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人生をかけてエネルギー問題解決に貢献する #3 – シュナイダーエレクトリックの組織とカルチャー

シュナイダーエレクトリックで活躍する社員を取り上げ、その人の働く価値観・キャリア、そして人を通じてシュナイダーの事業・カルチャーに迫る本シリーズ。今回は、サービス事業部 営業・マーケティング部長の榎本武史さんにお話を伺いました。外資系企業ってどんな感じ?日本法人ってどんな風にグローバルと関わるの?興味ある方是非ご覧ください!



自己紹介

新卒で日系電機メーカーに入社。エンジニアとして電池開発に携わった後、MBA取得のため渡仏。帰国後、同社においてM&Aに携わる。2023年1月にシュナイダーエレクトリックに入社し、現在、サービス事業部のマーケティング部門と営業部門を統括。


前回までのお話

#1 -  電池開発エンジニアからのキャリアチェンジ
#2 - シュナイダーエレクトリックの変革 - リカーリングモデルとサービス事業部

シュナイダーのアジャイルな働き方を実現する組織構造

シュナイダーという組織の特徴をどのように捉えていますか?
シュナイダーは、組織をまたいで複雑なレポートラインを持ち、大企業でありながらアジャイルを保っている会社だと思います。様々な製品ポートフォリオがあり、それを反映した組織構成、そこで働く世界14万人近くの従業員がいますが、ここまで大きいのに、各組織がサイロ化することを防ぎ、日々変化する環境に合わせて、柔軟に優先順位を設定し、物事を推進できる組織になっていると感じますね。
国を超えた縦・横・斜めの複雑なレポートラインが存在し、関連部門が有機的に混じり合っています。グローバルチームを巻き込みながら変化を推進することが求められ、世界中に散る各機能との連携、さらに国内の他事業部とアラインしながらも、意思決定は明確に各部門の責任者に委ねられているため、スピード感良く事業が回っていきます。そういう意味で、ダイナミックさを楽しめる反面、もちろん大変と言えば大変です。

シュナイダーの「アジャイルさ・複雑さ」について、組織構造の観点で詳しく教えてください。

日本の製造業において、事業部制をとっている企業は少なくないと思います。その場合、持ち株会社、もしくは本社部門の傘下に、複数の事業部が連なっているという組織図であり、その各事業部ごとに開発・製造・販売の機能を持ち、事業部単位で事業を展開しています。

一方シュナイダーは、グローバルCEO直下からすでに、開発・製造・販売などの部門が分かれています。これは私も入社して非常に興味深く思った点です。シュナイダーでは製品開発を担う組織を「 Business」、販売を「Operation」、と呼んでいます。Operationは世界を5つのゾーン(France、Europe, North America, China & East Asia, International)に分け、各地域の事業を統括しています。私が所属する日本の組織はここでいうOperationの中の、China & EA Zoneに属します。

過去の様々な買収経緯もあることから、Businessは世界中あちこちに分散し、各拠点で開発が行われています。私たちOperation部隊が取り扱う製品・サービスの社内問い合わせ先はBusinessで、日々の業務においてBusinessとの会話も数多く発生しますが、正直なところ、対話している相手がどこの国で働いているかさえも分かっていない場合も多いです。
このように、縦と横に複雑に入り混じったグローバルなマトリックス組織構造の中で、シュナイダーが掲げるパーパスを軸に、世界中の従業員がダイナミックに「アジャイル」に働いていることを日々実感しています。

日本法人の位置付けとローカルへの権限移譲


榎本さんが所属するシュナイダージャパンのサービス事業部は、シュナイダーグローバルで見た時にどのような位置づけになるのでしょうか?

先述の通り、大きい括りでいうと私は「Operation」のChina & East Asia Zoneに属しています。Global → China & EA Zone → Japanと、上位方針がカントリーである日本に落ちてくる、という構図です。日本国内は、私が所属するサービス事業部の他にも、インダストリアルオートメーション事業部、セキュアパワー事業部など対象セグメントを絞った事業部門が複数存在し、日本としてシュナイダーグローバルのポートフォリオを取り揃えています。その中でサービス事業部は、他の事業部門を横断する事業部の位置づけとなっていて、 ある特定事業部のお客様やパートナー様に対して、他事業部門のサービスを提供することで、日本国内のシナジーを最大化させるミッションを持っています。

シュナイダーはいわゆる外資系企業ですが、ローカルへの権限移譲についてどのように感じますか?

事業展開においては、ローカルのカントリープレジデントや各事業部のトップに権限移譲がされていると実感します。私自身のレポートラインは日本のサービス事業部長ですが、その事業部長は、日本のカントリープレジデントへのレポートに加え、サービス事業のEast Asia ZoneのVice President(以下、Zone VP)へのレポートも必要です。ですので、カントリーとしての方向性だけではなく、事業軸でZoneと議論する機会が多くありますが、Zone VPは「Zoneとしての戦略は立てるが、カントリーについてはあなたたちが一番理解しているので、あなたたちで考えて動いてほしい」と常に言われ、完全に任されていると実感します。またローカルのKPIはZoneの戦略としっかり紐づく形で、事業部長とその傘下の部門に確実に落とし込まれています。これは私が属する組織に限ったことではなく、シュナイダー全体に言えることだと思っていて、シュナイダーが会社として「最もローカルなグローバル企業」というカルチャーを標榜している所以と私は理解しています。

榎本さんご自身は、前職でホールディングス/事業部制、そしてシュナイダーでマトリックス組織、両方ご経験されています。何事も両面ありますが、組織をドライブするという観点ではどのよう考えますか?

