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ショートドラマの脚本を書きました

アラフォーメンズの中ではテレビドラマには詳しいほうだと思います。特に90年代トレンディドラマが流行ったあたりの連ドラはほとんど見ていただけでなく、VHSの3倍モードで、野球の延長に「ぬ゛ぁぐぁ゛」ってなりながらもたくさんのコレクションを自宅のビデオ棚(ホコリの入らないもの)に揃えるのが趣味でした。

この役者さんの演技がグッとくる、とか、このシーンの撮り方がおしゃれね、とか、そういうことに興味を持ったわけではなく、台詞・ストーリー、つまり脚本を書いてみたいとVHSを集めていた小学生の頃から思い描いていたわけです。

まるで詩のような野島伸司の世界観や、おしゃれで小気味よい北川悦吏子の紡ぐ言葉たち、宮藤官九郎の天才的な場面転換や坂元裕二のあまりにもリズミカルな固有名詞に唸るのはもうちょっと後だったかな。

とにかくたくさんの脚本家たちに憧れ、脚本家志望の誰もが夢見るのと同様に、いつか、脚本◯◯とエンドロールに表示させたいと思っていました。だけど、脚本家になるにはどうすればいいのかがわかりません。兎にも角にもお話を作れたりキャラクターにウィットに富んだ台詞を言わせるスキルがないと話になりません。

実家のビデオ棚の隣に漫画棚がありました。VHSと同じようにコミックスを集めるのも好きだったので、ジャンプだけでなく、赤ずきんチャチャやママレードボーイやこどものおもちゃなどリボンのコミックスも揃えていました。テレビドラマはひとりでは作れませんが、漫画だったら紙とペンさえあればひとりで描ける。親が紙の会社に勤めていたので、その紙の裏に漫画を描くようになりました。

オリジナルのキャラクターを作ってオリジナルのストーリーを作る。人間は描くのが難しかったので2頭身くらいのモンスターを主役に据えたギャグ漫画を描きました。自分で言うのもなんですが割と面白かったのです。当時はスクールカーストなんて言葉のなかった時代ですが、特に足が速いわけでもなく、サッカーが上手いわけでもなかったモブキャラ生徒が、描いた漫画をクラスに持って行って読んでもらうと女子たちにもウケたので、やっぱり面白かったのです。

脚本家じゃなくて漫画家になりたいかも! とは思いませんでした。だって2頭身以上描けなかったものですから。中学に入ってからは大学ノートに小説を書くようになりました。ギャグ漫画から一点、野島伸司の影響を色濃く受けてさらに中2病を発症した最中の大作を、女子たちには読ませられません。仲のいい男友だち何人かで批評し合ったりしたなかなか暗めの青春が楽しかったのを思い出します。

高校に入ってからは、演劇に興味が湧きました。高校の演劇部が凄くて優勝とかしてる具合の部活でしたので、公演など観に行ったような気がします。仲のよかった演劇部の生徒に台本を見せてもらったのかどうだったかは忘れましたが、漫画でも小説でもなくて、やっぱりちゃんと脚本を書きたいと再確認して、脚本の授業があり、且つ、学生同士でチームを組んでドラマ制作なんてものができるらしいという噂の芸大に進学することにしたのです。

別に芸大に入らなくても脚本の勉強はできるし、新井一氏のシナリオの基礎技術はいつまで経ってもバイブルだし、シナリオセンターに通信で通うのもいいのかも知れないし、独学で公募に応募しまくってもいい。最近で言うと、videosalonのウェビナーで脚本についての特集もやってくれていたし、勉強する環境なんていくらでもある。だけど私はやっぱり大学で脚本論受けたり放送特講C受けたり制作実習でドラマを作ったりしたことがとても役に立ったと思っています。

で、仕事としては一応シナリオライターを名乗ってはいるし、筆名もあるし、誰にも書いたことのないサインもあるわけですが、とはいえ映画とかTVドラマとか泣けるCMとかミュージカルとかケーブルテレビの再現VTRとかそういうのは仕事では書いたことがまだないんです。商業で書いたものは、企業様のブランドムービーの構成台本とかソーシャルゲームのテキストとかYouTube漫画動画の台本とか、そういうのをやっていました。

いちばん色んな人にプレイしてもらったゲームだと、ゲームというかアプリなんですが、某アイドルグループのアプリを書いたことがあって、推しの台詞を担当することができたのはいい思い出です。(別にアフレコとかはなかったんだけど)

ドラマの脚本の書き方と、ゲームのシナリオの書き方はかなり違っています。まず前提としてソシャゲは横書きにしていたし、ト書きみたいなものはない。文字単価何円、とかで受注することが多いです。一方、プロモーション動画の脚本やミュージックビデオの台本などは、シナリオの体裁にしないことも多いので、企画書や絵コンテなどとまとめて提案することがほとんどです。脚本やシナリオ(同じ意味)は設計図なので、そのままクライアントに見せることはあんまりないんです。

仕事で横書きやコンテばかり書いていると、せっかく大学で勉強したことがもういい年だし忘れてしまいそうで。元々カメラを始めたのも、自分の脚本を自分で撮影できるようになったらお金かかんなくていいかも、と思ったのがきっかけでもありましたし。

というわけで長々と2000文字以上書いてきたわけですが、言いたいことはこの10文字なんです。

「ドラマ作ったから観て」

定期的に新作を更新していきたいと思っていますので、よかったらチャンネル登録なんかしてくれたらとても嬉しいです。

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