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新たな門出に、嘘が一つもない話を。

4月1日。嘘をついて良い日に、しっかり本当の話をしよう。
今日の日記は、期待と不安にがないまぜになった若者へ捧げる。

社会人になったのは約20年前。大学生になったのは24年前となる。
目が眩むほどの昔の話だ。当時と今とでは様々なことが違うだろう。
大学生でも、社会人でも、20年前と変わらぬことがあるとすれば「わからない」ということにたくさんぶち当たるということだと思う。

大学生であれば、全くの見ず知らずの人たちに一斉に出会う。
高校まではなし崩し的にクラスの誰かと仲良くなる閉鎖的空間だったが、大学となると全く違う。どう話しかけて良いのかを忘れてしまうほどの新しい出会いに溢れている。少し大人ぶって見せたくなったり、失敗を見せたくなかったり、ちょっと新しい願望が生まれていることだと思う。

数ヶ月たって、肩の力が抜けてきた時にふと隣で座っているやつがいれば、おそらくそいつとは4年間の終わりが見えない夏休みをいかに過ごすかとか、恋をしてどうしようとか、就職どうしたらいいんだ、やりたいことってなんだ、自分ってなんだという大切な瞬間を過ごすことになると思う。

なんだかんだ、4年間という長そうで短い時間は、自分の中に芽生えた「わからない」を少しずつ氷が解けるように理解していくことだったように思う。その中で溶け切らずに残ったものがなんなのか。その一粒のかけらを、いや輪郭程度を掴むことで精一杯だと思う。

ここで出会う友人は、君を外から眺めアドバイスをくれるだろう。
人間って自分のことが一番わからないんだってことを痛感する。
どうように君も友人のそれになる。隣にいてくれるやつには心を全部向けて良い時も悪い時もなんとか無理やり楽しい方向にもっていくことを心がけていれば「自分がやりたいこと」なんかより、もっと大事な生涯の友達ができると思う。大学4年間、今は僕らより生き急いでいる感覚があるが、100年生きちゃうかもしれない時代だ。急がず目の前にあるわからないや友人と向き合う濃度を高めていくと良いんじゃないかと思う。

そして、社会人になったみんな。ようこそ、世界へ。
学生の頃にあれやこれや一生懸命やってきたことが何も通用しないことに最初、心が折れるだろう。なんとなく想像していた社会人。サラリーマンの軍団。ちょっと子供の頃はバカにしていたことを後悔すると思う。目の前をあるく働く人たちは全てプロだ。何かしらの仕事のプロ。そして、自分たちにはまだ何もないんだってことに驚くと思う。大人ってすごいよな。

でも悲観しないでくれ。みんな最初はそこからスタートしている。
新しくゲームが始まった程度に捉えたら良いと思う。大人の僕らか見ると満遍なく君たちは可能性の器だ。そこに何を注ぐか。それで君たちがなんのプロになっていくのか。それが変わってくる。

嫌な仕事もあるだろう。嫌だなと思う前に、それが何につながるか、もしくは何に繋げれるかを想像してみよう。そうすると少しだけ世界の見え方が変わる。そして、時折ここに湧いてくる「なんでこの仕事してるのだろう」という不安を感じる前に「この仕事は誰のためか」を想像しよう。

この世界の働くすべての人が誰かのための仕事をしている。
そのおかげで今日も僕らは暮らすことができている。
君の仕事も必ず誰かにつながる仕事だ。
それは未来につながる仕事とも言える。
今、自分に巻き起こってることの足元を見るのではなく、その歩んだ先の人や未来のことを考えてみると良い。迷うことは限りなくなくなる。

そして、社会はいい人だけでは構成されていない。
邪悪なこともある。学校も親も誰も守ってくれない。
まさにサバイブしなければいけないのが社会人だ。
素敵な人もいれば嘘つきもいる。ずるい奴もいれば努力家の人もいる。
もし自分のいる環境に不安を感じたら、すぐに逃げ出した方がいい。
大丈夫100年くらいあると思っておいたらいい。

この逃げるのニュアンスは難しいが、社会人には「責任」が生まれる。この責任というものは、なかなか学生まででは味わえなかったものだ。この重圧に最初驚くだろう。それが辛くて逃げ出したくなることもあると思う。しかし、その責任をしっかり見てほしい。それは責任という言葉でもあるが、信頼と同義だ。信頼されてないと何かをお願いはされない。責任の重さだけ信頼されているのだと奮い立たせよう。しかし前述したように責任を悪い使い方をしてくる人もいる。そこを見極めよう。残念ながら邪悪な人は存在する。

エイプリルフールに本当のことだけ書こうと思ったのは、20年くらい先に社会に出させてもらった学びがあるからだ。
すべての仕事は、人と人で作られている。もちろんキミも、僕も年齢関係なく同じ人だ。何より大切なのは人と人の間で交わされる言葉や想い、信頼や責任、間で流通する無形のものだ。これにこそ僕ら人間の価値がある。僕らを総称する言葉が人の間とかいて「人間」と規定されているようにキミと誰かの間を含めて、僕ら人間なのだ。

どうしても自分個人に目が行く。自分を大切にすること、自分を守ること。これを決して忘れないようにしてほしい。それくらい社会って厳しい。でも、いつもキミ自身を作ってくれるのは周りにいる人だ。僕も多くの人に助けられ育てられ今日も生きて来れている。自分を大事に、そして自分と繋がる誰かと、その間で交わすものを大切にしていれば大人の世界は楽しいものだ。その間を蔑ろにした時に人間ではなく「孤立した人」になってしまう。

もし君たちが生きてく中で疑問を感じたり、わからないことがあったら、僕らのスタジオに遊びにくればいい。この不確かな現実を人の繋がりで今日までニコニコ生きて来れた仲間がたくさんいる。世界に絶望する前に逃げ場がなければ遊びに来たらいい。

新しい門出を京都の片隅から。
いい旅を!

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