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【実践事例紹介】「生成AI x Pepperがクラスにやってきた!」クラーク記念国際高等学校

みなさん、こんにちは!Pepper編集部です。
生成AIを利用する時のリテラシーを学ぶ授業が Pepperを活用して行われましたので、ご紹介します✨

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授業内で使用した教材は、昨年(2023年)12月にPepperご利用の契約者様向けに配布を開始した最新教材です!
※Pepperご契約者様は以下から教材データを取得いただけます。
授業の準備 – Pepper 教育関係者フォーラム (pepper-schoolchallenge.com)
> 『生成Aリテラシー教材 「理解編」「実践編」』∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽

先日、クラーク記念国際高校 横浜キャンパス 3年生の生徒さん(15名)を対象に、3週にわたり、計6コマの授業を実施しました。読みたい部分から読んでみてくださいね!

  • 1週目(Pepper授業1-2コマ目):Pepperの基本のプログラミングを覚える

  • 2週目(Pepper授業3-4コマ目):生成AIリテラシー教材の 理解編と実践編<前編>

  • 3週目(Pepper授業5-6コマ目):生成AIリテラシー教材の 実践編<後編>

1週目(最初の2コマ)

Pepperと初めて会って、Pepperの基本のプログラミングを身に付ける授業です。

授業の始まりです

まずは、生徒の皆さんの見本となるようにプログラミングされたPepperからご挨拶。

Pepper の頭を触ると、Pepperが話し始めます。
“クラーク高校のみなさん、はじめまして。皆さんに会えて、嬉しいです!”
Pepperが、話しながら、右手を上げました。
そして、楽しい音楽を鳴らしました。

さあ、Pepperというこのロボットには、何ができそうでしょうか?
・発話できる
・音を出せる
・手を動かすことができる
・頭にセンサーがある

生徒さんから、様々な意見が出てきました!そうですね、皆さん、さすが、よく分かりましたね。では、皆さんで、やってみましょう!ということで、プログラミングに入ります。

自分の手元のタブレットで、Pepperを動かすための専用のプログラミングツール「Robo Blocks」にログインして、簡単なプログラムを組みます。
まずは画面の中のバーチャルペッパーで、そのプログラムが動くか試します。
それができたら、いよいよお待ちかね。そのブロックを、教壇の横に立っているPepper機体に送って、動くか、試してみました。どうかな、動くかな...? ワクワク

自分が設定したセリフを発話したり、身体を動かして、いろんなモーションをしてくれました!

Pepperを動かすプログラミングの基本が分かりましたね。

では、こうやってロボットのプログラミングができるようになると、どういう良いことがあるのでしょうか?以下の動画を見て、これまでの全国の教育機関の事例から、Pepperでできることのイメージを膨らませていただきました。

STREAMチャレンジの作品動画>アワード受賞作品

2週目(Pepper授業3-4コマ目)

生成AIリテラシー教材の 「理解編」 を使って授業が進められました。

生徒の皆さんは、配布されたプリント上の問題を順番に解いていき、生成AIリテラシーを学びます。内容は以下のようになっています。
・生成AIとは何か?
・利用リテラシーとは何か?
・AIを活用する具体的な場面で注意すべきことは何か?

この教材を通じて、学校生活の中で、生成AIとの共存ができそうだと思ってもらえたら嬉しいです。
では、その内容を踏まえて、次は、生成AIリテラシー教材の「実践編」 に移ります。
実践編では、Robo Blocksで使うことができるChatGPTの機能を使って、世の中で役に立つPepperを考えてプログラムします。

授業の導入として、ゲームをしました!
理解編で学んだ、ChatGPTの仕組みについて、ゲームを通じて理解を深めます。

このゲームでは、クラス全体で、1つのChatGPTになるという設定で、コトバを紡ぎ出していただきます。
こちらが指定したコトバに続くコトバをクラスで1つ決めてもらいます。知らないコトバが出てきても、「わからない」と言ってはダメですよ。何か答えてくださいね。
「むかし、むかし」には何が続きますか?
そう、簡単ですよね。考える間もなく、全員の意見が一致しました。
では、次の問題。「二外とは」だと、どうでしょうか?

ゲームがとっても盛り上がり、生徒さんの興味関心がグッと高まったのが伝わってきました。

休み時間を挟んで、実践編の本題です。
お待たせしました、Robo BlocksでChatGPTのブロックを使ってみましょう。

Robo Blocks画面

1週目でプログラムしたPepperは、自分が設定した決まったセリフしか話すことができませんでしたが、今度は、AIの力を借りて自由に話せるようになりました!