組織に完璧は無く、どちらもプロコンがあると思います。ただやはり、現在売上約5兆円の事業規模にも関わらず、この20年で売上を4倍にし、またその事業の中身も「モノからコトへ」と変革を遂げているシュナイダーの場合は、変化に対する対応力・柔軟性が組織として必須であったのだと思います。もちろん良いことばかりではなく弊害もあって、複数の社内システムにアクセスが必要であったり、複数のレポートラインを持つ煩雑さというのもありますが(笑)。ただ、もし組織が明確に縦割りになっていたら、その事業内のプロセスやオペレーションがスムーズになる一方で、組織が硬直化し会社全体としての柔軟性・シナジーが阻害されていたのでは、とは思います。

シュナイダーの組織文化

シュナイダーのこれまでの軌跡を語る上で、組織文化についてはどのように感じますか?

シュナイダーに入社して1年経って思うこととしては、インクルージョン・ダイバーシティが組織に完全に埋め込まれていて、そのカルチャーがシュナイダーの成長を後押ししているのではと思っています。ダイバーシティが欠けていると言われるこの日本においても、シュナイダーの日本法人では、いわゆる国籍・年齢・性別も多様な方だと思いますし、このグローバルの組織構造も相まって、様々な人と様々な場面で会話する必要が生じます。そんな対話の中から自分が思いもつかないアイデアが出てきたりすることも良くあります。

どんな人であればシュナイダーで楽しんで働けると思いますか?

日本のシュナイダーは、ベンチャーと大企業の中間ぐらいの組織を想像してもらえると良いのではと思っており、自ら事業機会を見つけ自らその機会を掴みに行きたい、また自ら課題を発見し自ら変革したい、という想いがある方にとっては非常にフィットする環境だと思います。聖域なく現状を疑い、必要に応じて根本から変えていくことが期待されていて、またそれを繰り返すうちに自ら変革を起こせているという実感を持つことができます。

私の場合は、新組織の確立がミッションでしたが、こうしたい・こうするべきだ、と思う点をステークホルダーにロジカルに説明できれば、すぐに実行に移すことが許されます。またその説明には作りこんだ資料など不要で、説明さえできれば口頭でも問題なく、その場で意思決定が行われます。このベンチャーのスピード感がありつつ、かつグローバルの多岐にわたるポートフォリオやノウハウにもアクセスができる2面性があるのが魅力的なところだと思います。

さらに、年齢に関係なくポジションを取ることができ、然るべき責任と権限を持って変革を推進する主体として活動できるという点は非常に魅力的だと思っています。パフォーマンスしていれば、それに応じた評価がされ、短期間でも昇進し、より大きな役割を担うことができるという理想の環境だと思っており、私も昨年のパフォーマンスを認めていただき、4月からマーケティング部門に加え、営業部門を統括する役割も担うことになりました。

働く上で大切にしたい価値観と今後のキャリア


その上で、榎本さんが日々大事にしている働く価値観とは何でしょう?

私が仕事をする上で気にしているのは、ステークホルダーとの関係性です。常に目的を見失わず、誠意を持って真摯に仕事に向き合い、ベストを尽くすことで周囲との信頼関係も構築されていくと考えています。そしてその仕事で関わった社内外の皆さんとのネットワークを、より大きく強固なものとすることこそが、自分の一番の財産だと思っています。これが無ければ、何か大きなことを果たそうと思っても、誰もついてきてくれないと思っています。

どのような経験から、そう思うに至ったのでしょう?

一つ挙げるとすると、前職でM&Aの仕事をしていた時の先方企業の交渉相手との関係性の変化があります。M&Aディールの最中の先方との交渉場面では、本当に日々、喧々諤々で、険悪なムードでの議論も多かったのですが、それでも目的を見失わず、物事に真摯に向き合い、確実に前に進めようとする姿勢はお互いに通じ合うものでした。無事にディールが成立し、プロジェクトが完遂した後は、お互い苦楽を共にした戦友としての関係になれました。その方とは数年経った今でも時々キャッチアップのために飲みに行ったりもします。利害が対立する場面での激しい意見のぶつかり合いの中ですら、向き合う姿勢によって結局は信頼関係が築けるという経験は、私にとっても重要な学びとなっています。

最後に、今後シュナイダーにおいてどのようなことを果たしていきたいですか?

冒頭でも話しましたが、(#1をご覧ください)人類が必要とするエネルギーがきっかけで醜い争いが起こる、かつ化石燃料も結局いつかは尽きてしまう。それはすごく恐ろしいことで人類として何とかしないといけない、「地球を長持ちさせたい」と、物心ついた時から思っていました。最近の言葉では、まさにサステナビリティだと思います。この意味で、世界で最もサステナブルな会社と言われることもあるシュナイダーが掲げるパーパスと、私自身の想いというのは明確に紐づいていて、キャリアを加速させ役割を拡大し、シュナイダーの事業を拡大することで、社会への貢献のインパクトを高めていきたいです。


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