”街に佇み・意思を持ってコミュニティを形成していく・人の思いや生活の只中に存在するような場所って素敵だね”というおはなし
先週のある日、怒涛の年度末の最中、名古屋に行ってきました。
緊急事態宣言が出ているのに何やってんだ!っていうお叱りも覚悟の上で、あるお店の開店のお祝いに。”TOUTEN BOOKSTORE”というボクが鷗来堂のお手伝いをしていたときにスタッフとして頑張ってくれていた古賀さんの新しいお店・本屋さんです。
店舗の設計・デザインは國重くん(通称ちゅーたくん)で、HummingBird Bookshelf 四条烏丸店の立ち上げや運営も一緒にやってきた元仲間たちの新しいお店ってわけです。
去年の3月末でHummingBird Bookshelf 四条烏丸店は閉店してしまいました。いいろいろ力及ばずで関わってくれた方々には本当に申し訳なかった。おいかぜとしても”こどものためのでざいんぷろじぇくと ワワワ”のショップインショップがあったり、少なからず関わっていたりで、”TOUTEN BOOKSTORE”にはワワワのメンバーと一緒にお祝いに行きました。デザイナーのやまもちゃんとディレクターの廣瀬さんと共に。ディレクターの樋口さんは産休前なのでリモートで参加!便利な時代になりました。
”TOUTEN BOOKSTORE”はボクが想像していた以上に閑静な場所に佇んでいて、そしてまだ開店してすぐなのに、街に・商店街に溶け込んでいました。ボクたちがお店にいる間の数時間、お客さんは途絶えることなく、みんな思い思いに本を手に取ったり、コーヒーを飲んだり、わざわざ”TOUTEN BOOKSTORE”目掛けて来られている方も多そうで、これは古賀さんの人徳だなぁって。お店にも人格のようなものがあって、”TOUTEN BOOKSTORE”にはそういうものを感じたんです。
たぶん自分の街に”TOUTEN BOOKSTORE”みたいに、本が買えて・コーヒーやビールが飲めて・心地よいコミュニケーションが楽しめる場所があったら、きっと毎日くらい通うだろうな、名古屋の人たち・ここの街の人たちに羨ましいなぁと思ったわけです。
ボクは2年間くらい本を売る・本屋という場所を維持するということに関わった身として、古賀さんが”TOUTEN BOOKSTORE”を立ち上げたこと、そしてこれから維持していくことがどれだけ大変なことかってことは少しは理解しているつもりです。そしてコロナ渦の中、小売業がどれだけ大変な状況かも。
でもこのタイミングで場所づくりを始めた古賀さんがむしろ正しいとも思ったりしています。この状況はいつか収束します。それがいつかは誰にもわからないけれど、必ずいつか収束します。ウェブやオンラインのテクノロジーが進化して、みんなのデジタルリテラシーが上がって、どんなにリモートで解決するコミュニケーションが増えたとしても、実際に会って話すという身体的なコミュニケーションの価値は変わらない、いやむしろこれから価値が上がっていくはずです。
それはどんな場所でも・どんな機会でもいいのかっていうと、そういうわけではなく、”TOUTEN BOOKSTORE”のような、街に佇み・意思を持ってコミュニティを形成していく・人の思いや生活の只中に存在するような場所にこそ価値がある、そう思っています。本というアーカイブ手法にはまだまだ価値はあるし可能性もある、そしてやっぱり本屋って街に必要なファンクション。
ボクたちおいかぜが事務所を構える京都・西院という場所では、最近駅前の本屋さんが閉店しました。商売として難しかったんだろうなと思いながら、やっぱり本屋さんが無くなってしまうのは寂しい、そして本当に困る。
今回こんな状況でワワワのメンバーで”TOUTEN BOOKSTORE”を見に行きたくなったのは、そういう場所をワワワ・おいかぜでもつくりたいって思っているボクの直感みたいなところからの行動でした。見に行ってよかった。
じゃあワワワでおいかぜで本屋さんをつくるのか?っていうとそういうわけじゃないんだけれど”街に佇み・意思を持ってコミュニティを形成していく・人の思いや生活の只中に存在するような場所”をつくってみたい。そういうことなんだと思います。
そういう場所って”わざわざ行きたくなる場所”なんですよね。自転車を使って、車を走らせて、電車に乗って、わざわざ行きたくなる。その街の人たちからすると普段使う何気ない場所だけれど、その街の人じゃない人たちを吸い寄せる引力がある。逆にいうと、そういう場所やお店しか残っていかないのかもしれない。
本当はもう少しゆっくり名古屋を観光とかしたかったけれど今回は弾丸ツアー。古賀さんに「また来ますね」って言って京都に帰ってきました。
みなさんもし名古屋に行く機会があれば”TOUTEN BOOKSTORE”へ是非行ってみてください。名古屋に行く機会がなくても”TOUTEN BOOKSTORE”へわざわざ行ってみることをおすすめします。
古賀さんがんばってください!応援してます!また行きます!
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