3週目(Pepper授業5-6コマ目)

最後の週です。ChatGPT のプロンプトのテクニックを身につけましょう。

生成AIに指示を出すための「指示書」であるプロンプトを変えると、Pepperのキャラクターを変えることができます!

さらに、もう一歩踏み込んで、プロンプトを効果的に書くためのスキルであるプロンプトエンジニアリングを学びました。

力試しのクイズもありますよ。
どうやったら、欲しい回答をPepperから引き出せるでしょうか!?
いつもとは違う、逆算の方式で考えてみましょう。

生徒の皆さん、いろいろプロンプトを変えて実験してくれました。
工夫してプロンプトを書き換えていくと、自分が望むような答えを言うPepperに近づいたみたいです!

指定の回答を出すにはクイズの模範解答

生成AIを使いこなすプロンプトについて学んだところで、このChatGPTと組み合わせたPepperを誰かの役に立てる方法を考えましょう。

このクラスでは、文化祭をテーマにしました。
今まで経験した文化祭の中で、誰かが困っていませんでしたか?思い浮かべてみてください。

文化祭でのお困りごとを特定して、その後、どのような解決策を提供できるか、チームで考えていきました。
4人で1チームになって、まずディスカッションからスタートです。

チームに分かれて、案を考えています

次のような課題が見つかりました。
・外部の人が学校に来ても、目当ての催し物の場所が分からない。
・人気の教室にますますお客様が集まって、待ち時間が長くなってしまう。(そうすると、出展者側もてんやわんやで忙しい)
・お客様の属性や満足度を知って、今後の企画に活かしたい。

色々な課題が出てきましたね。
課題を特定して発表したところで、休憩時間を挟みます。

では、先ほど特定した課題に対して、ChatGPTを活用して解決できないか考えて、Pepperをプログラムしてみました。

Pepperにどのような指示を出したらうまく課題を解決してくれるでしょうか?
生徒の皆さんは、ChatGPTのプロンプトを調整しPepperの発話を工夫してくれました。
この段階で使用するワークシートがあります。

以下の内容を記入して頭の中を整理していきます。授業の見直しもしやすいようにまとめます。
・誰の、どのような課題を解決するか
・何を作るか
・生成どのように活用できるか
・Pepperの発話についての指示であるプロンプト

プログラミングツールに表示されているバーチャルペッパーだけではなく、Pepper実機でも試してみます。試しながらプロンプトを書き換えて改良していきます。

さあ、最後に皆さんの発表の時間です!
特定した課題・解決策を発表していただきました。
Pepperで模擬会話も実演してくれました。

ワークシートを読み上げながら、発表をしています

ユーザーとPepperの間で、以下のような会話が繰り広げられていました。
(実際の会話の書き起こしではなく、あくまでイメージです。)

・ユーザー「バンドのライブはどこでやっていますか?」 
→Pepper「3階です。正面の階段を上がってください。」
→ユーザー「わかりました、ありがとうございます。」
→ Pepper「お役に立てて、嬉しいです。楽しんでくださいね!」

・ユーザー「お化け屋敷に行きたいです!
→ Pepper「うーん、お化け屋敷はいま、混んでいます!化学実験の部屋はすいていますよ。いかがですか?」

・ Pepper「文化祭に来てくれてありがとう!文化祭は楽しかったですか?
→ユーザー「はい、すごく楽しかったです。」
→ Pepper「そうですか。楽しんでいただけて、よかったです!今後の参考のために、あなたの年齢を聞かせてください。」

Pepper のおかげで、文化祭のお困りごとが解決しそうですね!
思っていたように発表できたチームも、ちょっと心残りがあるチームもありましたが、短時間で、よくがんばってくれました!!

生徒さんたちには、
・学校生活や社会生活の中で、生成AIとの共存をするために気をつけること
・テキスト生成AIで、欲しい回答を得るためのプロンプトの書き方のコツ
・グループで話し合い、誰かの困りごとを特定し、その解決のために特定のソリューション(今回は、生成AIと人型ロボットの組み合わせ)を利用するという思考プロセス
・課題・解決策・具体的な方法を短時間で資料にまとめて、サンプルの会話を披露する一連の流れ

を体験しながら学んでいただけたものと思います。

今後も「誰かの困りごと」に出会ったときに、どうやったら解決できるか? そのために何を使うか? その中で生成AIを利用できるだろうか?を考えるきっかけになってくれていたら嬉しいです。

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