって一体どうゆう意味なんだろう…

つづく







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