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魚類の祖先の起源と進化の謎が解明



魚の祖先はどこから来たのか? 進化の謎が明らかに

魚は私たち人間の食卓に欠かせない存在ですが、その起源と進化の歴史についてはまだ分かっていないことが多くあります。しかし、このたびフランスの研究チームが画期的な発見をし、魚の進化の謎の一部が解明されました。

これまで科学者の間では、現在の魚の大部分を占める「真骨魚類」の中で、「アロワナ」と「ウナギ類」のどちらがより古いグループなのかで意見が分かれていました。アロワナは、観賞魚としても人気の高い魚で、ウナギ類には、ウナギやアナゴ、モレイウナギなどが含まれます。

ところが今回、研究チームが最新の遺伝子解析技術を駆使して調べたところ、驚くべき事実が明らかになりました。アロワナとウナギ類は、実は進化的に見ると同じグループだったのです! 研究チームはこの新しいグループを「エロポステオグロソケファラ」と名付けました。

この発見は、50年以上も続いていたアロワナとウナギ類の進化的な位置づけに関する論争に終止符を打つものです。また、魚類の進化の歴史や、生物の進化のプロセスについての理解を大きく前進させるものでもあります。

魚は4億年以上前に誕生し、長い年月をかけて進化してきました。今回の発見は、その進化の道筋の一部を明らかにしてくれましたが、まだまだ解明されていない謎も数多く残されています。

魚の多様性と水温の関係に新発見

イェール大学の研究者たちが、魚の種類の多さと水温の関係について新しい発見をしました。その研究結果が、2月11日に科学雑誌「Nature Communications」に発表されました。

研究チームは、4,067種の魚のデータを調べたところ、北や南の寒い海にすむ魚は、浅い海と深い海を行き来することで、新しい種を生み出しやすいことがわかりました。一方、暖かい熱帯の海にすむ魚は、種類は多いものの、新しい種ができるスピードは比較的遅いことが明らかになりました。

研究者たちは、寒い海では水温の変化が小さいため、魚が深い海まで移動しやすいのに対し、熱帯の海では水温が急に変わるため、深い海への移動が難しいと考えています。しかし、地球温暖化で海の水温が上がると、寒い海の魚も深い海へ移動しにくくなるかもしれません。

研究チームのサラ・T・フリードマンさんは、「気候変動で海水温が上がると、寒い海の魚の進化が妨げられる可能性があります」と話しています。また、マーサ・ムニョスさんは、「海水温が上がると、魚が深さ方向に移動するのが難しくなるかもしれません。長い目で見ると、生物多様性を生み出す仕組みが遅くなると思われます」と指摘しています。

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