松岡充の歌詞センスについて
俳句は最下位やけど、歌詞書かせたら日本一や。と、何かのMCでご本人が言っていた。
いやいや、あれだけ歌詞も書けて俳句も詠めてってどんな文才なん? というわけで今日は2000文字くらいで松岡充の歌詞センスについて思うところを書こうと思います。
そもそも元ヤンなのに国語ができるなんておかしい! という思いもあるかも知れません。でも思い出してください。クラスにいたヤンキーたちは勉強しないだけでできないわけじゃなかった。ちょっと本気出したらテストで90点とか取ってたことないですか?
わたしも商業ライターをしていましたので、文才はあるし、国語の成績は大体クラスで1番2番。そこだけが誇れるところだったのに、スポーツ万能でイケメンのヤンキーがタバコ片手に文才もあったら全ての女子たちにモテまくりじゃないか! 不公平です。
というわけで何の話だかわからなくなりましたね。だって2000文字書くって言ったから、埋めないと。歌詞の話を始めましょう。
・零と宇宙
これ、零と無限、だったらとんでもなく鼻白む結果になってましたね。零の対義語として宇宙を持ち出すのはセンスの塊です。
・銃弾
ココ、全曲の中でわたしが一番好きな部分。「カメもアリも勝つと教わったのに、現実はカメとアリの戦い」真理すぎてぐうの音も出ない。
・ビューティフル
完成度の高すぎるニヒリズムを装ったポジティブソング。全ての歌詞が心に響くので全部貼り付けたいけど2000文字超えてしまうので一部だけ。「失恋だとか挫折だとか皆そりゃ楽しそうね。平和で豊かで良かった」
・未来大人宣言
「擦りむいた膝っ小僧はお風呂で沁みた。泣きながら頬張ったお風呂上がりのスイカ」
これまでの作品でもあんま無い、そもそも歌詞とかではあんまりやらない、単語の重複。お風呂。お風呂の言い換えはたくさんあるんだけど、敢えてお風呂を2度使うことで、「あの頃」を描写している。とも解釈できる。深い。
・Thank you
何の雑誌だか忘れたけど、発売当初にメンバーたちが、珍しく超ストレートな歌詞だと評したホントにどストレートな1曲。ゆえに事あるごとに人生の傍らにいて寄り添ってくれる言葉です。「多くの出逢いの中で、多くの言葉の中で、今、心から君にありがとう」
・-僕はここにいる-
人生の傍らにいて、事あるごとに寄り添ってくれる歌詞をもう一節。「逃げ出したくなることは何度もある。だけど、ここにいるなら大してビビってない」ビビってんだけど、ビビってないよって言い聞かせることができるための曲だよな。だって逃げたくなることばっかりだし笑。
・君の詩
松岡さん自身はめちゃくちゃ器用ですよね。ライブでの白いタンバリンの回し方。完璧じゃない? あんな器用にくるっとできる人、他に知らない。「生まれた時から器用に生きてるヤツは見た事ない」これも時折勇気をもらえるポジティブな一節です。
・OAR
メタファー全開の凄く不気味な曲。これがシングル曲ってのがセンスの為せる技。でも個人的にはTOP3に入るぐらい好きな一曲。このメタファーを腑に落ちる解釈で言い得ている文章にまだ会ったことない。ちなみに天満にあるOARってBARはこの曲から拝借したとマスターが言ってた。
・誓いの種
別れの曲。別れってマジ絶望だし辛い。悲しみが、2人の過ごした時間を消してく。どんな誓いかわかんないけど、あの日の誓いとかも悲しみに沈んでいく。その誓いを種と表現した優しさが好き。だって種っていつか花を咲かせるよね。別れが無意味なものではなく、悲しみという肥料を使って花を咲かせるあの日の誓い。何の花かな、向日葵かな。
・rainbow rain
「自由っていう翼、背中にしょって、一度も広げずに」パンチの効いた小気味よいアイロニー。希望に満ち溢れた名曲。何度聴いても爽やかです。
・-sen-
ストレートな社会派ソング。隠れた名曲中の名曲。じっくり聴きたい曲。聴かなければならない曲。「それでもいつかは、この手に銃を取る? それでも僕らは、泣きながら生まれた」
・鈴蘭
「銀色の二人の約束をはずした日」後のヤングアダルトにも繋がる「外す」って表現を実はここでも使ってたんだね。ふたりぼっちで生で聴きました。いつか鈴蘭も振りたい、かな?笑。
と、ここまでApple Musicでランダム再生しながら流れた曲を徒然なるままに書いてきた歌詞評(というほどのものではなくてごめんね)。いつかまた第2弾を。そして最後にもう1曲だけ。
こうやっていつでもApple Musicで聴ける。CDももちろん持ってるけど。ライブでも聴ける。WOWOWやTBSの録画でも聴ける。消えなかった曲たちに囲まれる幸せに感謝しつつ2000文字を〆たいと思います。
・られぬ
「歌われぬ曲は消えてく、この身削り書いたのに。ファストフードで済ませる夜に、虚しく響くmelody」
一昨日は地上波でも響いたね。
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